クリニックの建物には、“デザインテーマ”というものが存在します。
こちらは、患者様に与えるイメージや雰囲気を形成するものであり、クリニックを建築するのであれば、前もって決定しておかなければいけません。
ここからは、クリニックで採用することができる主なデザインテーマの特徴を解説していきたいと思います。
目次
クリニックにおける主なデザインテーマ8選
クリニックの建物で採用できるデザインテーマは、主に以下の通りです。
・ナチュラル
・モダン
・和モダン
・カントリー
・クラシック
・ホテルライク
・アジアン
・ミッドセンチュリー
それぞれどのような特徴があるのか見てみましょう。
ナチュラル
名前の通り、自然の温もりや素材感を全面に押し出したデザインテーマであり、クリニックにおいては、採用されるケースが非常に多いです。
オークやメープル、バーチ等の木材をメインに使用するのが特徴で、自然素材を採り入れることによって、環境負荷を抑えることもできます。
また、他のデザインテーマに比べてシンプルなのも特徴で、無駄のない落ち着いた雰囲気を出したい場合にはおすすめです。
モダン
シンプルであるところはナチュラルと同じですが、無機質かつスタイリッシュなところがモダンの大きな特徴です。
そのため、ガラスや金属等の素材を用いることが多いです。
また、テーマカラーは基本的に白、黒などのモノトーンカラーですが、挿し色として明るい色を採り入れることで、よりモダンのスタイリッシュな雰囲気は際立ちます。
例えば、壁や天井はすべて白と黒で統一し、イスなどのインテリアに情熱的な赤を採り入れるようなケースです。
和モダン
ベースとなる和の雰囲気に、オシャレな欧米のインテリア等を採り入れるというデザインテーマです。
落ち着きのある和の空気に、スタイリッシュなデザインが加わるため、シンプルながら個性的なデザインにすることが可能です。
使用する色としては、ベージュやブラウン、オリーブなどの優しいアースカラーが多いです。
和洋折衷の雰囲気を演出したいという方にはおすすめです。
カントリー
ナチュラルと同じく、主に自然素材を基調として作り上げるデザインテーマです。
色合いはベージュやブラウン等の淡い色が多く、ナチュラルに若干レトロな雰囲気が加わったようなイメージです。
手作り感のあるインテリアや、アンティーク調の雑貨等を飾ることで、よりその雰囲気は際立ちます。
ちなみに、カントリーは、アメリカ開拓自体の素朴な雰囲気を持つアメリカン、フェミニンな雰囲気が特徴のフレンチ、欧米伝統の梁や土壁、タイル等が多用されるブリティッシュの3つに大別されます。
クラシック
主にヨーロッパ地方の伝統的な雰囲気を採り入れた、豪華なデザインテーマです。
フランスやイギリス、イタリアなど、各国・各時代の格式ある模様、彫刻入りのインテリア等を採り入れることで、欧米の暮らしが忠実に再現されます。
古典的ながら近代的な雰囲気も併せ持っているため、和風よりも洋風のクリニックが好みだという方は、ぜひ採り入れたいところです。
ホテルライク
まるでホテルのように洗練された美しさ、リラックスできる雰囲気が絶妙なバランスで保たれているデザインテーマです。
具体的には、光沢のあるタイルやガラスドア、大理石等の本物素材を使用して、シンプルかつ趣のある空間に仕上げられます。
高級感と清潔感を演出したいクリニックにとっては、採用すべきデザインテーマの1つだと言えます。
また、設備のデザインにもこだわることで、ワンランク上の雰囲気を実現させてくれます。
アジアン
明るく開放的な空間で、ゆったりとした時間を過ごすことができるデザインテーマです。
まるでアジアのリゾートホテルを訪れたように、リラックスできるクリニックをつくり上げるのが特徴です。
また、チークや藤、ルーバー等、アジアを感じさせるアイテムを使用すれば、一気にエキゾチックな雰囲気に変わります。
特に、待合室をアジアンテイストにすれば、バカンスに訪れたような贅沢な気分が味わってもらうことができます。
ミッドセンチュリー
直訳すると、“世紀の中頃”という意味になるデザインテーマです。
あまり聞き慣れないという方も多いかもしれませんが、こちらは20世紀の半ば(1940~1960年頃)にデザインされたインテリア、流行した雰囲気などを指す言葉です。
この時代は、技術革新から工業製品の大量生産が可能になった時代で、色鮮やかなプラスチックのインテリアが数多く登場しています。
また、室内には宇宙や近未来を連想する流線形のデザイン、幾何学模様などが施されています。
まとめ
ここまで、クリニックにおける主なデザインテーマの特徴について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
これらのデザインテーマの中には、必ず院長先生の理想とするものがあります。
そのため、まずは方向性を決定してから、独自のデザインや間取り、インテリアの設置などについて考えるようにしましょう。
あれもこれも採り入れてしまうと、クリニックの統一感が欠如してしまいます。