クリニックの工事と言えば、どうしても室内や外壁等をイメージしがちですが、屋根も立派なクリニックの一部です。
また、屋根にこだわる工事ことには数々のメリットがあるため、決しておろそかにしてはいけません。
ここからは、具体的にどんなメリットがあるのかについて、屋根材の種類とあわせて解説します。
目次
クリニックの屋根にこだわるメリット
クリニックの屋根にこだわることのメリットには、主に以下のことが挙げられます。
・集患につながる
・クリニックの寿命を延ばすことができる
・台風対策になる
集患につながる
クリニックの見た目は、集患にも影響する大事な要素です。
屋根の工事や使用する屋根材にこだわり、綺麗なクリニックを完成させることにより、魅力を感じる患者さんは増加します。
クリニックの寿命を延ばすことができる
屋根は外壁と同じく、雨風や紫外線から室内を守る大事な役割を果たしています。
しかし、屋根の防水性や遮熱性は時間とともに薄れていくため、工事内容や屋根材にこだわらないと、クリニックの内部も劣化が進みやすくなってしまいます。
このような心配も、屋根にこだわることによって解決できます。
台風対策になる
災害の多い国である日本では、時折規模の大きい台風も発生します。
また、台風は屋根の破損、雨漏りの原因となることも多いですが、工事内容や素材にこだわることによって屋根を強化することにより、ある程度強い雨風にも耐えることができます。
主な屋根材の種類について
ここからは、クリニックの工事に使用する以下の屋根材の特徴を見ていきたいと思います。
・ガルバリウム
・スレート
・トタン
・アスファルトシングル
・瓦
ガルバリウム
ガルバリウムは、アメリカで開発された金属系サイディングボードの1つです。
“ガルバリウム鋼板”とも呼ばれています。
日本のクリニックにおいては、ポピュラーな屋根材に数えられます。
鋼板を基材に、アルミや亜鉛から構成されているため、従来の亜鉛メッキ鋼板と比べて、耐久性が高いという特徴を持っています。
また、一口にガルバリウムといっても、そのデザインはさらに細分化することができ、主に水平方向に葺く横葺き、縦方向に葺く縦葺き、瓦の形をしている瓦調葺きの3つに分けられます。
スレート
スレートとは、粘土板岩を使用した板以上の屋根材を、何枚も張り合わせたものをいいます。
セメントや繊維質原料、混和剤を混ぜたものを加圧し、5mm程度の平たい板状にして仕上げています。
シンプルな見た目のため、さまざまなデザインのクリニックと合わせることができ、軽さと耐震性の強さを兼ね備えています。
また、比較的安価なところも特徴です。
近年は、メーカーも無機塗料をスレート屋根に採用するなどしているため、耐久性の向上が進んできていますが、他の屋根材と比べると、少しメンテナンスの手間はかかりやすいと言えます。
トタン
トタンとは、薄い鉄板を重ね葺いた屋根のことをいいます。
他の屋根材の場合、雨漏りを防止するために屋根勾配がきつくなっているものが多いですが、トタンは継ぎ目が少なく、屋根勾配が緩くても雨漏りがしにくいというメリットがあります。
もっとも採用されていたのは、今から約40年前の高度経済成長期で、比較的古い建物の屋根に使用されていることが多いです。
非常にリーズナブルな屋根材ではありますが、錆びやすく耐久性が低い上に、断熱性や遮音性にも不安があります。
アスファルトシングル
アスファルトシングルは、今から100年以上前に北米で開発され、カナダやアメリカでは一般的に普及している屋根材です。
アスファルトをガラス繊維(グラスファイバー)の基材に含侵、コーティングし、砂粒で表面を着色して作るのが主流です。
“シングル”とも呼ばれています。
洗練された独特なデザイン、優れた機能性に特徴があり、軽量のため加工にも向いています。
また、元が防水紙であるため柔軟性も高く、他の屋根材で見られるようなサビ、ひび割れなどが発生する心配はありません。
ただし、その代わりカビやコケが発生しやすく、強風では反りや破れが起こる可能性があります。
瓦
昔ながらのクリニックでよく見られる屋根材といえば、瓦が挙げられます。
陶器等と同じく粘土製で、現在でもお寺や古い一軒家等で使用されています。
また、近年は洋風のクリニックに合うデザインのものも多く販売されていて、断熱性や遮音性は非常に高いです。
もっとも長持ちする屋根材と言っても過言ではありません。
しかし、他の屋根材に比べて工事時のコストが高く、設置には高度な施工技術が必要になることから、決して気軽に採り入れられる屋根材とは言えません。
まとめ
ここまで、クリニックの屋根にこだわるメリットや、代表的な屋根材の特徴を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
屋根にこだわりを持っておかないと、クリニック全体の綺麗さは損なわれてしまいますし、最悪の場合、劣化や破損によって近隣住民に迷惑をかける可能性もあります。
そのため、じっくり時間をかけて屋根材を吟味し、機能性とデザイン性を考慮した上で、工事を実施してください。