開業医の家庭では、後継者の人材育成が1つの課題となっていますが、子どもの頃はよくても、後々「継がない」と主張されることも珍しくありません。
こうしたことから、開業医の親のクリニックを継ぐ・継がない論争は、未だに決着がついていないといえるでしょう。
そもそも、何故このような論争が起こるのでしょうか?
目次
開業医を継ぐという意思は優秀な子どもほど弱くなりやすい
開業医の子どもの中には、家業を継ぐかどうかに関わらず、医師を目指し、実際にその仕事に就いている人もいますよね。
しかし、家業を継ぐのかという話題になると、中々候補者がいないということがあり得るのです。
子ども本人も継ぐという話をしていたのに、後から継がないという選択をすることで驚かれる親御さんは多いでしょう。
その理由の1つには、候補者となる子どもが優秀な医師であることが関係しています。
仕事を始めてから断られる事例として、例えば、知識を高めるために留学したい、環境の良い場所で仕事をしたいといったニーズがあることが挙げられます。
自分を高める、知識や技術を磨くといったことは、悪いことではありません。
ですが、後を継ぐ意思がないとなると、話は別になりますよね。
医師として見ると、優秀な人材として活躍してくれることは嬉しいでしょう。
しかし、後継者問題が発生することになりますので、親としては手放しで喜べないと思う人もいますよね。
その結果、思い描いていた引退ができないというケースが出てくるのです。
開業医である親が継ぐことにNGを出す場合も
子どもから開業医に対して継ぐことに対して拒否する一方で、親がNGを出す場合があります。
親としては有難い話なのに、なぜ継がせないのかと思ってしまう人もいるでしょう。
この問題の根っこは、意外と深いのです。
主な理由は、親自身が自分の子どもの働きぶりを見た際に、経営者向きでない、まだ任せられないと思ってしまうことにあります。
経営者としての長年の経験があるからこそ、分かってしまうことがありますよね。
また、自分はこうやって経営してきたから、こうすべきだと考えている開業医もいるでしょう。
悪く言うと、自分の経験から子どもの実力を判断していますので、経営向きの人材は別だと思ってしまっているのです。
継ぐ継がない論争は、子どもの意思だけでなく、親の経営者としての視点も関係しています。
一般的な企業でも跡継ぎ問題はありますが、医師の世界にはまた別の問題があると考えて下さい。
まとめ
開業医の継ぐ・継がない論争の解決は、一筋縄でいきません。
よく、子ども側の事情にピックアップされることが多いですが、親側がNGを出していることには驚きますよね。
医療業界の先輩だからこそ見える視点もありますが、これでは問題の根本的な解決にはなりません。
後継者探しと言っても、クリニックによって抱えている問題やハードルが違うということを、知っておくといいでしょう。