クリニックに設置する手すりのタイプと特徴について


クリニックには、利用する患者さんのことを考えたさまざまな設備が用意されています。
中でも、さまざまな役割を果たす重要な設備として、手すりが挙げられます。
ここからは、手すりの主な役割とあわせて、クリニックに設置する手すりのタイプやそれぞれの特徴について解説したいと思います。

目次

手すりの主な役割

クリニックは、至るところに手すりが設置されている施設です。
また、こちらの主な役割は、大きく以下の2つに分けることができます。

・転倒防止
・歩行、動作のサポート

クリニックの患者さんの中には高齢の方も多く、そのような方々は、運動機能が低下し、思ったよりも歩行の際に足を引きずっていたり、わずかな段差に躓いてしまったりするリスクが高くなります。
一方、入口や廊下の手すりさえあれば、万が一躓いても転倒を防止することができます。
また、トイレなどに設置されている手すりには、身体が不自由な方やケガをしている患者さんが座ったり、立ち上がったりする動作をサポートする役割があります。

クリニックに設置する手すりのタイプと特徴

クリニックに設置する手すりのタイプ、それぞれの特徴は以下の通りです。

・水平型
・I型
・L型
・可動式
・据え置き型

水平型

水平型は、クリニックの床に対して水平に設置して使用する、一般的なタイプの手すりです。
入口や廊下、トイレに設置されるケースが多く、患者さんがつかまることで、手を滑らせながら移動することが可能です。
また、姿勢を安定させる目的で使用されることもあります。

I型

I型は、床面に対して垂直に設置する、縦長の真っ直ぐな形状の手すりです。
トイレや病室のドア付近などに設置され、高齢の方が立ったままドアを開閉したり、段差を超えるときに姿勢を安定させたりする目的で使用します。
設置位置に関しては、最上部が患者さんの肩もしくはその少し上にくることが目安です。

L型

L型は、水平型とI型が一体化しているタイプの手すりです。
トイレやクリニックの入口など、立ち上がり動作を行うところでよく使用されます。
取り付ける高さについては、L字の水平部分の高さを通常の水平型手すりと同じ高さにするのが理想的です。

可動式

可動式の手すりは、主にクリニックのトイレに設置されます。
上に可動するものや、水平に可動するスイング式などがあり、普段は折りたたむことで、患者さんが使用したいときだけ使用することができます。

据え置き型

据え置き型は、名前の通り床にそのまま設置する据え置きタイプの手すりです。
設計上、クリニックの壁に手すりが設置できない場合に最適です。
病室のベッド、待合室のソファなどの近くに設置されることが多く、立ち上がりの動作をサポートする上、必要に応じて移動も可能です。

クリニックの手すりを選ぶときのチェックポイント

クリニックに手すりを設置する際は、上記のうちどのタイプを選ぶのかだけでなく、以下のポイントもしっかりチェックしなければいけません。

・太さ
・形状
・素材
・色

太さ

手すりの太さは、患者さんの使い勝手に大きな影響を与えます。
こちらに関しては、その手すりがどのような目的で設置したものなのかを考えて決定しましょう。
直径が32~35mm程度の細い手すりは、立ち上がるときなどにしっかり握って使用できますし、35~40mm程度の太いものは、歩行時に手を滑らせて使用しやすいです。

形状

手すりそのものの形状としてもっともポピュラーなのは、やはり円形です。
しかし、患者さんの中に握力が弱い方、病気などによりうまく指が曲がらない方が多い場合は、平面型の方が手すりとして機能することもあります。
平面型は手だけでなく、肘から下の腕全体で体重を支えることができるというメリットもあり、特に表面に凹凸がついているものは、指が引っかかりやすいため、より握りやすくなります。

素材

手すりはさまざまな素材で作られていて、主に木やステンレス、プラスチック、アルミなどがあります。
例えば、ステンレスは丈夫で錆びにくいため、スロープなど屋外の設置に適しています。
一方、クリニックの中に設置する手すりは、基本的には木製に統一するのがおすすめです。

手すりの色といえば、木材に近い色を使用するケースが多いですが、クリニックではより見えやすくして患者さんの転倒やつかみ損ねを防ぐために、赤などの目立つ色にするのも有効です。
手垢などの汚れが気になる場合は、同じ木材のような色でも濃い目にするのがおすすめですが、見えにくい場合もあるため、注意しましょう。
ちなみに、夜間は暗くなる場所に設置する場合は、暗闇で光る蓄光塗料を使用することもあります。

まとめ

ここまで、クリニックにおける重要な設備である手すりの役割、タイプ、選び方などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
クリニックの開業時には、患者さんが手すりを必要とする場所はどこか、求められる機能は何かなどを徹底的に分析し、適切な場所に適切なタイプ、数の手すりを設置しなければいけません。
このような気配りが、患者満足度の向上や集患の安定につながります。


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