看護師が転職活動をするにあたって、面接は合否を左右する選考のひとつです。採用担当者へ自身の経験やスキルをアピールする大切な場となるので事前準備が必要となります。
しかし、面接を受けるにあたって「事前にどんな準備をしておけばいいのか」「どんな質問をされるか不安」と悩まれる方は少なくないでしょう。
そこで今回は、面接を受ける前にするべき準備や、よく聞かれる質問について紹介します。
面接の主な流れや内容を確認しよう
面接の流れや内容を把握しておくことで、余裕をもって本番に臨むことができます。
大まかな流れは以下のとおりです。
1.受付
2.入室
3.自己紹介
4.志望動機
5.逆質問
6.退室
第一印象は面接の結果を決める重要な要素です。入室や質疑応答の際に礼儀正しく振る舞うことで、採用担当者に好印象をもってもらうことができます。
また、自己紹介や志望動機はスムーズに回答できるよう、事前に準備しておきましょう。
看護師が面接を受ける前にするべき準備は?
転職先で面接を受ける前に、準備しておくべき項目は以下の3つです。
・応募先の情報を収集する
・身だしなみを整える
・模擬面接をする
それぞれ詳しく解説していきます。
応募先の情報を収集する
まずは、応募先の病院や施設、クリニックについて事前に調べておきましょう。応募先のホームページのみならず、SNSやブログを運営しているようであればそちらにも目を通しておくことをおすすめします。
SNSやブログは現場の声や普段の雰囲気が反映されやすく、そこからどのような人材を求めているのか把握できるでしょう。また、発信している情報にもアンテナを張っておくことで面接時のアピール材料となります。
身だしなみを整える
スーツは黒や紺色を選ぶと落ち着いた印象を与えます。また、インナーシャツは男性なら白色のYシャツ、女性なら白色や薄いピンク色などのブラウスといった、優しい印象を与える色を選ぶと良いでしょう。
また、面接当日はなにかと持ち物が必要となるほか、その場で資料を渡されることもあるため、大きさのビジネス用カバンを持参するようにしましょう。目安としてA4サイズが入る程度をおすすめします。
身だしなみについては以下のポイントに気をつけましょう。
■女性
・ネイルをする場合は肌になじみの良いベージュ系の色にする
・時計はシンプルなデザインのものにする
・アクセサリーや香水は控える
・ストッキングを着用する(予備も持参)
・ブランド物のバッグは避ける
・足元はパンプスが基本
■男性
・ひげを剃り、清潔感を大切にする
・ネクタイは派手すぎないデザインのものにする
・髪型は相手に不快感を与えない長さ、スタイルにする
模擬面接をする
面接で緊張してしまう方は、事前に模擬面接で練習しておくのがおすすめです。家族や友人に採用担当者の役割をお願いし、面接の受け答えを練習すると良いでしょう。
とはいえ、見知った人では緊張感がある面接の雰囲気は再現しにくいかもしれません。実際の面接に近い状況で練習したい場合は、転職エージェントのアドバイザーに対して、面接の模擬練習をしてもらうと良いでしょう。
看護師の面接でよくある質問をチェックしよう!より良い答え方も紹介
ここでは、面接の場でよく聞かれる質問と答え方について、紹介します。
聞かれやすい基本的な質問
面接で聞かれる、基本的な質問は以下の4つです。
・自己紹介
・自己PR
・長所と短所
・勤務条件
自己紹介は内容を詰め込みすぎるとまとまりがなくなるため、要点を1分程度で伝えましょう。
次に、自己PRでは看護業務に活かせる自身の強みやスキルをアピールしていくのがおすすめです。
・「回復期病棟で6年間の実務経験があります」
・「認定看護師の資格を活かして人材育成に取り組めます」
・「管理職の経験がありリーダーシップを発揮できます」
自分の経歴を振り返り、自分だけの自己PRを事前に整理しておきましょう。
長所と短所は、具体的なエピソードを交えて伝えるのがポイントです。また、短所については「忘れっぽい性格ですが、メモを取りこまめに確認して業務にあたるようにしています」といったように、努力して改善に努めていることを伝えましょう。
最後に、勤務条件は自身の希望を伝えながらも柔軟に対応できる姿勢を見せることが重要です。
【回答例】
「子どもが小さいので夜勤は難しいです。ただ、延長保育を利用できることから日勤はある程度融通が利きます」
事前準備が必要な質問
事前に準備が必要な質問は以下の3つです。
・退職理由
・志望動機
・看護観
退職理由は不満やネガティブな理由ではなく、ポジティブなものを選ぶようにしましょう。なぜなら、採用担当者は応募者が同様の理由で辞めてしまわないか、心配しているケースもあるためです。
具体的には、「いままで培ったスキルをレベルアップさせたいから」「急性期の業務に携わる中で、回復期の看護にも興味をもったから」といったようにポジティブな内容を伝えると良いでしょう。
志望動機は、応募先の病院、施設ならではの特徴を踏まえながら伝えることが大切です。なお、志望動機については以下の記事でも詳しく解説しています。
【看護師の転職】志望動機はどう書く?作成のポイントと注意点まとめ
看護観に関する質問では、応募者の看護観と病院、施設の理念がマッチしているかを問われています。
「患者様とそのご家族に寄り添う」「安全第一」など看護師によって看護観はさまざまですが、質問された際には応募先の理念を考慮して回答するようにしましょう。
面接の最後に聞かれる逆質問
面接の最後には面接官から「何か質問はありますか?」と逆質問を求められることがあります。逆質問をする背景として、本人の就業に対する意欲や職場で働く熱意を明らかにしたいという採用担当者の意図があります。
そのため、積極的に逆質問をすることで働く意欲をアピールできるため、事前に用意しておくと良いでしょう。ここでの質問は残業時間を聞くような待遇面の質問等ではなく、あくまで意欲を伝えられるものがおすすめです。
対策として事前に収集していた情報をもとに、不明点や深掘りしたいポイントを質問してみるようにしましょう。
【質問例】
・入職前までに勉強しておくことはありますか?
・入職後に研修は実施されますか?
・1日のスケジュールは?
・働いている看護師の平均年齢(もしくは経験年数)はどれくらいですか?
・院内勉強会は開催されますか?開催頻度はどれくらいありますか?
・外部の研修会はありますか?
転職を成功させるために知っておきたい面接のポイント
受け答えについて理解したところで、転職を成功させるために知っておきたいポイントをまとめてみました。
自分の強みをアピールする
自分の強みがわからないといった方は、紙に得意なことを書き出してみましょう。その際に、簡単なエピソードもセットにするとより具体性が増します。
例:コミュニケーション能力が高い
→疑問に思ったことをすぐに質問し、業務に活かせるように行動できる
また、友人や家族など自分のことをよく知る人に強みが何か聞いてみると、自分では気づけなかった視点に気づけるかもしれません。
一貫性のある答え方をする
面接の際には自分をよく見せようと思うあまり、本心ではない回答をしてしまうこともあるでしょう。しかし、インターネットで記載している回答例をそのまま使ってしまうと、自分の経歴や経験と矛盾してしまい、結果として中身のない答えとなりかねません。
そのため、質問に対する答えは一貫性をもたせ、リアルな内容を伝えるようにしましょう。
まとめ
看護師が面接に臨む際は事前準備と質問に対する自分の答えを用意しておくことで、転職の成功率を上げることができます。希望とする職場へ転職するためにも、事前に自分の経歴やスキルを棚卸しし、採用担当者へ効果的にアピールできるようにしましょう。