経営不振に陥っているクリニックの院長先生の中には、人件費を減らすことばかり考えている方もいるかと思います。
しかし、クリニック全体の費用を見直してみると、意外なところで無駄な費用を使っているケースが多いです。
ここからは、クリニックにおいて無駄になりやすい費用について解説します。
目次
クリニックにおいて無駄になりやすい費用5選
クリニックの経営が苦しいからといって、人件費を減らすことばかり考えるのは良くありません。
なぜなら、このような方法を実践してしまうと、不満を抱く従業員が増加し、離職者も増え、さらにクリニックの経営は困難な状況になってしまうからです。
また、クリニックの評判が広まってしまうと、人材募集を行ったとしても、なかなか優秀な人材は集まらなくなります。
そのため、クリニックはなるべく人件費を据え置きにし、他に無駄な費用がないか探さなければいけません。
以下の費用においては、無駄が発生しているケースが多々見られるため、一度見直してみることをおすすめします。
・清掃費用
・雑誌の購入費用
・通信費用
・賃料
・電気代
清掃費用
クリニックの中には、清掃業者に薬局の清掃を委託しているところもあります。
しかし、その清掃業者への委託費用は、本当に必要な費用なのでしょうか？
クリニックは飲食店などと違い、油汚れなどが付着する心配はありません。
また、規模の小さいクリニックであれば、1日に訪れる患者さんの数は数十人程度であり、院内で患者さんが動き回るわけでもないため、清掃業者に委託するほど汚れが目立っていないケースも多いです。
清掃業者への委託をやめ、クリニックの従業員で清掃を行ったところ、年間で数十万円もの費用を抑えることができたというケースもあるため、清掃費用は一度見直してみるべきです。
雑誌の購入費用
クリニックにおいて無駄になりやすい費用には、雑誌の購入費用も挙げられます。
順番待ちをする患者さんへのサービスとして、雑誌を置いているクリニックは多いです。
しかし、その雑誌を漠然と購入しているのであれば、一度雑誌の必要性について見直してみるべきだと言えます。
毎日長時間の順番待ちが発生するクリニックならまだしも、待ち時間が短いことが多いクリニックであれば、それほど雑誌の必要性はありません。
また、近年はクリニックの待ち時間にスマートフォンを使用している方が多く見られ、そもそも雑誌に手を伸ばす患者さんが少ない傾向にあります。
通信費用
クリニックでは、業務用の携帯電話またはスマートフォンが支給されている場合もあります。
では、業務用の携帯電話、スマートフォンにおける料金プランは、果たして適切でしょうか？
クリニックにおける業務用の携帯電話、スマートフォンは、主に通話のために利用されます。
そのため、多機能端末や多くのサービスが利用できる料金プランを契約する必要はほとんどありません。
また、携帯電話や固定電話の契約を長期間変更していないのであれば、もっと安いプランがないかどうか、一度度見直してみるべきです。
賃料
クリニックの中には、自院が所有する建物ではなく、賃貸物件を借りて経営しているところも多いです。
不動産の時価は、社会情勢やインフラ整備などによって年々変化しているため、長期間契約し続けている場合は、建物自体の劣化などにより、適正な賃料となっていない場合があります。
つまり、本来はもっと安い賃料で、同じ築年数や規模の物件を借りることができる状態ということです。
そのため、クリニックの院長先生は、賃料について見直すために、物件のオーナーや管理会社に相談することをおすすめします。
電気代
クリニックを経営するにあたって、電気代は欠かせない費用の1つです。
しかし、場合によっては、必要以上の電気代がかかっていることもあります。
家庭での電気使用量に比べると、機材を多く使用するクリニックでは、大きな電力の消費量が発生します。
通常、電気代は電力を使用するほどに、kWh（キロワットアワー）あたりの単位が高くなる仕組みであるため、電気代が経費に占める割合は意外と大きくなりがちです。
そのため、クリニックは見積もりやWebシミュレーションなどを活用し、新電力会社に切り替えた上で、どれくらい電気代が変わるのかを比較するべきです。
近年は、電力供給の自由化により、基本料金がかからないプランや、どれだけ電気を使用しても一律の単価で使えるプランなど、各電力会社によってさまざまなサービスが提供されています。
また、照明器具を変更することでも、電気代の節約につながります。
例えば、照明をすべてLEDに変更することができれば、照明にかかる電気代は約70%も削減することが可能です。
もちろん、導入費用はかかりますが、こちらは約4年で元が取れると言われています。
まとめ
ここまで、クリニックにおける無駄になりやすい費用について解説しましたが、いかがでしたでしょうか？
クリニックの経営不振を立て直したいのであれば、院長先生は一度クリニック全体の費用を徹底的に見直すことをおすすめします。
1つ1つは小さな費用であっても、無駄をいくつも省くことができれば、トータルで大きな費用の削減につながります。
