看護師として働いている方の中には、病院以外の職場への転職を考えている方もいるでしょう。看護師の経験が活かせる職場を知っておくことで、自分に合った転職先が見つかるかもしれません。
今回は、看護師の転職先候補を一覧でまとめ、それぞれの特徴をご紹介します。自分に合う職場を見つけ、スキルアップを目指したい方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
看護師の転職先で病院以外のおすすめ一覧
ここでは、看護師におすすめの転職先を8つ紹介します。それぞれの職場でどんな仕事をするのか解説するとともに、必要なスキルや経験、特徴をまとめました。
介護施設
老人ホームやデイサービスなどの介護施設で看護師として働き、入居者の看護ケアを行います。仕事内容は健康管理や投薬管理、応急処置などがメインになります。日本では高齢化が進む一方であるため、これから介護施設の需要は高くなっていくでしょう。
病院勤務と比べて、時間に追われたり、プレッシャーを感じたりする機会は少ない傾向にあります。また、介護ケアは介護士が行うため、力仕事や体力的な負担もそこまで多くありません。
保育園・幼稚園
保育園や幼稚園で働く看護師は、体調を崩したり、ケガをしたりした園児の応急処置や、体調管理を行います。
また、先生や保護者向けに保健指導を行ったり、感染症を防ぐための対策を講じたりするのも仕事のひとつです。
小さな子どもは体調が急に悪くなることもあれば、思わぬケガをすることもあります。適切な処置や判断をし、園児の安全と健康を守るためには、看護師としてある程度の知識や経験が必要になるでしょう。
訪問看護
療養中の患者様の自宅や、患者様が入所している介護施設に訪問し、医療処置を行うのが主な仕事です。仕事内容は患者様の健康管理や服薬、点滴管理などで、これらの行為を医師の指示に従って行います。
ほかにもリハビリ、床ずれの予防のためのケア、患者様のご家族のケアも対応範囲です。夜勤や残業がなく、勤務時間の自由度が高いため、プライベートの時間を充実させたい方にも向いているといえるでしょう。
美容クリニック
美容に興味があるなら、美容クリニックもおすすめの転職先です。美容クリニックに所属する看護師は、電話による受付から患者様の予約管理やカウンセリング、施術、アフターケアまで行います。
一般的な病院と比べると、給与が高い傾向です。また、美容外科ではメスを使った施術を行うこともあり、手術をする医師の補助を任される場合もあります。臨床経験のある看護師なら重宝されるでしょう。
一般企業の産業看護師
産業看護師は、企業に対して従業員の健康指導を行ったり、従業員からの健康相談を受けたりするのが主な業務です。
従業員の健康診断のスケジュール管理と調整に、メンタルヘルス対策を行うのも業務範囲に含まれます。
働き方はデスクワークがメインです。ただし、看護師が在籍する企業の多くは大企業であり、求人数もそこまで多くありません。また、産業看護師は数人程度のチームで働くことになるので、一人ひとりの裁量権が大きいことも覚えておきましょう。
健診センター・献血ルーム
健診センターでは、健康診断や人間ドックを行うのに必要な医療行為を行います。問診や身体測定、採血、各種がん検診や内視鏡検査の補助などを行うのが仕事です。献血ルームでは文字通り、献血スタッフとして働きます。
業務がルーティン化しがちになるため、スキルアップをしたい方には物足りなさを感じやすいでしょう。一方で夜勤がなく、残業も少ないため、体力的な負担は少ないほうが良い方に向いています。
医療機器メーカー
医療機器メーカーで働く看護師はフィールドナースと呼ばれており、医療従事者や療養中の患者様、医療機器メーカーの従業員に、医療に関する専門的な情報を提供するのが仕事です。
治療に関わるさまざまな分野の方と関わりを持つことになるため、コミュニケーション能力は必要不可欠になります。また、外国語が必要になることもあるため、語学力に長けている方なら活躍できるでしょう。
治験医療機関
治験支援を行う機関にて、治験コーディネーターに転身するのも選択肢のひとつです。治験コーディネーターの役割は、治験の準備や被験者のケア、被験者へ治験内容を説明する際の医師の補助などを行います。
看護師資格がなくてもなれる職業ですが、資格があれば優遇されやすいです。治験は平日に実施することが多く、夜勤も少ないため、プライベートの時間も確保しやすいでしょう。
ツアーナース
ツアーナースとは、修学旅行や会社の研修旅行などをはじめとする団体旅行やイベントの際に添乗し、参加者が病気やケガをした場合に処置を行う仕事です。イベントナースと呼ばれることもあります。
ツアーナースには明確な勤務時間が定められていないことが多く、ツアー中に体調不良者が出たときはいつでも対応する必要があります。
