「腰痛」は、看護師の職業病と呼ばれるほど身近な悩みのひとつです。痛みに耐えかねて、腰の負担が少ない職場に転職したいと考える方は多いのではないでしょうか。
この記事では、看護師が腰痛を抱える原因や、腰の負担が少ない職場をご紹介します。あわせて腰痛持ちが転職するポイントも解説しました。ぜひ参考にご覧ください。
看護師は腰痛やヘルニア持ちが多い?
腰の痛みやヘルニアの悩みを抱える看護師はたくさんいます。職場によっては、全体の半数以上が腰痛持ちであるのも少なくありません。
看護師に腰痛持ちが多いのは、立ち仕事が多いためです。処置をするときの中腰姿勢や、患者様を支える介助も腰に大きな負担をかけます。勤務中に座って休める時間が少ないのも、腰痛を悪化させる要因のひとつと考えられます。
日々の業務の蓄積による腰痛は労災として認められにくいため、看護師は慢性的な腰の痛みを抱えがちです。
看護師が快適に働ける!腰の負担が少ない職場5選
腰痛は一度発症すると完全に治すのは大変です。多くの看護師が悩みを抱えていますが、腰の負担が少ない職場もあります。腰痛持ちの方は、次の職場に注目しましょう。
1.クリニック
入院施設のない無床のクリニックなら、介助が必要な患者様が少ない傾向があります。立ち仕事が多くても、腰に過剰な負担をかけずに無理なく働けるでしょう。
特に、病棟を持たない皮膚科や耳鼻科、座り仕事が多い眼科のクリニックは、腰の痛みがつらい看護師にはおすすめです。逆に、高齢者や子どもの患者様が多いクリニックは処置や介助で腰に負担がかかりやすいと考えられます。
2.移乗・入浴介助がないデイサービス
老人ホームなど介護関係も、腰痛持ちが多い職場です。ただし、デイサービスであれば利用する高齢者の日常生活の自立度が高いため、腰への負担は比較的軽いとされます。
特に、患者様の体を支えてベッドから車椅子に乗り換える移乗や、入浴介助がない施設であれば、腰痛を抱えていても働きやすいでしょう。
3.産業看護師
企業の医務室で働く産業看護師の仕事も、腰痛持ちの人にはおすすめの職場です。従業員の健康相談やメンタルヘルスケアが主な業務で、基本的にデスクワークで作業することから、腰に負担をかけずに働くことができます。
4.健診センター
病気の予防や早期発見を目的とした健診センターは基本的に介助業務がなく、腰痛持ちでも働きやすい職場です。主な業務が採血や健康診断のサポートであるため、無理な体勢をとることは多くありません。
ただし、利用者が多い健診センターだと、座ったままの採血業務でも長時間の前傾姿勢で腰に負担がかかる場合があります。中腰で採血業務をする職場もあることから、転職前に確認が必要です。
5.治験コーディネーター
治験コーディネーターとは、医療機関や薬の開発現場で行われる治験をサポートする仕事です。被験者への説明や相談対応を担いますが、座り仕事が多く、腰痛の人でも無理なく勤務できるでしょう。
看護師が腰の負担の少ない職場に転職するときのポイント
腰痛やヘルニアを抱えている場合は、腰の負担が少ない職場へ転職するのがおすすめです。とはいえ、看護師はもともと立ち仕事が多く、転職先でも無理をすれば痛みがぶり返すリスクがあります。再発を防ぐためにも、次の点に注意して転職を検討しましょう。
なお、看護師が転職する方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
腰痛持ちであることを伝えておく
腰痛が原因で転職する場合は、面接のときに事情を説明する必要があります。腰が痛むと、看護師としての仕事に支障が出るかもしれません。腰の痛みの関係で不可能な業務があれば、最初に伝えておきましょう。
「腰痛持ちだと正直に話すと、採用されないかも」と考えて事情を伝えず無理をして働くと、症状が悪化するリスクもあります。職場の理解を求めて、無理なく働きながら早期回復を目指すことが大切です。
ノーリフトを導入している職場かどうか確認する
近年は、介助する側とされる側にとって安全な「ノーリフト(人力で持ち上げない・抱え上げない)」の考えを取り入れる病院が増えています。
これらの病院では、移乗リフトやスライディングボードといった福祉用具を導入し、介助者の身体的負担を軽減するように取り組んでいます。
ただし、病院によっては活用シーンが限られていることもあるため、面接時に詳細な内容を確認しておきましょう。
パート勤務も視野に入れる
腰痛持ちでも無理なく働けるか不安な場合はパート勤務も視野に入れながら、柔軟に検討しましょう。
職場での業務内容や雰囲気は、実際に入職しなければわかりにくい面もあります。まずはパート勤務で入職し、働きやすいと納得できたら正職員を目指すと良いでしょう。単発の派遣などで働きながら勤務時間を伸ばして、自信をつけるのもおすすめです。
まとめ
看護師の業務は立ち仕事が多く、患者様のケアや介助で腰に負担をかけやすい傾向があります。悪化するリスクは高いので、腰の痛みがつらいときに無理は禁物です。腰の負担が少ない職場への転職も前向きに検討しましょう。
職場の選び方や働き方次第では、腰への負担が大きく減ります。迷ったら転職エージェントも活用して、無理なく働ける職場を探しましょう。