看護師免許を更新する流れやポイントを徹底解説!

「看護師免許は更新が必要?」「更新の具体的な方法は?」と疑問に思ったことはありませんか。看護師免許証は、転職時にも提出が求められる重要な書類です。

とはいえ、実際に更新したことがなければ、詳細や具体的な方法について知らない方は多いかもしれません。

この記事では、更新するタイミングをはじめ、手続きの大まかな流れとポイントをご紹介します。看護師免許を紛失・破損したときの対処法についてもあわせて解説しますので、参考にしてみてください。

看護師免許は【本籍地もしくは氏名】を変更したら更新が必要

国家試験合格後の申請により取得する看護師免許は、基本的に更新することなく、資格を保有できます。ただし、氏名か本籍地の都道府県(日本の国籍を有しない方は、その国籍)が変更になった場合は、窓口で申請し、免許を書き換えなければいけません。

名字や本籍地が変わるタイミングとして、主に3つのライフイベントが考えられます。

・結婚
・離婚
・新居の購入

名字変更の機会が多い結婚・離婚時は、更新が必要となりやすいタイミングです。そのほか、新居に本籍地を移し、本籍地の都道府県が変わった際にも免許を書き換えます。なお、本籍地を変えず住所のみを変更する場合は更新が不要です。

看護師として入職するにあたり、勤め先からは看護師免許証の提出が求められます。結婚の前後は何かと忙しいことが多く、離婚は精神的な負荷がかかりやすいため、更新そのものを忘れてしまっていたというケースも見受けられます。

免許の書き換えは時間を要する手続きですので、すぐに新しい免許証が手に入るわけではありません。「看護師免許証の提出日に更新が間に合わない…」といった事態も起こり得るため、早めの手続きを心がけることが大切です。

看護師免許を更新するときのポイント

更新時に注意したいポイントとして、次の2点を覚えておきましょう。

30日以内の更新が必要

申請の期限は、氏名もしくは本籍地の都道府県の変更から30日以内と定められています。

期限を過ぎてしまっても更新は可能です。ただし、遅延理由書を追加で提出しなければなりません。遅延理由書は、保健所や厚生労働省のサイトなどで入手でき、変更になった年月日や遅延理由などを記載して提出します。

また、変更が複数回にわたるにもかかわらず、更新を後回しにしていると、変更履歴の証明に必要な戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)や除籍謄本などを、複数の市区町村から取り寄せなければならない場合も出てきます。

手続きの追加や複雑化を避けるためにも、看護師免許の更新は、できるだけ速やかに行うことをおすすめします。

申請してから届くまでは4ヶ月前後

変更手続き後、新しい看護師免許証が発行されるまでの期間は4ヶ月前後です。転職を控えている方は、申請にかかる時間から逆算してスケジュールを組む必要があります。

転職先への看護師免許証の提出が間に合わないときには、登録済証明書や古い看護師免許証のコピーなどで代替できる可能性があります。転職先に相談してみましょう。

発行までの期間は時期によって若干異なる場合があるので、急ぎの際は、窓口へ確認してみるのもひとつの方法です。

看護師免許を更新する流れ

それでは、看護師免許は具体的にどのような流れで更新するのでしょうか。次に、更新手続きの流れを5つのステップに分けて解説します。

1.管轄の保健所に行く

申請は、窓口となる保健所(一部、保健センターや庁舎など)で行います。

就業中の方は勤務先を管轄する窓口へ、現在就業していない方は居住地を管轄する窓口で手続きをします。

2.必要書類などを提出する

申請時に用意するものは以下の5点です。

(1)看護師免許証の原本
申請の際に回収されますが、新しい看護師免許証の代わりになることもあるため、コピーを手元に保存しておけると安心です。紛失した場合は、再発行手続きを行いましょう。

(2)戸籍謄本か戸籍抄本のどちらか1部
戸籍謄本は、戸籍全員分の証明ができる書類です。戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)は、戸籍に記載される一部の方の証明に使用されます。どちらも発行日から6ヶ月以内のものが有効です。

戸籍謄本・戸籍抄本を交付してもらうには、3つの方法があります。

・保管する役所で直接受け取る
・郵便で取り寄せる
・コンビニで請求する

郵送による請求は、1週間~10日程度かかります。また、コンビニ請求は、全ての市区町村で実施しているわけではありません。コンビニで取得可能な証明書は市区町村によって異なりますので、以下のサイトを確認のうえ、利用を検討してみてください。

地方公共団体情報システム機構「コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付(コンビニ交付)

(3)印鑑
新しい氏名の印鑑を用意します。シャチハタは使用できません。

(4)手数料
1,000円分を収入印紙で納めます。事前に郵便局で購入しておきましょう。

(5)訂正・免許証書換え交付申請書
窓口で入手できるほか、厚生労働省の「訂正・免許証書換え交付申請書」からもダウンロードできます。

3.登録済証明書の発行を依頼する

新しい看護師免許証が届く前に転職する予定の方には、登録済証明書の取得をおすすめします。入職にあたって、看護師免許証に代わる書類として提出できる書類です。

登録済証明書は、期間限定で看護師免許証の代わりに免許を証明するもので、厚生労働省が希望者に発行しています。ただし、登録済証明書が届くまでにも申請後1~2ヶ月程度要するため、スケジュールを勘案しながら発行の要否を決めましょう。

登録済証明書の申し込みには、はがきを窓口に持参する方法と、オンライン上で申請する方法があります。オンライン申請については、厚生労働省の「保健師・助産師・看護師の皆様へ」を参考に利用を検討してみてください。

4.受け取りをする

「厚生労働省 医政局医事課試験免許室 登録免許係」から免許証交付の通知が来たら、新しい看護師免許証を窓口へ受け取りに行きます。必要なものは、通知書・身分証明書・印鑑です。

地域によっては郵送で受け取れるので、直接出向くのが難しいときは、窓口へ問い合わせてみましょう。

看護師免許をなくしてしまったときは?

先述のとおり、更新手続きでは看護師免許証の原本を提出します。紛失・破損・汚損した場合は、別途、再発行の申請が必要です。再発行は更新申請と同時に手続きできます。

用意するものは以下の5点です。

(1)印鑑
シャチハタは使用できません。

(2)手数料
3,100円分の収入印紙を用意します。

(3)戸籍謄本・戸籍抄本・本籍地記載の住民票のいずれか1部
更新申請と同様、6ヶ月以内に発行されたもののみ有効です。住民票は、本籍地の記載があり、マイナンバーはないものに限定されています。

(4)免許証再交付申請書
申請用紙は窓口でもらえるほか、厚生労働省の「免許証再交付申請書」からもダウンロードできます。

(5)看護師免許証
破損・汚損した看護師免許証は、申請時に持参します。紛失した場合、コピーがあれば持っていきましょう。

再発行も申請から約4ヶ月かかります。なお、再発行後に紛失した看護師免許証が見つかったときは、5日以内に窓口へ返納しなければなりません。

まとめ

看護師免許の更新は、氏名か本籍地の都道府県が変更になったときに行います。結婚、離婚、新居の購入が、更新の多いタイミングです。原則として30日以内の更新が求められ、発行までに申請から4ヶ月前後かかります。

申請には、看護師免許証の原本に加え、戸籍謄本か戸籍抄本、収入印紙なども必要です。看護師免許証を紛失・破損・汚損した際には、再発行の手続きを行わなければなりません。転職を控えている方は、早めに更新の準備に取りかかりましょう。