看護師転職の適正検査とは?検査内容と対策方法を詳しく解説

看護師が転職時に受検する適性検査とは?

適性検査は、応募者が看護師の仕事をするのに、人格的にふさわしいかどうかを確認するために実施します。

適性検査にはさまざまな種類がありますが、大抵は以下の3つのいずれかを行う職場が多いです。

・Y-G性格検査
・クレペリン検査
・SPI検査

当然ながら、ほかの試験と同様に結果が悪いと落ちることがあります。それぞれの検査ではどんなことをやるのか把握し、準備しておくことが大切です。

Y-G性格検査、クレペリン検査、SPI検査それぞれの検査の内容と、検査結果でわかることをみていきましょう。

看護師の適正審査|性格の傾向や特性を判断するY-G性格検査

Y-G性格検査とはどんな検査なのか、また検査結果でわかることについて紹介します。

Y-G性格検査とは

Y-G性格検査とは、日本心理テスト研究所が提供する性格検査です。

アメリカで心理学教授をしていたギルフォード教授によって考案されたものをベースに、日本の文化や環境に合うよう、京都大学の谷田部教授によって調整を加えた検査になります。ギルフォード教授と谷田部教授のそれぞれのアルファベットの頭文字をとってY-G性格検査と名付けられました。

Y-G性格検査では用意された簡単な質問に「はい」「いいえ」「どちらでもない」の3つで答えていきます。質問数は全120問で、回答結果によって受検者の人柄や特性を判断する検査です。

Y-G性格検査でわかること

Y-G性格検査では、受検者を「情緒特性」「行動特性」「人間関係特性」「知覚特性」の4つの観点から判断します。

・情緒特性

気分が変化しやすいか、落ち込みやすいか、人や物事に不満を抱きやすいかといった事柄をチェックし、情緒面で安定しているかどうか判断します。

・行動特性

積極的に行動するタイプか、それとも消極的な傾向があるか確認します。積極的な人は活動的で仕事も意欲的にこなす傾向があり、控えめな人は同僚や患者様に合わせることができるなど、それぞれに長所があるものです。

適性は職場によって異なるため、正直に回答すると良いでしょう。

・人間関係特性

人間関係において社交性があるか、協調性があるかといった点を判断できます。

・知覚特性

物事を主観的に考える傾向があるか、それとも客観的に考える傾向が強いかを判断します。

これら4つの特性から、看護師として働くのに適した性格か、ストレス耐性があるかといった点を確認することが可能です。

看護師の適正審査|単純作業から行動傾向を測定するクレペリン検査

クレペリン検査の特徴と検査でわかることは以下のとおりです。

クレペリン検査とは

クレペリン検査とは、単純な計算を一定の時間繰り返し行う筆記試験方式の検査です。

人は単純作業を継続すると、時間の経過とともに作業効率が変化します。ドイツの精神医学者エミール・クレペリン博士は、その作業効率の変化が個人の心理的な特徴と関連があることを20世紀のはじめに発表しました。

そして、クレペリン博士の知見に基づいて1920年代に心理学者である内田博士が完成させた心理検査がクレペリン検査です。

クレペリン検査では、休憩を挟んで前半15分、後半15分の合計30分間にわたり単純な計算を行っていきます。そして、時間ごとの作業量の変化や回答の正確性などから受検者の行動の傾向、性格などを総合的に判断します。

問題自体は簡単であるものの、作業量が多いのが特徴です。

クレペリン検査でわかること

クレペリン検査では、計算の処理速度の速さから仕事の処理能力を測定することができます。計算が速いということは、仕事も手早く取り掛かり、新たな仕事への順応が早いと判断できるでしょう。

また、処理の正確性を見ることで、物事を進める際に気分にムラがあるか、行動に変化があるかといった点を測定できます。

安定して正確に処理できている人は、地道に物事に取り組める傾向にあります。一方、正確性が不安定な人は気分にムラがあり、コツコツした作業に取り組むのが苦手な傾向です。ただし、処理の正確性が不安定な人のほうが、柔軟性があることが多いともいわれています。

