M&Aを成立させる可能性が高いクリニック、低いクリニック


ポイントさえ押さえていれば、コンサルタント、仲介業者の腕に関わらず、クリニックはM&Aを成立させる可能性は高くなりますし、逆にポイントを押さえられていなければ、契約が難航することも考えられます。
今回は、M&Aを成立させる可能性が高いクリニック、低いクリニックの特徴を見て行きたいと思います。

目次

M&Aを成立させる可能性が高いクリニックの特徴

現役引退を考える院長先生にとって、クリニックのM&Aは必ず成功させなければいけないものです。
以下のような特徴を持つクリニックは、買い手企業に選ばれやすく、M&Aを成立させる可能性が高まります。

・譲渡希望額が仲介業者の査定額と乖離していない
・買い手にNGがない
・院長先生一人でM&Aの決断ができる
・M&Aの理由が明確

譲渡希望額が仲介業者の査定額と乖離していない

譲渡希望額が仲介業者の査定額と乖離していないクリニックは、M&Aを成立させる可能性が高いと言えます。
なぜなら、自院の分析がしっかりできているクリニックは、譲渡希望額が自ずと仲介業者の査定額に近い金額になるからです。
逆に、仲介業者の査定額とクリニックの譲渡希望額があまりにも異なる場合、条件を整理するのに苦労し、なかなか買い手が見つからなくなる可能性があります。

買い手にNGがない

買い手にNGがないクリニックも、M&Aを成立させる可能性が極めて高いと言えます。
つまり、買い手がどのような企業であっても、とりあえず買い取ってもらうことを第一に考えているクリニックが、M&Aを成立させやすいということです。
逆に、「こんな企業は嫌だ」とコンサルタントや仲介業者に条件を伝えすぎると、いくら腕のある担当者や業者であっても、なかなかスムーズにM&Aを進められないことが予想されます。

院長先生一人でM&Aの決断ができる

院長先生一人でM&Aの決断ができるクリニックも、M&Aを成立させやすくなります。
こちらはつまり、クリニックにおける従業員や株主、その他の関係者の意見がすでにまとまっており、あとは院長先生がM&Aを進めていく状況になっているということを指しています。
関係者の意見がまとまっていない場合、院長先生が一人でM&Aを進めようにも、所々でトラブルが発生する可能性があります。

M&Aの理由が明確

M&Aに踏み切る理由が明確であるクリニックも、M&Aを成立させる可能性は高いです。
当然のことですが、漠然とM&Aを行おうと思っても、コンサルタントや仲介業者は迅速に動いてくれません。
また、M&Aに踏み切る理由とともに、自院を買い取ってもらうことで買い手企業に生まれる効果も明確にできていれば、より契約成立の確率はアップします。

M&Aを成立させる可能性が低いクリニックの特徴

逆に、以下のような特徴を持つクリニックは、なかなかM&Aの買い手企業が見つからず、院長先生の引退時期も先延ばしになりやすいです。

・業績が著しく悪い
・譲渡金額を高く設定しすぎる
・権利関係の交渉がうまくいかない

業績が著しく悪い

クリニックのM&Aにおいて契約が成立しにくくなる理由の1つに、売却するクリニックの業績が著しく悪いということが挙げられます。
買い手となる企業は、当然買収後に安定して利益を上げられるクリニックとの契約を望んでいます。
そのため、「業績が悪いから、すぐにでもM&Aをしよう」と考えても、そこからなかなか契約成立に至らない可能性は高いです。
ある程度業績を回復させてからM&Aに踏み切るというのも、売り手となるクリニックには必要な努力だと言えます。

譲渡金額を高く設定しすぎる

クリニックのM&Aにおいて、希望譲渡金額を高く設定しすぎると、なかなか契約が成立しなくなります。
買い手となる企業にも、許容できる支出というものがあります。
そのため、一方的に高い譲渡金額を希望してしまうと、契約が成立しないどころか、ほとんどの買い手企業はすぐに離れてしまいます。
特に、譲渡金額以外の面を見て、買い手となる企業が良い反応を示してくれている場合、買い手を逃すのは非常にもったいないと言えます。
高い価格で売却することではなく、あくまで早期に売却することを目的にしましょう。

権利関係の交渉がうまくいかない

M&Aが成立する可能性の低いクリニックは、権利関係の交渉がうまくいかないことも多々あります。
クリニックを売却する場合、株主などに売却の許可を得なければいけません。
しかし、クリニックが売却されることで、株主などに何かしらの不利益が生じる場合、これらの権利者はなかなか売却を許可してくれません。
つまり、権利関係の交渉がうまくいかないと、買い手企業との交渉をする前に足止めされてしまうということです。
また、先ほどM&Aを成立させる可能性が高いクリニックの項目でも触れましたが、院長先生が引退した後、クリニックに残る従業員とも話し合いをしなければ、M&Aはスムーズに進みません。

まとめ

ここまで、M&Aを成立させる可能性が高いクリニック、低いクリニックの特徴をそれぞれ見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
クリニックの院長先生の中には、「引退したくなったら、すぐにM&Aをすれば大丈夫」と考えている方もいるかもしれません。
確かに、M&Aは現役を退きたい院長先生とって助け舟になり得る選択肢ですが、必ずしもスムーズに契約が成立するわけではないことを理解しておきましょう。


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