看護師の中には、夜勤の多さに負担を感じている方もいるでしょう。夜勤があると生活リズムが崩れやすくなるため、体調に支障をきたしてしまうケースもあります。日勤のみで働いた場合、働き方や年収はどのように変わるのでしょうか。
今回は、看護師が日勤のみで働くメリット・デメリットと、年収や活躍できる職場について紹介します。
看護師が日勤のみで働くメリット
看護師が日勤のみで働くメリットは、心身の負担がなくなることです。また、生活時間帯が変化しないため、プライベートと両立しやすくなります。
生活リズムが安定する
夜勤があると、そのたびに生活リズムを勤務時間に合わせて調整しなければなりません。日勤のみで働けば、生活リズムを安定させられます。
特に、交代制のように生活時間帯が頻繁に変わると、体内時計が狂ってしまい、睡眠が不足しがちになります。日勤のみで規則正しい生活を送れれば、十分な睡眠を取れて健康的な状態を保てるでしょう。
体力的な負担が少ない
夜勤の場合、勤務先にもよりますが1回あたりの勤務で15時間ほど拘束され、労働時間が長くなります。1ヶ月の勤務日数は少なくなるものの、体力的には大きな負担がかかります。そのため、夜勤で体調を崩してしまい、看護師を断念する人も少なくありません。
日勤のみで働ければ、体力に自信がない方でも看護師の仕事を続けられるでしょう。
プライベートと両立しやすい
日勤であれば、家族と過ごせる時間を確保でき、家庭と仕事の両立もしやすくなります。特に小さな子どもがいる場合は、夜に家を空けずに済むのは大きなメリットでしょう。
日によって勤務の時間帯が大きく変わらないため、プライベートの予定も組みやすくなります。
また、日勤のみで働ける職場では、土日休み、もしくは日祝休みになることが多いのも魅力です。
看護師が日勤のみで働くデメリット
日勤のみの看護師として働く場合、メリットだけでなくデメリットも生じます。日勤のみの働き方に変えて後悔のないよう、デメリットも理解しておきましょう。
給料が少なくなることがある
日勤のみの看護師の場合、常勤看護師よりも給与が低くなることがあります。夜勤は基本給とは別に深夜手当が支払われるからです。
看護師の給与において夜勤手当は大きな割合を占めているので、給料が少なくなってしまいます。しかし、日勤でも基本給が高い職場を選べば、収入の減少も避けられるでしょう。
求人の選択肢が少なくなる
入院施設のある大きな病院や大学病院の看護師は、夜勤があるのが一般的です。夜勤なしを条件として仕事を探す場合、応募できる求人の選択肢が限られます。
しかし、外来のみの医療機関や、保育施設・介護施設といった医療機関以外の職場であれば、日勤のみの求人も多く見つかります。
日勤のみの看護師の平均年収
日勤のみの看護師の平均年収は、夜勤もある看護師に比べると低くなります。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は約498万円であり、月収にすると約41万円となります。夜勤手当がない場合には、年間で50~100万円程度手取りが減る場合もあります。
日勤のみの看護師の平均年収は約421万円という試算もあり、月収で換算すると約35万円となります。日勤のみで働く場合は、収入の減少は考えておく必要があるでしょう。
日勤のみの働き方で年収を重視したい場合には、インセンティブ制度がある職場に転職するのもひとつの方法です。
出典:「令和3年賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)
日勤のみで働くのがおすすめな看護師
日勤のみで働く看護師のメリット・デメリットから、日勤のみで働くのがおすすめな看護師は、以下にあてはまる人です。
・プライベートと仕事を両立させたい人
・育児や介護をしている人
・体力に自信がない人
日勤のみの働き方は、時間が不規則にならないので、仕事だけでなくプライベートも大切にしたい人に向きます。家族との時間もきちんと持てるようになるでしょう。
また、夜勤があると体調を崩しやすくなりますが、日勤のみであれば心配はありません。
日勤のみの看護師として活躍できる職場
看護師が日勤のみで働こうとすると求人の選択肢は少なくなりますが、逆に日勤のみであるからこそ活躍できる職場もあります。
日勤のみで働くことを希望しているなら、以下に紹介する職場を目指すと良いでしょう。
1. クリニック・診療所
入院施設のない外来診療のみのクリニックや診療所は、診療の時間や曜日が決まっています。夜勤はなく、日曜・祝日が休みとなることも多いので、日勤のみの看護師のニーズが高いです。基本的に長時間の残業もないため、決まったペースで働けます。
ただし、場所によっては会社員向けに診療時間を遅くまで設定している場合もあります。とはいえ、深夜まで診療するということは一部を除いてないため、夜勤のような負担はかかりません。
2. 介護施設
介護施設のうち、デイサービスや訪問介護ステーションも、日勤のみの看護師が活躍しやすい職場です。
デイサービスは老人ホームのような入居型ではなく通所型の施設なので、看護師の募集は日勤のみになります。
また、訪問介護は1日の訪問数やスケジュールが決まっており、日勤がメインとなっているので、日勤のみでも十分に活躍できるでしょう。こちらも夜間帯にかかることはあっても、夜勤のように生活リズムが昼夜逆転してしまうことはありません。
3. 健診センター
健診センターでの看護師の仕事は、採血や血圧測定など、主に健康診断にかかわる業務です。センターの受付時間外には業務が発生しないため、日中の時間帯にスケジュールどおりに働けます。ルーティンワークが中心で病気やケガの患者様を扱うこともないため、ブランクがある方や落ち着いた職場で働きたい方に向いています。
ただし、医療行為に直接かかわる機会がないため、給与水準が低いこと、看護師としてのキャリアアップにはつながりにくいことなどに注意が必要です。
4. 保育施設
保育施設でも看護師が活躍しています。保育施設での仕事は保育士さんと連携して子どものお世話をすることが中心です。そのほか、専門職として以下のような業務を担います。
・簡単な応急処置
・子どもやスタッフの健康管理や衛生指導
・アレルギーや障害のある子どもへの対応
・必要に応じて医療機関との連絡や調整
・保護者とのコミュニケーション
私立保育園では看護師の常駐義務があり、公立保育園では配置が努力義務とされているため、看護師のニーズは高いです。しかし、基本的に施設に1人しか配置されないため、医療行為はないものの、人によっては責任が重く感じられるかもしれません。
5. 美容クリニック
美容クリニックも、日勤のみで働ける職場です。日勤で働きたい看護師の転職先として、近年人気が高まっています。
美容クリニックは基本的に自由診療が中心で、診療報酬はクリニック側が設定できます。そのため、収益性が高く、看護師の基本給も高めになっていることが多いです。さらに、目標の達成に応じてインセンティブを支給しているケースが多いので、美容に関心が高い方はもちろん、日勤でもしっかり稼ぎたいという方に向いています。
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まとめ
看護師が日勤のみで働くのはメリット・デメリットがありますが、夜勤を負担に感じているなら、日勤のみの働き方を選ぶのがおすすめです。
日勤のみの求人は限られますが、美容クリニックをはじめとして日勤だからこそ活躍できる職場も多くあります。日勤のみならプライベートを大事にした働き方ができるので、ぜひ積極的に検討してみてください。