医療法人のM&A~一般企業の事例との違いを学ぼう~


M&Aと聞くと、病院には直接関係ないイメージですよね。
しかし昨今の状況では、医療法人化しているクリニックであっても、M&Aを行っていることがあるのです。
決して他人ごとではない話ですから、今から知識として蓄えておきましょう。
今回は、医療法人特有のM&Aにまつわる事情をお話ししたいと思います。

目次

医療法人がM&Aを行う際の金銭事情

医療法人がM&Aを検討している場合、お金の面に関しては慎重に行動しなければなりません。
ですが、このことは一般企業同士のM&Aでも言えますよね。
実は、医療法人の場合、余分にお金を用意しておく必要があるのです。

M&Aが行われた場合、売却される法人には契約金と呼ばれるお金が支払われます。
この金額は、売却される側の経営状態等で判断されますが、医療法人ならではの特徴がココに出てきます。
それは、医療法人を設立する時に出資者となった社員へ返還する「出資金」になり、契約金にプラスして考えられることが多いでしょう。

そのため、経営者は売却が終了したからと言って安心できません。
状況によっては、先程の出資金の事情が絡んできますので、そのお金の対応をしなければならないのです。
従って、売却を検討する際には、設立時と同じくらいお金についてシビアに見ていく必要がありますよね。

医療法人のM&Aは一般企業の事例よりも時間がかかる

一般企業の事例と医療法人のM&Aで違う点には、契約が終了するまでにかかる時間も挙げられるでしょう。
一般企業の場合だと、事前準備等を含めても、長くて半年で決着をつけることができます。
しかし、医療法人の場合は、全ての対応が終了するまでに、1年以上時間がかかることが多く、早期対応が難しいのです。

なぜ、長期間に亘ってしまうのかというと、医療法人のM&Aには行政機関との相談・調整が入ってくるからです。
医療法人は、非営利の組織であり、行政との関わりも大きいですよね。
また、M&Aの規定の中にも、医療法人の場合のルールというのが厳密には存在しませんから、対応が非常に難しいのです。
その結果、細々とした対応をしていると、いつの間にか時間が過ぎてしまっているということなのでしょう。

どうしても経営的に厳しいため、M&Aという選択をする場合でも、時間がかかりすぎると困ってしまいますよね。
ですので、容易にできる方法でないことは、頭に入れておきましょう。

まとめ

経営難などの事情から、医療法人でもM&Aという選択を検討している経営者は多いでしょう。
しかしいざ実行するとなると、一般企業とは違い、制度面や各種手続きを行わなければならない為、実現までに年単位の時間がかかってしまいますよね。
確かに有効な方法ではありますが、そのくらい時間がかかることを理解して動かなければなりません。
選択肢に入れている経営者は、早い段階から動き始めると、時間がかかってもきちんと実現できるでしょう。


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