医療機器のIoT化が進んでいる今、現場で考えるべきはセキュリティ対策です。
世界規模のイベントでサイバー攻撃が行われていますが、それとは無関係な医療業界が攻撃対象にならないとは断言できません。
IoT機器の導入が普及している今だからこそ、その重要性について一緒に学習しましょう。
目次
医療機器のIoT化で懸念されるセキュリティ問題
医療機器のIoT化が進んでいる国ほど、サイバー攻撃の対象になりやすいため、セキュリティの強化が必要不可欠です。
セキュリティが弱いと、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
例えば、監視カメラのハッキングを通して、院内の医療機器やデータベースに侵入されることが挙げられます。
ハッキングの方法は、メインの機器に直接攻撃を行うだけではありません。
多くの人が気に留めない機器から侵入する手法もありますので、抜け道がないようにしなければなりません。
さらに、2016年にはアメリカで、医療機器への攻撃により、インスリンの投与量をコントロールされてしまうリスクが実際に判明しました。
このようなリスクは、患者さんの命に関わりますので、絶対に発生してはいけません。
サイバー攻撃は、国の機密情報や企業の顧客データのように、需要な情報に対して行われると考えがちです。
以上のように、人の命を左右する事態になるリスクを孕んでいますので、軽視できない問題になるのです。
医療機器のIoT化に対するセキュリティ意識を高める必要がある
海外のサイバー攻撃における医療機器で想定されるリスクを考えると、日本でもIoT機器に関してのセキュリティ意識を高める必要があります。
実は、すでに厚生労働省でも2020年にガイダンスを発表しているのです。
そのため、IoT機器を導入する場合は、ただ使用するだけでなく、セキュリティを確立した上で使用しなければなりません。
しかしながら、これは強力なセキュリティソフトやシステムを活用して解決する問題でもありません。
医療機器を使用する医師やスタッフの意識も、セキュリティに関わってくるのです。
仮に、サイバー攻撃等の影響でトラブルが発生した場合でも、セキュリティへの知識や意識の高さがあれば早期解決に繋がります。
もちろん、システム運用の専門的な知識までは必要ありません。
ですが、インシデント対応を通して、日頃からトラブルに備えておくことは意識形成において重要なポイントになってきます。
まとめ
今回は、医療機器のIoT化が進んでいることから、セキュリティの重要性を学習しました。
医療機器に対するサイバー攻撃は、機密情報を盗まれてしまうだけではありません。
患者の生命維持に関わる医療機器を操作し、命の危機を招いてしまう可能性があるのです。
それらを回避するには、セキュリティ対策を万全にするだけでなく、インシデント対策で日頃から意識形成を行いましょう。