住宅の価格査定では、誰もができる限り良い金額を提示してもらいたいものです。
ただ、中古の住宅は、あらゆる原因で購入時よりも査定価格が大きく下がる場合があります。
では、不動産会社の価格査定では、主にどのような項目がチェックされているのでしょうか?
今後住み替えを検討する開業医の方は、ぜひご覧ください。
目次
築年数
住宅の価格査定において、築年数は非常に重要な項目の1つです。
築浅であればあるほど買い手のニーズは高く、金融機関における担保としての評価も高くなるため、良い査定価格を提示してもらえます。
また、必ず築年数とセットでチェックされる項目としては、残りの法定耐用年数も挙げられます。
こちらは、物件の構造によって決まっている法定耐用年数が、査定する物件に何年残っているかということを指しています。
例えば、不動産会社に査定してもらう住宅が鉄筋コンクリート造の場合、法定耐用年数は47年であり、この残り年数が多いほど資産価値は高いと判断されます。
間取り
住宅の価格査定では、間取りもしっかりチェックされます。
簡単にいうと、シンプルな間取りほど査定価格が上がりやすく、逆に特殊な場合はあまり評価されません。
なぜなら、シンプルな間取りの方が買い手のニーズが高いからです。
もちろん、リフォームをすれば特殊な間取りでも買い手が付きやすくなりますが、その場合はより高い価格で売却し、工事費用を回収することも考えなければいけません。
周辺環境
近くに駅があるかどうか、ショッピング施設があるかどうかなども、住宅の価格査定では必ずチェックされます。
特に、乗降客数が多かったり、ターミナル駅の近くにあったりする住宅は、一般の買い手にも不動産投資家にも評価されやすいため、査定価格もある程度アップすることが期待できます。
採光、風通し
不動産会社の価格査定は、数字やデータだけを駆使して行うわけではありません。
担当者は住宅が建っている場所に直接訪れ、さまざまな項目をチェックした上で、査定価格を算出します。
また、現地ではその住宅の採光や風通しもしっかり確認されています。
一般的には、もっとも採光に優れていると言われる南向きの住宅が評価されやすいです。
そして、風通しが良い住宅も、湿気がこもりにくくカビが生えにくいことなどから、査定価格が上がりやすくなります。
修繕履歴
住宅の価格査定では、その物件の修繕履歴もチェックされます。
適宜修繕が行われていない住宅は、雨漏りやシロアリ被害といったリスクが高いため、あまり良い価格を提示してもらえません。
逆に、必要な修繕をしっかり行ってきた住宅は、査定価格が上がりやすいだけでなく、担保としても評価されやすいです。
細かい劣化状況
シミやカビ、ひび割れなどの細かい劣化状況も、査定価格には大きく影響します。
特に、ひび割れが多い住宅は損壊等のリスクが高いため、良い評価はされない可能性が高いです。
また、売主はこのような細かい劣化に気づいていない場合も多く、査定前に確認しておかなければ、思いの外低い価格を提示される可能性もあります。
査定価格が予想より低い場合の対処法
不動産会社が提示した査定価格が予想を大きく下回っていた場合、売主はどう対処すべきなのでしょうか?
まず考えたいのは、別の不動産会社にもう1度査定を依頼するという方法です。
不動産会社によってチェック項目や重視するポイントは微妙に違いますし、当然担当者の力量も異なります。
そのため、まずは複数の不動産会社に査定価格を出してもらい、自身が売り出そうとする住宅における本当の査定価格を把握しましょう。
土地活用も選択肢に入れるべき
あらゆる不動産会社に査定を依頼しても、なかなか希望の査定価格に届かないというケースも考えられます。
そのときは、売却することばかり考えず、土地活用することも選択肢に入れてみましょう。
売却に向いていない住宅であっても、そこで土地活用をして成功すれば、結果的に売却成立時と同じくらいの利益が手に入るかもしれません。
開業医引退後の土地活用における主な方法としては、賃貸経営や駐車場経営、トランクルーム経営などが挙げられます。
解体後の売却も視野に入れよう
土地活用を始めるほどの費用がなかったり、何らかの事情で融資を受けられなかったりする方は、住宅を解体して売却することも視野に入れましょう。
こちらの方法であれば、築年数が数十年経過した古い住居を持つ方であっても、買い手の選択肢を広げることができます。
また、初めから住居や賃貸物件を建築しようと考えている買い手は、購入物件を更地に絞って探しているため、ニーズは決して少なくありません。
まとめ
ここまで、住宅の価格査定においてチェックされる項目を中心に解説しましたが、これはあくまで主なチェックポイントです。
公表はされていませんが、提示する査定価格が不動産会社ごとに違うことを考えると、各会社は他にもいくつかの項目を独自にチェックしている可能性が高いです。
そのため、査定後には必ずその価格になった根拠について質問することをおすすめします。