国家試験に合格し、医学部を卒業しても一人前とは言えません。
医師を目指す卒業生は、次のステップとして臨床研修医になります。
こうして、医師としてのスペックは、卒業後から始まるのです。
ところで、臨床研修医とは、どのようなことをするのでしょうか?
また、気になる金銭事情についても、併せてご紹介したいと思います。
目次
臨床研修医とは?~①具体的に何をしているの?~
臨床研修医とは、病院で2年間、前期と後期に分けた形で実務を学んでいきます。
前期の場合は、地域医療や内科、救急だけでなく、他の診療科から2つ選択し、実務の基礎を学びます。
さらに、後期の場合は専門の診療科を選択し、専門分野の理解を深めていくことになりますので、より実践的になってくるのです。
従って、研修医と言っても、研修を始めたタイミングでできることが違ってくるのです。
前期の場合は、とにかく臨床の現場に慣れることで手一杯になりがちですが、後期になると専門とした診療科の知識で対応しなければなりません。
そのため、2年程度の時間があっという間に過ぎていることが予想できます。
そして、研修医はどこの病院で研修を受けるのか、この選択にじっくり時間をかけます。
なぜなら、研修先の病院によって、ご飯が提供されたり、勉強する環境が整っていたりと違いがあるからです。
どこの病院で研修を受けるのかによって、研修の充実度が変わることが明らかだと言っても過言ではありません。
一般の会社員でも入社する会社選びに悩みますが、これは医師の世界にも言えることなのです。
臨床研修医とは~②気になるお金事情~
ここからは、多くの人が気になる収入面についてご紹介しましょう。
臨床研修医とは、あくまでも「医師の卵」の段階になります。
さらに、研修中と言うこともあり、あまり収入は望めないのでないかを思う人が多いはずです。
年収平均をみると、200万円~400万円と大きな幅があります。
ここで注意したいのは、あくまでも平均であることです。
研修先の病院によっては、平均以上の年収や待遇がされていることもありますし、平均以下の場合があることも否定できません。
余談ですが、昔の環境と比べると、これでもずいぶん改善された状況ですから、決してマイナス情報でないのです。
従って、年収要素を見ただけでも、臨床研修医の実力でなく、病院側の待遇によって左右されると言えます。
下積み時代の待遇は、自分で選ぶことができることを忘れないで下さい。
まとめ
臨床研修医とは、一人前の「医師」になるための前段階に当たります。
暗い話題を多く耳にしますが、研修先の病院選びによっては、実りある形で2年間を過ごすことができます。
また、収入面も一律の決まりがなく、病院によって違っていますが、間違いなく参考にできます。
医師だから同じ待遇というイメージは時代遅れですから、慎重に検討して研修先を選ぶようにして下さい。