複数のフロアがあるクリニックにおいて、エレベーターは従業員にとっても患者様にとっても欠かせない設備です。
では、クリニックに設置するエレベーターには、一体どのような機能がついていることが望ましいのでしょうか?
ここからは、エレベーターを設置する際の価格相場とあわせて解説したいと思います。
目次
クリニックのエレベーターに必要な機能は大きく3つに分けられる
多くの従業員、患者さんが利用するクリニックのエレベーターは、大きく分けて以下の3つの機能を備えていることが望ましいです。
・快適性を向上させる機能
・清潔感を向上させる機能
・安全性を向上させる機能
つまり、誰もが便利さを実感できるような機能を持ち、なおかつ清潔で安全に利用できるエレベーターが理想だということです。
では、それぞれの機能には一体どのようなものがあるのか、もう少し詳しく見てみましょう。
快適性を向上させる機能
クリニックに設置するエレベーターにおいて、快適性を向上させる機能とは、主に以下のような機能を指しています。
・速度調整機能
・ナイトモード
・大きな床面積
速度調整機能とは、エレベーターが上下する際、乗車率などの条件によって、速度をアップさせる機能のことです。
これにより、例えば1階から3階に上るとき、3階に無人のエレベーターが停止している場合などには、少ない待ち時間で乗ることができます。
また、入院施設などがあるクリニックでは、深夜や早朝におけるエレベーターの運転音、到着音を小さくできるナイトモード付きのエレベーターがおすすめです。
その他、クリニックのエレベーターを設置する際には、なるべく床面積が大きなものを選ぶべきです。
具体的には、950mm×1,400mmくらいの床面積があれば、大きなサイズの車椅子に乗る患者様も快適に利用することができます。
清潔感を向上させる機能
クリニックのエレベーターを選ぶ際は、清潔感をアップさせる機能もチェックしたいところです。
具体的には以下のような機能です。
・空気循環ファン
・ウイルス抑制、抗菌ボタン
・ウイルス抑制手すり
エレベーターの中は非常に狭く、長時間使用されないと空気も悪くなりがちですが、24時間稼働の空気循環ファンがついていれば、常に気持ち良く利用できます。
また、エレベーターには開閉ボタン、階数ボタンなどがついていますが、清潔感を考慮するのであれば、これらにウイルス抑制、抗菌処理が施されたものを導入すべきです。
その他、高齢の患者さんや車椅子の方、お子さんなど多くの方が利用する手すりに関しても、同様にウイルス抑制仕様になっていることが望ましいです。
安全性を向上させる機能
クリニックのエレベーターは幅広い層の患者さんが利用するため、安全性を向上させる機能も充実していることが望ましいです。
具体的には、以下のような機能です。
・挟まりセンサー
・災害時管制運転
・遠隔監視システム
クリニックでは、お子さんや身体が不自由な患者さんなどが、エレベーターのドアに挟まれそうになるケースが多いです。
そのため、患者さんがドアに触れる直前で反転し、挟まらないようにしてくれる挟まりセンサー機能は必須です。
また、クリニックにおいて災害が発生したときに備えて、災害時管制運転機能がついたものを選ぶのもおすすめです。
こちらは、大雨や台風、漏水などによって浸水を感知したとき、エレベーターが最下階から直上階に避難運転し、万が一の適切な対応をバックアップするというものです。
その他、24時間365日、エレベーターでのトラブルに対応してくれる監視システムも付帯していれば、より安全性は高まります。
クリニックのエレベーターを設置する際の価格相場
総合病院などであれば、大型のエレベーターを何基も設置しなければいけないため、費用はかなり大きくなることが予想されます。
一方、クリニックは複数階であっても、それほど大きな規模になることは考えにくいですし、設置するエレベーターのサイズも小型で十分なケースが多いです。
小型エレベーターは、昇降行程が10m以下で、利用者がある程度限定されている小規模な建物に設置されるものです。
また、小型エレベーターの価格相場に関しては、300~500万円程度となっています。
ただし、この手の製品は、参考価格を一切公表していないケースが多いです。
また、実際に設置するとなれば、本体価格に工事費用などをプラスした金額がかかるため、具体的ない費用総額については、業者に問い合わせて確認する必要があります。
もちろん、クリニックの構造や用途によっては、小型ではなく通常の乗用エレベーターの方が適している場合もあるため、業者には前もって情報を伝えておきましょう。
まとめ
ここまで、クリニックに設置するエレベーターに必要な機能、設置の際の価格相場について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
クリニックが患者さんの評価をアップさせる要因には、従業員の対応や診察のスピードなど、さまざまなものがありますが、充実した設備を導入することもその1つだと言えます。
そのため、エレベーター選びはできる限り妥協しないようにしましょう。