「残業が多い」「体力的にきつい」など、看護師の仕事がハードに感じる人も多いのではないでしょうか。看護師は人気の職種ですが、決して楽な仕事ではありません。しかし職場によっては、病院よりも体力的・精神的に負担なく働ける場所もあるでしょう。
この記事では、看護師にとって楽な仕事とは何かを解説しつつ、おすすめの職場を紹介します。
看護師にとっての「楽な仕事」の条件とは?
日頃からハードに働いている人は「もう少し楽な仕事がしたい」と考えることもあるでしょう。基本的に「楽な仕事」というものはほとんど存在しませんが、肉体的・精神的な負担が少ない仕事はあります。
ここでは看護師にとって楽な仕事とは何か、4つの条件を紹介します。
命に関わるプレッシャーがない
急性期病院や救命救急センター、ICUなどは患者さんの容態が急変しやすく、肉体的・精神的に大変と感じる人が多い傾向にあります。小さなミスが命に関わる事故につながることで、常に緊迫感があり、そのプレッシャーがきついと感じるようです。
また、患者さんの死と向き合う機会が多いため、気持ちの切り替えがうまくできないと悲しい気持ちを引きずってしまうこともあるでしょう。
夜勤や残業が少ない
夜勤や残業が少ない職場を選べば、安定して働くことができ、ワークライフバランスを実現しやすくなります。看護師に限らず、夜勤や残業は体力的にも精神的にもハードに感じるものです。
特に看護師は人手不足を抱える病院や施設も多いうえに、医療現場ではイレギュラーな事態も発生しやすい傾向にあります。そのため、必然的に残業も多くなります。
大学病院や急性期病院などは、常に新しい知識を吸収するために院内研修や勉強会を実施することが多く、参加を求められることがあります。勉強会の参加は強制的ではないにしろ、若手看護師の場合は先輩看護師の顔色を伺って「帰りにくい」と感じることもあるでしょう。
比較的残業が少なく夜勤のない職場には、クリニックや健診センター、保育園などが該当します。
休暇が取りやすい
有給休暇が取りやすい職場を選ぶことも重要です。労働基準法により、年10日以上の年次有給休暇が付与される人は、年に5日以上取得することが義務化されています。
とはいえ、人手不足の職場では「休むと迷惑がかかる」「先輩看護師が有給を取っていないから自分は取れない」など、有給休暇の申請がしにくいと感じることもあるでしょう。
有給休暇の取得率は働きやすさに影響を与えます。職場全体で有給休暇をきちんと消化していれば、働きやすい職場といえるでしょう。また先輩看護師や上司が有給休暇の取得を勧めてくれるのであれば、若手看護師も休暇が取りやすいものです。
忙しすぎない
「仕事量が多い」「ナースコールが絶えない」といった忙しすぎる職場では、体力を消耗してしまいます。看護師は通常の看護業務に加え、看護日誌をはじめとする書類の記入などの事務作業も行います。
そのうえ仕事量が多いと、常に業務に追われて余裕がなくなってしまい、疲れやすくなるでしょう。そもそも看護師の業務は肉体労働が多く、精神的なプレッシャーもあるため全体的に楽な仕事ではありません。
忙しいのが苦に感じる人は、ある程度余裕を持って働ける職場を選ぶことが大切です。
楽な仕事が多い?看護師の負担が少ない診療科一覧
病院によって仕事内容や忙しさは変わってくるうえに、「楽な仕事」と捉えるかどうかは人によって異なります。またクリニックでは回転が速く、スピード感が求められるため、それを「忙しい」「大変」と捉えることも少なくありません。
しかし、ここで紹介する診療科は比較的負担が少ないと言われているため、ぜひ参考にしてみてください。
皮膚科
皮膚科の仕事内容は診察補助や薬の説明、塗布などで、急変対応や身体介助はほぼありません。そのため肉体的・精神的な負担が少なく、働きやすいと感じる人も多いでしょう。
とはいえ皮膚科特有の症例や仕事があるため、知識を身につけるために勉強しなくてはいけません。また皮膚病の感染には注意する必要があり、感染症対策をきちんと行っている職場を選ぶことが大切です。
耳鼻科
耳鼻科は命に関わるような症状が重い人が少なく、基本的に急変の対応はありません。また消毒・点滴・注射・聴力検査といったルーティンワークが中心で、体力を使う仕事は少ないため働きやすいといえます。
しかし、耳鼻科の繁忙期である花粉症の季節は忙しいため注意しましょう。
心療内科
外来の場合、心療内科の仕事内容は受付や案内、書類作成、カルテ整理などが中心です。まれにバイタルチェックや採血といった業務を行うことはありますが、複雑な処置をすることはほとんどありません。
また基本的に予約制のため、急に忙しくなることもなく働きやすいといえるでしょう。人気の職場であるため応募者がすぐ集まってしまう点に注意が必要です。
楽に感じる人もいる!?楽に働きたい人におすすめの職場とは
看護師の勤務先は病院だけではありません。ここでは、病院と比べると楽に感じやすい職場を4つ紹介します。
健診センター
健診センターでの看護師の仕事は、健康診断や人間ドッグで検査のサポートをすることです。夜勤がなく残業もほとんどないためワークライフバランスを整えやすい魅力があります。
また健康な人を相手にするため、精神的な負担が少ない点も働きやすいポイントです。
しかし採血を100〜200人近くこなすこともあるため、決められた時間内に一定数の採血をこなすことができるスキルが必要です。
産業看護師
産業看護師とは、企業で働き従業員の看護処置や健康診断を行う仕事です。デスクワークが多く体力面での負担が少ないうえに、土日祝休みで残業もほとんどありません。そのためワークライフバランスを整えやすく、働きやすい仕事といえるでしょう。
とはいえ産業看護師は求人数が少ないため、自分の希望に合った職場を探すのに苦労する可能性があります。
保育園
保育園で子どもの健康管理や傷の手当などを行う仕事です。夜勤・残業がなく、複雑な医療行為を行うこともないため、病院と比べて働きやすいと感じる人もいるでしょう。
とはいえ、子どもと接することで体力を使う場合もあるため、楽な仕事とはいえません。また保育士が周りにいる中で、看護師が1人といった責任感やプレッシャーを感じる可能性がある点には注意しましょう。
美容クリニック
美容クリニックは予約制で夜勤がなく、安定して働けるため、ワークライフバランスを実現させやすい点が魅力です。病院勤務よりも給与水準が高く、実績やスキル次第では高収入を目指せます。
美容クリニックは病気やケガの治療ではなく、目や鼻、輪郭の施術や医療用レーザーを使った治療がメインです。
チーム単位で売上目標が設定されているので、患者様に施術メニューや化粧品の販売を提案する場面も多く、病院とは異なり営業力が求められる職場でもあります。
また美容に関する知識やトレンドを勉強しなくてはいけないため、自主学習は必要です。とはいえ、美容に興味・関心のある人は美容看護師の仕事に大きなやりがいを感じるでしょう。
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まとめ
看護師として楽な仕事というのは基本的にはありません。しかし、病院と比べて肉体的・精神的負担の少ない仕事はあります。転職を考えている人は、休暇が取りやすい職場や、夜勤・残業が少ない職場などを選ぶと良いでしょう。