医師が開業する際に考える経営戦略~診療科戦略について~


開業準備を進める際「経営の強みを探せ」とは、よく言われたものです。
ですが、突然「自分の強みをアピールしろ」と言われても、難しいと思うのは当然でしょう。
診療科における差別化戦略を計るには、何をポイントにすべきでしょうか?
今回は、医師の経営戦略として重要な、診療科戦略について解説します。

目次

医師の経営戦略~診療科戦略とは何か?~

医師が開業に向けて経営戦略を練る場合、真っ先に診療科戦略に取り組むはずです。

現在の開業ルールでは、保健所に提出できる診療科の数が2つまでと決められているため、厳選しなければなりません。
稀に身近で2つ以上の診療科を見かけることもありますが、それは昔のルールの下開業したクリニックになります。

とはいえ、すぐに絞り込み作業をするのは難しいはずです。
ここは先輩医師たちも悩んだところですから、苦悩して検討することが避けては通れません。
その際に役立つのが、以下の2つの戦略です。

・I字戦略…診療科を一つに限定し、その専門性を前面に出してアピールする戦略
・T字戦略…総合診療的な診療科をベースとして、専門領域の診療科を組み合わせてアピールする戦略

どちらを選択するにしても、明確な根拠がなければ失敗するリスクを高めてしまいます。
注意すべきは、開業への思いが強すぎる医師です。
思いが強いのは素晴らしいことですが、反面デメリットも生み出します。

経営ビジョンの思いが強い余り、先走って戦略を決めてしまうと、後から色々な場面でのミスマッチが起こりかねません。
その修正や調整には、思いのほか時間がかかるのです。

限られた時間で開業に導くためには、戦略を考えるタイミングも重要になります。
あくまでも戦略の最終判断は、開業予定エリアの情報収集が終わった時点で判断するようにして下さい。

医師に適している経営戦略を開業予定エリアから考える

ここからは、医師の経営戦略を考える際のポイントを解説します。

I字とT字、どちらの戦略を取るにしても、当たり前ですが自分のやりたい方向性だけで決めてはいけません。
決め手の一つになるのは、開業予定エリアの特徴です。
対象エリアが住宅街なのか、都市部なのかによっても、取るべき戦略が変わりますので、エリア条件と密接に関係しているのです。

そうすると、どのエリアで開業すべきか、自ずと見えてきます。
仮に専門性を活かした経営を目指すならば、都市部が向いていますので、大勢の人が集まりやすいエリアを候補として選択すべきです。
このポイントを押さえておくと、エリア選びの失敗も回避することができます。

まとめ

今回は、医師の経営戦略として重要な、診療科戦略について解説しました。
よく専門性を出せと言われますが、全面的に押し出すのか補助的に出していくのかは、医師次第です。
しかし、具体性のない経営ビジョンのまま判断してしまうと、ミスマッチが発生した時の調整に時間がかかってしまいます。
診療科戦略は単体で考えるのでなく、開業エリアの情報も含めて検討すると、ミスマッチの発生を可能な限り防げます。


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