クリニックの物件を安く手に入れる方法について


クリニックの開業は、すでに建築されている物件を購入し、リフォームをすることでも行えます。
また、このとき開業医の方の多くは、できる限り物件取得費を安く抑えたいと考えます。
今回は、クリニックの物件を安く購入する方法について解説したいと思いますので、今後独立を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

安く購入しやすい物件を狙うべき

クリニックの経営では、開業直後から多くの患者様を集め、固定客を増やすことにより、安定した収入を得ることができます。
もちろん、スタートダッシュは決して簡単なことではありませんが、事前のリサーチやあいさつ回りなどをしっかり行えば、十分実現することは可能です。
しかし、初期費用が高くなってしまうと、こちらを回収するまでに時間がかかり、なかなか収支をプラスにすることはできません。
つまり、クリニックの物件の取得価格を少なくし、早くその費用を回収できる体制を作ることは、とても重要だということです。
また、クリニックの物件を安く手に入れるためには、一般的なものよりも安く購入しやすい物件を狙いましょう。
具体的には、以下のような物件が挙げられます。

・任意売却物件
・相続物件
・売れ残り物件
・区分物件

任意売却物件

住宅ローン、あるいは固定資産税などの支払いが難しくなり、所有者が債務の返済を目的として売り出す物件を任意売却物件といいます。
任意売却物件は一般的な市場価格よりも1~2割程度安く購入できるため、初期費用を抑えたい方にはおすすめです。
ただし、安いことにはそれなりの理由があるため、きちんと把握してから購入を検討するべきです。
まず、任意売却物件を購入する際は、売主だけでなく債権者(金融機関等)の承諾を得なければいけないため、手続きが少し煩雑になります。
また、住宅ローン等の支払いが困難な方が売り出す物件であるため、しっかりとメンテナンスされていない可能性も否定できません。
上記のようなデメリットも踏まえた上で、「それでも安く物件を手に入れたい」という方のみ、任意売却物件の購入を検討しましょう。

相続物件

安く購入しやすい物件としては、相続された物件もおすすめです。
なぜなら、一般的な物件と比べて、価格交渉がしやすいからです。
相続物件の中には、親等から譲り受けた状態のまま、ほとんど使用されていないようなものも多く、そのような物件は相続人の方もあまり愛着を持っていません。
また、不動産はそのままでは分割しにくい財産であり、多少価格が安くなっても、早めに現金化したいと考える相続人の方は多くいます。
このような背景から、相続物件は価格交渉がしやすいというわけです。
ただし、相続された物件は、地方に所在していることも多いです。
そのため、立地もしっかりチェックしなければ、クリニック経営で十分な利益を上げるのは難しくなります。

売れ残り物件

任意売却物件でもなく、相続物件でもない不動産の中にも、安く購入しやすいものはあります。
それは、長い間売れ残っている物件です。
数ヶ月経ってもなかなか売れない物件の売主は、新しい購入希望者の条件をできるだけ受け入れようと考えてくれるため、価格交渉にも応じてくれやすいでしょう。
また、なかなか売れない物件は、内装あるいは外装が清潔ではない可能性もありますが、見た目が悪いからといって、簡単に購入を見送ってはいけません。
なぜなら、そのような物件であっても、少しのリフォームで見違えるように綺麗になる可能性があるからです。
近年は、リフォームやリノベーションすることを前提に、安い中古物件を購入して、クリニックなどの経営を始めるというケースも増えています。
ちなみに、リフォームやリノベーションの費用を事前に試算しておけば、新築物件を購入するよりも安い価格で、状態の良いクリニックの物件を手に入れられる可能性があります。

区分物件

クリニックの物件を購入しようとする方の中には、“物件購入=一棟物件”というイメージを持っている方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
マンションなどの区分物件でも、十分クリニックの経営は始められます。
むしろ、初めてクリニックを開業する方の多くは、まず比較的安い区分物件の取得を目指しています。
また、「どうしても一棟まるごと欲しい」という方は、まず区分物件で利益を出すことを目的としましょう。
区分物件でのクリニック経営に成功し、少しずつ利益を蓄えていくことができれば、いずれは一棟物件を購入できるかもしれません。
もちろん、区分物件でのクリニック経営で利益が出た場合には、別の区分物件で分院を開くという選択肢もあります。

まとめ

クリニックの物件の購入と居住用物件の購入は、まったくといって良いほど異なります。
つまり、これまで居住用物件の購入経験がある方でも、クリニックの物件を購入するときには、また一からポイントを押さえ直す必要があるということです。
また、当然安さだけを重視すると、まったくクリニック経営で利益が出せないことも考えられるため、立地や周辺環境も考慮した上で、購入する物件を選びましょう。


この記事に関するお問合わせ

    お名前 *

    メールアドレス *

    メールアドレス(確認用) *

    お問合せ内容 *