患者さんに配慮したクリニックの待合室や受付について


クリニックが多くの患者さんに選ばれるようになるためには、やはり患者さんに配慮した待合室や受付をつくる必要があります。
また、そのためには、患者さんがどのようなことを気にしているのか、求めているのかを理解しなければいけません。
今回は、クリニックの待合室、受付づくりの具体例について解説します。

目次

クリニックの待合室で意識したい患者さんへの配慮3選

場合によっては、患者さんが長い時間を過ごすのが待合室です。
また、クリニックでは、こちらにおいて以下のような配慮を意識することが望ましいです。

・声に関する配慮
・イスに関する配慮
・個人情報に関する配慮

声に関する配慮

クリニックに訪れる患者さんの中には、待合室での会話を他の患者さんに聞かれたくないという方も多いです。
そのため、クリニックの待合室では、周囲の会話が聞こえにくくなるように、“マスキング現象”を利用するべきです。
マスキング現象とは、2つの音が重なっている場合に、片方の音がかき消されて聞こえなくなる現象のことをいいます。
クリニックの待合室でマスキング現象を発生させる方法としては、中央に配置したスピーカーからクラシック等の音楽を流す方法などが挙げられます。
すべての患者さんの会話をまんべんなく聞こえにくくするために、スピーカーを中央に置くというのがポイントです。

イスに関する配慮

クリニックには、小さい子どもからお年寄りまで、さまざまな患者さんが訪れます。
また、快適な座席の高さは訪れる患者さんによって異なるため、クリニックの待合室では、高さが調節できるイスを採用しましょう。
こうすることで、老若男女が快適に過ごせる待合室が完成します。
ちなみに、ひじ掛け付きのイスを設置するのであれば、左右のひじ掛けが独立しているものを採用しましょう。
左右のひじ掛けが隣り合うイスのものと兼用になっている場合、患者さんは遠慮してひじ掛けを利用しにくくなってしまいます。

個人情報に関する配慮

クリニックの待合室では、患者さんの個人情報に関する配慮も欠かせません。
近年、患者さんの中には、「〇〇さん、診察室にお入りください」といった、昔ながらの実名での呼び出しに抵抗があるという方も増えています。
そのため、呼び出しの際には、待合室のモニターに診察番号を表示させるようにしましょう。
こうすることで、患者さんが周囲に名前を知られることはありません。
また、診察番号であれば、患者さんが診察順を把握しやすく、待ち時間を有効活用してもらうことにもつながります。

クリニックの受付で意識したい患者さんへの配慮3選

クリニックの受付では、以下のような配慮を心掛けましょう。

・待ち時間に関する配慮
・プライバシーに関する配慮
・防犯に関する配慮

待ち時間に関する配慮

クリニックの受付は、できる限り患者さんを待たせない設計にするべきです。
こちらは、待合室に関しても同じことが言えますが、患者さんの多くは、待ち時間が長くなることにストレスを感じやすく、このような情報が広まってしまうと、クリニックの評判は下がってしまいます。
そのため、受付では以下のような対策を取り、なるべく患者さんを待たせないようにするべきです。

・カウンター幅を広げ、同時に複数人対応できるようにする
・会計と相談窓口の区別をせず、どのカウンターでも対応できるようにする

また、患者さんの待ち時間を減らすためには、受付カウンター自体に工夫をするだけでなく、一度に対応できる従業員も増員しなければいけません。

プライバシーに関する配慮

クリニックの受付を設計する際は、患者さんのプライバシーを守れるかどうかも意識しましょう。
例えば、複数の患者さんが横並びでカウンターに並ぶと、隣の患者さんの会計内容が見えてしまうおそれがあります。
そのため、各カウンターの上には、隣の患者さんの視界が気にならないよう、不透明のアクリルボードを設置しましょう。
こちらは、視界対策としてだけでなく、コロナ感染拡大防止の対策にもなります。
ちなみに、ガラスの間仕切りに関しては、何らかの拍子で倒れた際に割れるおそれがあるため、おすすめできません。

防犯に関する配慮

クリニックの受付では、防犯に関する配慮も忘れてはいけません。
クリニックの中には、建物自体の防犯対策に加え、受付にシャッターを備えるなど、厳重なセキュリティ対策を講じているところもあります。
このような対策により、カルテなど患者さんの個人情報が記載された媒体を守ることができます。
ちなみに、受付の防犯対策は、医療機器や電気機器などが窃取されるリスクも軽減させることが可能です。

まとめ

ここまで、患者さんに配慮したクリニックの待合室、受付づくりについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
クリニックでは、単純に従業員における患者さんへの対応を良くすることも重要ですが、待合室や受付にもある程度の工夫をしなければ、多くの集患は見込めません。
さまざまなところで、他院との差をつけられるように日々努力しましょう。


この記事に関するお問合わせ

    お名前 *

    メールアドレス *

    メールアドレス(確認用) *

    お問合せ内容 *