医療法人は、特定の理由に該当する場合のみ、解散(廃業)することができます。
では医療法人の解散は、一体どのような流れで行われるのでしょうか?
またどんなときに、医療法人の解散は認められるのでしょうか?
医療法人を経営する院長は、もしもの時に備えて知識を身に付けておきましょう。
目次
まずは解散認可申請、解散届を提出する
医療法人が解散する場合、まず解散認可申請もしくは解散届の提出を行います。
ただ解散の理由によって、どちらを提出するかは変わってくるので、まずは解散理由を明確にしなければいけません。
したがって、院長はまず、自身の医療法人の解散理由がどれに当てはまるのかを確認しましょう。
医療法人は、以下のいずれかに該当する場合のみ解散できます。
・定款で定められた解散の事由が起こったとき
・業務に失敗したとき
・社員総会で決議したとき(3/4以上の賛成による)
・別の医療法人と合併したとき
・社員が退職や死亡によって足りなくなったとき
・破産手続きの開始が決まったとき
・設立認可の取り消しがあったとき
逆に上記の理由に該当しない医療法人は、どんな状況であっても解散することが認められません。
個人開業医が医療法人化する際の欠点として、“簡単に解散できない”ということが挙げられますが、それは上記の理由に該当しない限り解散できないためです。
また上記のうち、“業務に失敗したとき”、“社員総会で決議したとき”は、解散認可申請を提出します。
一方、“定款で定められた解散の事由が起こったとき”、“社員が退職や死亡によって足りなくなったとき”は、解散届の提出が必要になります。
提出後の流れについて
医療法人は上記いずれかの提出を行った後、基本的に以下のような流れで解散手続きを進めていきます。
・解散の登記手続き(合併時、破産手続き開始の決定時以外は必要)
・清算人就任の登記手続き
・医療法人解散登記完了届の提出
・清算人就任登記届の届出
・清算の手続き
・清算結了登記
・清算結了届の届出
医療法人を解散するには、これだけの手続きを行う必要があります。
またこの他にも、出資持分の払い戻しに関する対策を取ったり、患者や従業員に解散(廃業)の旨を伝えたり、やるべきことはまだまだあります。
まとめ
医療法人の解散における流れについて、簡潔に解説しました。
今回、すべてを細かくはお伝えできませんでしたが、まずは“解散するための特定の理由が必要”だということを把握するところから始めましょう。
また解散の理由によって申請の仕方は異なる上、解散の数ヶ月前から動き出さなければ、なかなかすべてに対応できなくなってしまうため、注意が必要です。