加えて、クレペリン検査では一定時間単純作業をすることから、持続力やストレス耐性などを確認することもできます。

看護師の適正審査|総合的に性格や適正を評価するSPI検査

SPI検査の特徴と検査でわかることをみていきましょう。

SPI検査とは

SPI検査は、「リクルートマネジメントソリューションズ」が開発した、適性検査です。

基礎能力検査と性格検査に分かれており、基礎能力検査には文章を正確に理解する力を確かめる「言語分野」と、数学的な思考力をみる「非言語分野」の2種類があります。性格検査では300程度の質問に答える形式で、回答によって受検者の性格などを診断します。

SPI検査でわかること

基礎能力検査では、言語分野と非言語分野のいずれも受検者が正しく回答するごとに質問の難易度が高くなるシステムとなっています。そうすることで、受検者の読解力や数学的な力を確かめ、思考力やコミュニケーションスキル、数的処理能力などを分析できます。

また、性格検査では受検者の回答から性格や特性を導き出し、職場が求めている人物像と近いかどうか適性を判断します。

性格検査では、こういう人材が求められているだろうと予想し、その人物をイメージしながら回答していくこともできますが、採用後のミスマッチにつながるのでおすすめできません。また、一貫性を欠いてしまったりして評価に響くことも考えられるため、正直に回答していくほうが良いでしょう。

看護師の適性検査対策をするには

適性検査では難易度の高い問題が出題することはほぼないものの、「落ちたらどうしよう」と不安になる人もいるのではないでしょうか。

落ち着いて臨めるようにするには、準備が欠かせません。看護師の適性検査の対策方法を紹介します。

過去問題を繰り返し解く

計算問題や読解力を確かめるような能力検査は、過去の問題集を利用して対策を講じるのがおすすめです。緊張していると、普段ならスラスラ解けるような問題でも時間がかかってしまったり、うっかりミスをしてしまったりすることがあります。

参考書やオンライン上の問題集を何度も繰り返し解いて慣れておくと、本番でもスムーズに回答できるでしょう。

性格検査については、特に準備をせず質問に対して素直に答えるのが一番です。自分の印象を良くしたいからと自分を偽ってしまうと、実際の人物とのギャップが生まれます。

面接に進んだときに普段と違う自分になりきる必要があり、大変な思いをすることになるでしょう。それよりも普段の自分を理解してもらえるような回答をすると、面接に進んだときも自然体で臨めます。

転職サービスを活用する

自分でできる対策だけでは不安な場合は、転職サービスを活用するのもおすすめです。

転職サービスを利用すると適性検査の対策方法を教えてもらえるだけでなく、履歴書の書き方や面接対策などのアドバイスも得られるので、効率良く転職活動を進めていけます。

転職にまつわる不安なども相談できるので安心です。

転職する看護師の履歴書の書き方については、以下の記事をご覧ください。

看護師は転職で給料が下がる?給料の良い転職先と給料アップの方法

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まとめ

今回は、看護師の転職で受けることになる適性検査と対策方法について紹介しました。

株式会社アッテルの調査によると、「適性検査の性格診断で自分を良く見せようとしたことがある」と答えた人は全体の6割だといいます。一方で、「ごまかす必要のない適性検査を受けて、自分に合った会社に入りたい」と答えた人は全体の8割もいました。

自分をごまかさないで選考を受けたいと考えていながらも、受かりたい思いで良く見せようとしてしまう人が多いことがわかります。

しかし、矛盾した回答や、良く見せようとするあまり回答に時間をかけてしまうと、適性検査で不合格になるおそれもあります。なぜなら、適性検査は嘘を見抜けるような仕組みになっており、受検者が自分を偽っていることがわかると信用も失われてしまうからです。

適性検査では自分自身を偽らず、素直な気持ちで回答することがのちのキャリアステップにおいても重要だということを改めて理解しておきましょう。

出典:「適性検査の性格診断で自分を良く見せようとした経験のある人は6割超え
しかし、入社してから合わないかもしれないと約半数が不安に」(株式会社アッテル)