今の職場が合わない、スキルアップしたいなどの理由から転職を考えたときに、看護師何年目なら有利に転職できるのか気になる人は多いでしょう。
そこで今回は、経験年数別の看護師の転職事情や、転職するなら何年目がおすすめかといった点について解説します。
看護師は何年目で転職を考える人が多いの?
日本医療労働組合連合会のデータによると、看護師の平均勤続年数は5年未満が約40%、3年未満が約25%となっており、多くの看護師が短期間で転職することがわかっています。複数回転職を繰り返している人も少なくありません。
転職の理由はさまざまで、結婚、出産などのライフスタイルの変化、スキルアップのためという前向きな理由で転職する人もいます。しかし、夜勤や残業に負担を感じていたり、職場内の人間関係に悩んだりした結果、転職を決める人もたくさんいます 。
出典:「医療労働 臨時増刊」(日本医療労働組合連合会)
【経験年数別】看護師の転職事情をチェックしよう!
転職を考えたときに、自分の経験年数が転職市場でどのような扱いになるのか、不利な点はないかと気になる人は多いでしょう。そこで、経験年数別の看護師の転職事情について紹介します。
1年目
看護師1年目での転職は、転職市場では第二新卒として扱われます。多少現場経験があるとはいえ、まだまだ学ぶことが多い新人とみなされるので、転職市場でのニーズは低めです。
そのため、転職先の選択肢も少なめですが、新人なので教育、指導がしやすい、長期で働くことが期待できるなどの理由から、あえて第二新卒の看護師を採用する病院もあります。
2年目
看護師2年目になっても、転職市場では一人前とはみなされず、1年目の看護師と同等の評価をされるのが一般的です。とはいえ、看護師として1年以上現場で働き、最低限のスキルや知識が身についている点は評価されることが多いでしょう。
面接の際には、「1年頑張ったのになぜ退職したのか」と退職理由を問われることがあるため、スムーズに回答できるよう準備しておくことが大切です。
3年目
3年目の看護師は、新人扱いの時期を過ぎてそれなりのスキルや知識が身についているため、即戦力として扱われることが増えてきます。年齢が若く体力もあるので、転職市場では一定の評価をされるでしょう。
ただし、専門性の高い分野では、3年目の看護師でも即戦力とはみなされないことがあります。
専門性の高い分野への転職を希望している場合は、転職先でどのようなスキルや知識が求められるのか、自分の能力でついていけそうかどうかをよく考えてみましょう。
4~5年目
4~5年目の看護師は、前職で3年以上働いてきたことが評価されます。看護師としてのスキルや知識、専門性も身についており、即戦力として期待できるため、転職市場ではとくに高く評価されるでしょう。
これくらいの経験年数になると、リーダーやスペシャリストなどとしてのキャリアアップ転職も目指せるようになります。
6年目以上
看護師6年目以上になると、通常の求人に加えて管理職候補の求人も増え、転職先の選択肢の幅が広がります。これまで十分に経験を積んできているので、未経験の分野にも転職しやすいでしょう。
ただし、転職先によっては経験年数が長い分教育しにくい、扱いにくいといった評価を受けることがあります。
転職するなら3年目以降がおすすめ!その理由は?
転職を有利に進めるなら、看護師3年目以降がおすすめです。なぜ3年目以降の転職が良いのか、その理由を解説します。
経験年数が評価されるから
看護師3年目以降の転職をおすすめする理由は、経験年数が評価されやすくなるからです。経験年数が浅い1~2年目の看護師は、即戦力となることが期待される看護師の転職市場では評価されにくい傾向にあります。
3年目以降であれば、それなりのスキルや知識が身についていて即戦力になる可能性が高いため、経験年数を評価する病院が多いのです。
看護師というハードな仕事を3年以上続ける根気や継続力も評価されるので、1~2年目の看護師よりも転職先の幅も広がります。
転職後に仕事についていきやすいから
転職後に仕事についていきやすいことも、看護師3年目以降の転職をおすすめする理由のひとつです。一般的に看護師の新人教育カリキュラムは入職から3年で完了するため、看護師1~2年目で転職すると、教育が中途半端で終わってしまいます。
転職先でもしっかり教育が受けられれば良いのですが、教育制度の充実度は病院によって異なるため、必ずしも転職先で十分な教育が受けられるとは限りません。
看護師としての基本的なスキルや知識が身についていない状態で、教育制度が整っていない病院に転職すると、仕事についていけず困ってしまうでしょう。
新人教育カリキュラムを修了した看護師3年目以降であれば、新たな職場でも基礎的なことがわからず悩むことが減るのです。
給料アップやキャリアアップも実現させやすいから
看護師3年目以降の転職をおすすめする理由として、給料アップやキャリアアップを実現させやすいことも挙げられます。
看護師の転職では、経験年数によって給与額に差が出ることが多いためです。新人扱いの1~2年目の看護師と比べて、即戦力として期待できる3年目以降の看護師は転職先での給与水準が高くなります。
リーダーや管理職候補としての求人も増えるため、キャリアアップ転職も実現させやすいでしょう。
年数に関係なく転職したほうが良いケースもある!
看護師の転職は、転職先の選択肢が増え、給与水準も上がる3年目以降にするのがおすすめです。しかし、経験年数にかかわらず、早めに転職したほうが良いケースもあります。
仕事のストレスで心身に不調が出ている
仕事のストレスで心身に不調が出ている場合は、経験年数を気にせずにできるだけ早めに転職しましょう。不調が出たまま無理をして働き続けると、状態が悪化して長期間休職することになったり、働けなくなったりするおそれがあります。
すでに不眠やうつ状態になるなどの症状が出ている場合は、転職するよりも休職や退職を検討したほうが良いでしょう。
職場環境が悪い
有給が取れない、残業時間が基準を超えているなど、職場環境が悪い場合も経験年数に関係なく転職するのがおすすめです。このような職場でストレスを溜めながら働いていたら、いずれ心身に不調が出てくる可能性があります。
とくに、労働基準法を違反するような職場で、改善の兆しが見られないようであれば、早めに転職したほうが良いでしょう。
やりたいことが決まっている
やりたいことが決まっている場合も、経験年数にかかわらず転職を考えたほうが良いでしょう。明確なキャリアプランができているのに動かないままだと、時期を逃してしまう可能性があるからです。
前述のとおり、看護師の転職市場では、基礎的なスキルや知識が身についている3年目以降のほうが高く評価される傾向にあります。
しかし、職種によっては、早めに転職してその職種に関係するスキルや知識を身につけたほうが良いケースもあるのです。転職先によっては、若く柔軟性がある看護師のほうが良いと考えている場合もあります。
経験年数だけで判断するのではなく、希望の職種で求められるスキルや知識などを調査して、転職するタイミングを決定しましょう。
まとめ
看護師の転職市場では、新人教育カリキュラムが終わっていない1~2年目の看護師の評価が低めです。
教育カリキュラムを修了し、きちんとスキルや知識が身についた3年目以降の看護師が高く評価されるため、転職を有利に進めたいなら3年目以降の転職を検討しましょう。
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