看護師の仕事をしている人の中には、現在の給料にあまり満足していない人もいるでしょう。看護師の給料は勤務先によって大きく差があります。現在の職場で給料が上がる見込みが薄ければ、転職を検討するのも良いかもしれません。
ここでは、看護師の給料が高い職場と給料を上げる方法について紹介していきます。
給料の高い看護師の職場5選
看護師の職場の中で給料が高めなのは主に次の5つです。それぞれの職場について給与水準や特徴などを見ていきましょう。
1.規模の大きな病院
病院に勤務している看護師は、勤務先の規模により給与額に差があります。日本看護協会の「2020年病院看護実態調査」によると、病床規模別に見た看護師の各種手当を含む平均給与額は次の表のとおりです。年齢は31~32歳、勤続年数10年の看護師のデータで、管理職の看護師は除かれています。
病床数 | 平均月収 |
99床以下 | 308,659円 |
100~199床 | 313,752円 |
200~299床 | 317,818円 |
300~399床 | 329,135円 |
400~499床 | 335,650円 |
500床以上 | 346,300円 |
出典:「2020年 病院看護実態調査 報告書」(日本看護協会調査研究報告)
99床以下の病院と500床以上の病院では4万円近い差があります。病院の規模が大きいほど、平均月収も高いことが分かります。
規模の大きな病院は、福利厚生なども充実している傾向があります。また、入院患者が多いことから、夜勤を担当する機会も多くなりやすいです。そのため、各種手当などを含めて高くなっていることが予想されます。
2.経営状態の良い私立大学病院
私立大学病院は、高度な専門性が求められます。そのぶん、福利厚生が充実しており、給与も高めの傾向にあります。
ただし、経営状況に左右されることもあります。応募する前に、過去の賞与実績や「病院経営力ランキング」などをチェックしておきましょう。
3.訪問介護ステーション
「令和2年度介護事業経営実態調査結果」によると、訪問介護ステーションに勤務する常勤看護師の平均年収は約540万円です。看護師全体の平均年収が492万円ということを考慮すると、給与水準が高めの職場といえます。
出典:「令和2年度介護事業経営実態調査結果」(厚生労働省)
出典:「賃金構造基本統計調査」(e-Stat)
訪問介護ステーションの給与が高い要因としては、人手不足とオンコール手当による影響が大きいです。
病院勤務の看護師と比べて、仕事内容がハードで敬遠されることもあるため、給与を高めに設定して人材を確保しています。きつくてもとにかく多く稼ぎたいという人には向いているでしょう。
4.一般企業
一般企業でも看護師の求人を募集していることがあります。主に産業保健師や治験関連企業の治験コーディネーターなどの募集が中心です。
一般企業に勤務する看護師は、ほかの職種と同様に大手企業ほど給与水準が高い傾向にあります。ただし、年収額で見ると500万円前後が相場です。 そのため、病院勤務の看護師と比べて、特段高くはないと感じるかもしれません。
一方で、一般企業勤務の看護師なら夜勤や残業、土日出勤などはほとんどなく、時間単価で考えると給与が高いといえるでしょう。
また、治験関連企業なら、スキル次第では年収1,000万円台も狙えます。 そこまででなくとも、治験コーディネーターとしての経験を重ねて管理職になれば、病院勤務よりも高い給料が期待できるでしょう。
5.美容クリニック
美容クリニックというのは、美容外科・美容皮膚科・医療脱毛・AGAクリニックなどです。
通常の医療機関とは異なり、自由診療を中心に行っています。そのため、治療代や施術代などを自由に設定できるのが特徴です。美容関連商品などを販売しているところもあります。
通常の医療機関と比べて利益率が高く、看護師の給与も高めのところが多いです。売上目標を達成できるとインセンティブが付くところもあります。
【給料アップを目指したい!】看護師が給料を上げる方法
看護師として働いている人が給与を上げるためには、何をすれば良いのかみていきましょう。
資格を取る
看護師の中でも認定看護師や専門看護師などの資格を持っている人なら、給料は高い傾向にあります。資格手当の対象になっていれば、確実に給料は上がるでしょう。
資格手当の相場は3000~5000円程度となります。少しでも確実に給料を上げたい人は資格取得に挑戦してみましょう。
管理職になる
看護師もほかの職業と同様に役職や管理職に就任すると給料が高くなります。給料アップを希望するなら、昇進を目指してみるのが良いでしょう。
ただし、管理職の看護師は患者と接して看護を行う時間よりも、環境改善や業務改善のようなマネジメント業務がメインになります。
まずは主任へ就任し、それから看護師長、看護部長という順に昇進するのが一般的です。すぐにとはいかず、時間がかかりますが、着実に給料が上がります。管理職になれば、夜勤や体力的負担の大きい業務が少なくても、高い給料をもらえるのがメリットです。
夜勤を増やす
看護師の給料が比較的高めなのは、夜勤がある点も大きいです。夜勤の時間帯によっては労働基準法の深夜労働手当の対象になります。3交代制なら1回の夜勤で支給される手当は5,000円前後、2交代制なら1万円前後です。
2交代制は月4.9回、3交代制なら月7.5回が平均的な回数ですが、もっと増やせばそれだけ深夜労働手当も増えます。
ただし、夜勤の回数が増えると、体調を崩したり生活のリズムが狂ったりしてしまうリスクもあるため注意しましょう。
フリーで働く
看護師は常勤として勤務して働くだけでなく、フリーで働くこともできます。そのため、常勤看護師の休日ヘルプ・訪問看護の看護師・健診スタッフ・イベントナースなど単発の仕事をやってみるのも良いでしょう。
看護師は専門性が高い仕事であるため、アルバイトで働いても時給は高めです。たとえば、時給3,000円や日給3万円などの条件で募集されている単発の看護師求人もあります。休日にそのような単発で多く稼げるアルバイトをすれば、収入はアップするでしょう。
しかし、休日に別の仕事をすることになるため、休みが少なくなり、生活の質は落ちてしまいます。看護師の仕事はただでさえハードであるため、ダブルワークはきついと感じる人も多いでしょう。
インセンティブ制度のある職場で働く
インセンティブ制度は、主に美容クリニックや訪問看護などで導入されています。
美容クリニックの場合には、指名件数や売上目標の達成などでインセンティブが付くことが多いです。訪問看護の場合には、一定時間を超えた場合にインセンティブの対象になるケースがあります。
インセンティブ制度があれば、給料が高くなる上に、モチベーションを維持した上で働けるのもメリットです。特に美容業界ではインセンティブが高い傾向にあり、年収800万~1,000万円程度稼げることもあります。
美容クリニックの仕事に興味がある方は、美容看護師専門の転職サイト「ビナラボ」を利用してみてはいかがでしょうか。
ビナラボでは美容業界のプロに無料で相談できるため、転職に対する不安や疑問も解決できます。転職まで手厚いサポートを受けられるので、興味のある方はぜひ相談してみてください。
まとめ
看護師の給料は、規模の大きな病院や私立大学病院などで高い傾向にあります。訪問看護や一般企業なども比較的給料が高く狙い目です。
そして、美容クリニックはインセンティブが付くところが多いのが特徴です。ほかの職場の看護師よりも遥かに高収入を得ている看護師もいます。
また、資格取得や管理職への就任などでも給料は上げられますが、時間がかかり、大幅なアップは難しいです。収入アップを目指すなら、給料の高い職場への転職を検討してみましょう。