個人開業医がクリニックを継承した際に受け取る金額について


個人開業医は、クリニックの後継者がいない場合、第三者にクリニックを継承し、その対価として金銭を受け取るという方法を選択できます。
では、クリニックを継承したときに受け取れる対価の金額は、一体どのようにして算出されるのが一般的なのでしょうか?
詳しく解説したいと思います。

目次

個人開業医がクリニックを継承したときに受け取る金額の算出方法

個人開業医がクリニックを継承したときに受け取る金額は、基本的に譲渡する資産、そして営業権の金額を足して算出されます。
譲渡する資産には、クリニックの土地や建物、設備などが該当し、これらの金額はクリニックを継承する時点の金額となります。
また、営業権は、主に2つのパターンで評価されます。

営業権の評価方法について

①開業から10年以上経っているクリニックを継承する場合
開業から10年以上経ち、すでに経営が軌道に乗っているクリニックを継承する場合、院長の年間所得が営業権として設定されることが多いです。
つまり、院長の年間所得が3,000万円の場合は、“営業権=3,000万円”として設定されることが多いということです。
ただ、クリニックを経営するにあたって、削減できるコストが多いと判断される場合は、院長の年間所得から削減できるコストを差し引いた金額が、営業権の金額になることもあります。

②開業から数年しか経っていないクリニックを継承する場合
開業からまだ数年しか経っていないクリニックを継承する場合は、今後成長していくということを考慮して、経営が軌道に乗っているクリニックとは別の方法で営業権を評価します。
例えば、まだ開業して2年にも関わらず、すでに売上が3,000万円に達しているクリニックがある場合、実際継承をする3年目には、売上が4,000万円に達していると予測できるケースがあります。
この場合は、クリニックの売上が4,000万円に達したとき、院長の年間所得がどれくらいになるのかを予測して、その金額が営業権として設定されます。

ただ、これらの営業権の評価方法は、あくまでも基本的な方法です。
実際は、クリニックを開業しようとする医師が多い地域なのか、そうでない地域なのかによって、細かく調整されます。

まとめ

ここまで、個人開業医がクリニックを継承したときに受け取る金額について解説してきました。
近年は、無料でこの金額をシミュレーションしてくれるサービスも増加しているため、これから第三者へのクリニックの継承を考えている院長は、必ず利用しましょう。
その金額によって、第三者への継承という方法が、現段階で適切なのかどうかがわかります。


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