クリニック建築時のアパートローン借入で苦戦するケース


クリニックを建築する際には、少なくとも数千万円単位の費用が必要になります。
そのため、金融機関からの融資が受けられないとなると、一気に資金繰りは困難になる可能性があります。
では、クリニック建築時のアパートローン借入で苦戦するケースとは、具体的にどのようなケースなのでしょうか?

目次

クリニック建築時のアパートローン借入で苦戦するケース3選

以下に該当するクリニック、あるいはクリニック経営者の方は、アパートローンの借入時に苦戦することが予想されます。

・借入関連の問題を抱えている
・事業関連の問題を抱えている
・その他

それぞれ詳しく見てみましょう。

借入関連の問題を抱えている

クリニックの建築に伴い、アパートローンの審査を受ける時点で、すでに他の借入に関する問題を抱えている場合は、金融機関から融資を敬遠されます。
具体的には、以下のような問題です。

・返済中の借入金がある
・金融事故を起こしたことがある

これからアパートローンを利用しようとしているにもかかわらず、他の借入金を返済している最中だったり、過去に金融事故を起こしたことがあったりする場合、金融機関はローンを回収できないリスクが大きいため、積極的には融資をしてくれません。
また、医師の場合はそれほど多いケースではありませんが、収入に対し、明らかに借入希望額が大きい方も、同様に金融機関から融資をしたくないと思われることがほとんどです。

事業関連の問題を抱えている

既存のクリニックを取り壊し、再建築する場合、すでに業務関連の問題を抱えているクリニックは、金融機関から敬遠されやすくなるため、注意しましょう。
例えば、クリニックに以下のような特徴がある場合、金融機関は貸し倒れを危惧し、審査を通過させてくれないことが多いです。

・事業規模が小さい
・設立したばかり
・業績赤字が続いている(3期以上)

いずれにも共通して言えるのは、金融機関が安定した組織と判断しづらい場合に、融資を敬遠しがちになるということです。

その他

上記以外で、クリニック建築時のアパートローン借入で苦戦するケースには、以下のことが挙げられます。

・短期間での借入が多い
・経営者に健康面の問題がある など

アパートローン借入において有利なクリニックの特徴

では、逆に金融機関が積極的に融資をしたいと感じるのは、どのような特徴を持つクリニックなのでしょうか?
具体的には、以下のようなクリニックが該当します。

・借入希望額が少ない
・他に返済中の借入金がない
・金融事故を起こしたことがない
・事業規模が大きい
・業績が安定している
・経営期間が長い
・保有資産額が大きい
・経営者に健康上の問題がない
・他にもクリニックを所有している など

これらの要素は、必ずアパートローンの審査においてプラスに働くため、利用する際は1つでも多くクリアすることが望ましいです。

審査に通りやすくするための金融機関選びについて

アパートローンを提供している金融機関といえば、ほとんどの方は大手のメガバンクをイメージするでしょう。
しかし、実際は他にもアパートローンを取り扱う金融機関がいくつか存在します。
メガバンクは、非常に審査が厳しいことで有名ですので、通過する自身がないというクリニックは、他の金融機関の利用も検討しましょう。
メガバンク以外の代表的な金融機関として挙げられるのは、以下の3つです。

・地方銀行
・信用金庫
・ノンバンク

それぞれの審査の特徴について解説しましょう。

地方銀行

地方銀行のアパートローンにおける審査は、メガバンクに比べると若干緩めです。
また、地方銀行には地域密着という大きな特徴があり、当該都道府県に所在するクリニックに対しては、積極的に融資を行ってくれる可能性があります。
ただし、その分金利は高めに設定されるケースが多いため、注意してください。

信用金庫

前述の通り、メガバンクはアパートローンの審査が厳しいです。
そのため、借入履歴やクリニックに何かしらの問題がある場合、なかなか審査に通過しないことも珍しくありません。
一方、信用金庫は、クリニックの収益性、価値などが重点的にチェックされます。
つまり、経営者の属性にある程度不安があったとしても、今後収益を生み出す可能性が高い物件、高利回りを実現できそうな物件に対する融資は、積極的に行ってもらえるケースがあるということです。
ちなみに、信用金庫からアパートローンを借り入れるためには、クリニックがそのエリア内にあることが必須条件となります。

ノンバンク

銀行以外の金融機関を指すノンバンクのアパートローンは、審査基準がかなり柔軟に設定されています。
融資エリアも全国の都市部に渡るため、他の金融機関では審査に通過できない場合でも、十分利用できる可能性があります。
しかし、借入時の事務手数料、繰り上げ返済時の違約金、金利は高めに設定されていることが多いです。
また、ノンバンクと一口にいっても、その種類はクレジットカード会社や信販会社などに細分化されるため、すべてのノンバンクの審査が緩いとは限りません。

まとめ

ここまで、クリニック建築時のアパートローン借入で苦戦するケースを中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
クリニックを一から建築する場合、自己資金だけでその費用を賄うのは非常に困難です。
そのため、クリニックやその経営者の方は、あらかじめ希望通りの融資を受けることができるよう、適切な準備をしておく必要があります。


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