これから開業医となる方の中には、“自分のクリニックを持つ”ということ、そして大きな収入を得られることに、期待を膨らませている方も多いでしょう。
ただ、開業医になるのであれば、しっかりリスクを考慮したクリニック経営を心掛けなければいけません。
今回は、そんな開業医のリスクについてお話しします。
目次
開業医はリスクの高い職業である
開業医になれば、勤務医のように、あらかじめ定められた方針に縛られることがなく、クリニック経営で得た利益の多くを、自身の収入として獲得できます。
ただ、開業医になるには、多額のイニシャルコストが必要であり、「自分がここのトップだから、やりたいことは全部やる」と考えて開業医となった方の中には、思いの外集客が芳しくなく、ローン返済で精一杯という方も多いです。
ここで意識していただきたいのは、開業医にはたくさんのメリットがある一方、大きなリスクも潜んでいるということです。
開業医は、リスクを考慮した上で、身の丈に合った経営をしなければいけません。
開業医のリスクを軽減するための“方針決め”
開業医にとって、非常に重要な作業の1つに、“方針決め”が挙げられます。
開業する際は、自身の得意分野である診療科目と、ターゲットとなる患者のニーズが合う場所に、クリニックを建てるようにしましょう。
逆に、多くの診療科目に対応しているクリニックの場合、集客数は増えるかもしれませんが、より診療に専門性を求める患者は、各診療科目の専門クリニックに流れていきます。
また、自身がそれほど得意ではない診療科目に対応すると、うまく患者のニーズに応えられず、かえってクリニックの評判を落としてしまうかもしれません。
つまり、無理をして手を広げすぎない方が、開業医は経営難のリスクを抑えられるということです。
また、当初決定した方針を、開業後に変更するというのは非常に難しいです。
なぜなら、コロコロと方針が変わるようなクリニックは、患者からの信頼を得られなくなってしまうためです。
そのため、開業医はリスクを抑えるため、途中で変わることのない、長期的な視野で設定された方針を頼りに、開業する立地、診療科目などを決定する必要があります。
まとめ
ここまで、開業医のリスクと、それを意識した方針決めについて解説してきました。
開業医は、成功すれば勤務医よりも多くの収入を得られますし、なにせ自身の考えを経営に反映させることができます。
ただ、開業前から成功ばかり描いている方の多くは、クリニックの経営に失敗しています。
リスクや失敗をどれだけ描けるか、それが開業医にとってもっとも大事なことではないでしょうか。
