在宅医療の導入で医師が儲かるのは幻想?


高齢者の増加や医療ニーズから、在宅医療の必要性が高まる一方、中々それが浸透していないと感じている医師も多いです。
ですが今後、在宅医療は同業者から見た時、儲かる可能性のある形態の一つとして捉えられているのです。
では何故、浸透しないのでしょう。
在宅医療が儲かるというのは幻想なのでしょうか?

目次

「在宅医療が儲かる」という背景に間違いはない

「在宅医療が儲かる」というイメージは、医師、患者それぞれの視点から言えることです。
確かに、様々な事情から通院や入院が困難で、自宅で治療を続けたい人が増えています。
住み慣れた場所で最期を迎えたいという人はまだまだ多いですから、ニーズの高さにも納得できるでしょう。

ですが、在宅医療の利用の当事者以外の状況を見てみるとどうでしょうか?
意外にも、在宅医療を希望している、それが良いと考えている人はあまりいません。
今も昔も変わらず、「病気は大きな病院で治療してもらうもの」と考えている人が多いのです。
ニーズの高さと現実とのギャップに、驚くでしょう。

現在の医療ニーズの中に、在宅医療は欠かせない存在になっていますが、患者本人が望んでいるかは別問題になります。
医師、患者全ての要素からニーズが高いと考えるのは、あまりにも考えが未熟すぎるのです。

在宅医療が儲かると思っても実行が難しい医師側の事情

一方で、在宅医療が儲かると考えて、近々行動を起こそうとしているクリニックもあります。
ですが、ここでもちょっとした問題を抱えているのです。
それは、医師の高齢化。

在宅医療のニーズが高い地域は、都心方面よりも地方がメインになるでしょう。
そうなると、地方で開業している医師の年齢層も、高齢化の影響を受けているのです。
実際に儲かる、新しい収入源になると考えても、年齢的な問題から積極的に行動に移せない悩みを抱えている医師も少なくありません。
このような状況では、24時間対応が基本となる在宅医療を確立することが困難でしょう。

打開策として、看護師スタッフも頭数に入れて対応することも考えられます。
ですが、看護師スタッフには処方箋を出す等の権限がありませんから、根本的な治療ができません。
この問題の解決には、医師数の確保しか答えがないのです。
簡単に儲かると考えていては、痛い目を見てしまうことが理解できるでしょう。

まとめ

在宅医療が儲かると考えるのは、間違いではありません。
これからの社会生活を考えると、ニーズが高いのは当然のことです。
しかし、患者のこれまでの診療意識から考えると、まだまだ普及しない方法になるでしょう。
さらに、診療に関わる医師の高齢化も進んでいることから、24時間体制の業務が厳しい場合もあります。
24時間体制が整っている組織は全国でもほんの僅かですから、今はまだ、試行錯誤を繰り返す段階にあるのです。


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