さらに、さまざまなケガや病気に基本的には1人で対応する必要があるため、特定の病気に対応することが多い病棟看護師よりも医療に対する幅広い知識が求められます。求人は単発のものが多く、旅行の内容によって給料も変動します。
テーマパークの救護室
少し珍しい看護師の職場として、テーマパークの救護室があります。テーマパークの救護室で働く看護師は、テーマパーク内の体調不良者や怪我人の一時的な看護や来園者が急に倒れた際の救護、さらに救急車への引き継ぎ業務などを行います。
救護室の仕事の特徴としては、データ入力などのデスクワークがあることも挙げられます。そのため、WordやExcelの知識が必要とされる可能性も高いです。勤務形態はシフト制であるほか、来場者の多い土日は休みにくい職場である点には注意しましょう。
障害者支援施設
障害者が障害福祉サービスを受けられる施設である障害者支援施設で働く看護師は、医師や理学療法士、作業療法士をはじめとするリハビリスタッフなどの多職種と連携を取りながら、入居者や通所者のケアを行います。
障害者支援施設に転職するとゆくゆくは施設のサービス管理責任者を任される可能性もあるため、キャリアアップを図りたい方にもおすすめの職場です。
障害者支援施設は事業者数・利用者数ともに増加しており、人工呼吸器による呼吸管理や喀痰吸引などの医療行為が必要な場合には看護師の配置が必須となっています。
コールセンター
看護師がコールセンターで行う仕事は看護師が持つ医療や看護の知識を活かしながら顧客に対応するというもので、募集先は主に製薬会社や保険会社などです。コールセンターは一般的な病院の看護師とは異なりデスクワークがメインなので、体力的な負担が少ないところも魅力のひとつとなっています。
相談の内容としては薬や医療機器の使い方や保険に関する質問などが多いため、自身がもっている知識を活かしながら働くことができます。
ただし、就業先によって業務内容はさまざまです。そのためいくつかの職場を比較して、より自身にあった職場を選べると良いでしょう。
看護師が病院以外で転職先を選ぶときのポイント
看護師が病院以外の職場へ転職したいと思ったときは、転職の目的を明確にすることが重要です。どういうふうに働きたいか、転職によりどんな自分になりたいかを考えてみましょう。
まずは自分が転職先に求める条件のうち、最も重視したいものを洗い出してみてください。勤務時間、残業の少なさ、休日、収入面など、重要視するポイントは人によってさまざまです。
このように、自分がなぜ転職するのかをまず明確にし、それが叶う転職先を選べばミスマッチを避けられます。なお、転職してから「前の職場のほうが良かった」と後悔しないよう、転職先の情報収集はしっかり行いましょう。
看護師が病院以外の職場に転職する際の注意点
看護師が病院以外の職場へ転職する際には、さまざまなデメリットがあります。以下の注意点を踏まえたうえで、転職活動を進めていきましょう。
病院よりも給料が下がるケースもある
病院以外の職場には、夜勤がないケースがほとんどです。夜勤のある病院で働いていた看護師が病院以外に転職すると、給与が大きく下がる可能性があります。
給与を転職先の条件として重視する際は、どれくらいなら下がっても良いのか、生活をするためにはどの程度の給与が必要なのか、きちんと考えておくことが大事です。
また、給与が高い職場に転職する方法もあります。美容クリニックや一部の産業看護師に関しては、給与が上がることもあります。
募集が少なく求人が見つかりにくい
看護師の求人情報の大半は、病院への募集で占められています。そのため、病院以外の職場の求人を見つけることが難しいです。
自分で転職先を探すのが難しいと感じたときは、人材紹介サイトを活用するなどして、少しでも多くの求人情報に目を通しておきましょう。
人気の職場は求人倍率が高い
前述した転職先一覧のうち、美容クリニックや産業看護師、保育園の求人は数が少なく、さらに人気が高いです。病院と比べて求人倍率が高くなるため、上記の職場を転職先として検討しているのであれば、万全な対策を練る必要があります。
美容クリニックへの転職を希望するなら、美容看護師（ナース）専門の転職エージェント「ビナラボ」の活用をご検討ください。
ビナラボでは美容業界に詳しいアドバイザーが、求職者様の希望する条件をヒアリングしたうえで、求人紹介から面接対策、キャリア形成までトータルでサポートいたします。
無料相談も受け付けておりますので、美容クリニックへの転職を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
看護師資格は、幅広い業界で役立つ資格です。病院以外の職場へ転職したいと思ったときは、今回紹介した一覧から自分にぴったりの転職先を選びましょう。
転職先によっては、給与が下がったり、求人倍率が高かったりする可能性があります。転職を成功させるためには、自分が転職先に求めることを明確にしましょう。
転職活動に行き詰まったときは人材紹介サイトなども活用しながら、理想の転職先を探してみてください。
