現在勤務医として働く方の中には、当然開業医として、クリニックを独立させることを考えている方も多くいます。
では、そのような方がクリニックを独立させるのに適したタイミングとは、果たしていつなのでしょうか?
今回はこちらの点について、理由も併せて解説したいと思います。
目次
クリニックの独立は40代前半がおすすめ
一般的に、クリニックの独立に適しているタイミングは、40代前半ごろとされています。
勤務医として勤務している間は、勤務先の医療機関における就業規則を守り、与えられた業務を適切にこなしていくことで評価され、認められていきます。
よって、マネジメントに関するノウハウは基本的には必要ありませんが、独立するとなると話は別です。
クリニックの開業医は、融資の手続きや資金計画の作成、税金への対応や従業員の募集・育成など、さまざまなマネジメント業務を行わなければいけません。
その上、クリニックを開業するには資金も必要であり、ある程度貯蓄にも余裕が出てくるころでないと、なかなか独立には踏み切れないのが現実です。
これらのことを総合的に加味すると、クリニックの独立に適しているタイミングは、必然的に技術的にも精神的にも、または経済的にも余裕ができる40代前半頃だと言えます。
高齢での独立は難しい?
40代前半での独立が望ましいのであれば、より医師としての円熟味を増し、金銭的にも潤っているであろう50代、60代での独立も悪くないのではないかと思う方もいるかもしれません。
しかし、高齢での独立はリスクが高いため、決しておすすめとは言えません。
まず、50代や60代の方は、40代前半の方と比べて体力的な負担が大きく、その年齢から経営に関するスキルを積み上げ、かつ医師としても活躍しようと考えると、非常にハンデが大きくなってしまいます。
その他、融資の面でも、高齢の方は不利になりやすいです。
クリニックの独立には、大きな事業資金が必要となりますが、こちらの一部を金融機関から借り入れる場合、返済期間は10~20年程度になることが多いです。
しかし、金融機関は、65歳頃に完済できるかどうかを目安に融資を行うため、50代や60代の方は、満足な融資を受けられない可能性があります。
まとめ
ここまで、クリニックを独立させる適切なタイミングとその理由について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
漠然と「いつか独立することができたら良い」と考えている勤務医の方は、考え方を変え、40代前半までに知識や経験、資金に余裕ができるように努力しましょう。
独立のタイミングが遅くなると、開業後には非常に厳しい道が待っている可能性もあります。