レーザー治療や医療脱毛など、肌の状態や見た目を美しくする美容皮膚科は、美容に関心の高い看護師の中でも人気の転職先です。
しかし、美容看護師に転職したものの、辛くて辞めてしまった人の口コミなどをネットで見かけて、美容皮膚科への転職に踏み切れていない人もいるのではないでしょうか。
今回は、美容皮膚科の看護師が辛いと感じる理由をはじめ、美容皮膚科で働くメリットや美容皮膚科の看護師に向いている人を紹介します。
美容皮膚科の看護師が辛いと感じる理由って?
一般病院の看護師から美容皮膚科の看護師に転職した人の中には、辛いと感じて辞めてしまう人もいます。
ここでは、よくある4つの退職理由をまとめました。
一般の看護師の業務と異なる
美容皮膚科では、病気やケガを治療する一般の病院で行うような医療行為は、ほとんど行うことがありません。
これまで一般の病院で培ってきた知識や経験が美容皮膚科では活かしにくく、新たに美容皮膚科での知識や技術を身につけなければなりません。
また、医療の仕事というよりもサービス業に近い側面があるため、患者様との接客や電話応対、クレーム対応、営業など、幅広く業務をこなすことになります。
このように、一般病棟では行わない業務を1から覚えて行うためストレスに感じたり、看護師としての業務以外の対応が辛く感じたりすることが多いようです。
売上目標がプレッシャーになる
美容クリニックの多くは、基本給とは別に売上に対してのインセンティブ制度を導入しています。インセンティブとして報酬を得るためには、クリニックで設定されている売上目標を達成しなければなりません。
ほとんどの美容クリニックがチーム全体での売上目標を設定しており、努力してクリニックの売上に貢献すれば自分の収入につながります。
しかし、人によっては売上目標を達成しなければというプレッシャーが、負担となってしまうこともあります。
土日祝が休みにくい
美容施術を希望する患者様の多くは、休日の土日祝日に来院を希望しています。そのため、土日祝日も営業している美容皮膚科がほとんどです。
平日と比較して土日祝日は患者様が多くなるため、スタッフの少ない美容皮膚科だと休みが取りにくいといえます。
一般的な病院と異なり休みの日が平日となるため、周りと休日が合わず辛いと感じる人も多いようです。
高い接客スキルが必要となる
一般の病院でケガや病気の患者様を対応するときとは異なり、美を追求する患者様と接するため、これまでと違った接客が求められます。
「患者様」という視点に加えて、「お客様」として商品やサービスを安心して購入してもらえるような営業スキルが必須です。
悩みや要望を聞き出し、最適な提案をして信頼してもらえれば、施術の紹介や商品の販売がしやすくなります。
一般の病院から美容皮膚科に転職した場合に、患者様とのコミュニケーションが難しく、辛いと感じる人もいるようです。
美容皮膚科の看護師として働くメリット
辛いと感じる人がいる一方で、美容皮膚科で看護師として働くメリットもたくさんあります。ここからは、美容皮膚科で働くメリットを、4つの項目に分けてまとめました。
夜勤や残業がない
美容皮膚科は、基本的に予約制を導入しているクリニックが多いです。予約で施術を行うため、施術スケジュールが立てやすく残業がほとんどありません。
また、施術も日帰りでできることが大半であるため、入院施設がないクリニックが多く、一般病棟では当たり前の夜勤もないです。
ケガや病気で来るクリニックではないため、急患の受け入れもなく、クリニックの営業時間内で仕事が終わり、プライベートのスケジュールも立てやすいといえるでしょう。
高収入が見込める
夜勤や残業がない美容皮膚科の看護師ですが、一般病棟の看護師と比べて収入が高いのも大きなメリットです。
美容皮膚科は保険診療ではなく、自由診療で行っています。保険診療のように価格が決まっていないこともあり、クリニックの利益に反映しやすいので給与が高い傾向にあります。
また、基本給とは別でインセンティブ制度やを導入しているクリニックも多く、頑張れば頑張るほど給与に反映される仕組みです。
美容に関する知識が身につく
美容皮膚科で働く美容看護師の仕事は、患者様のカウンセリングはもちろん、施術も行うことが多いです。また、化粧品などの販売も任されることがあるため、美容に関する知識は、常に最新のものを知っておく必要があります。
これらの知識は、自身の美容にも役立てることが可能で、美容看護師を辞めたとしても生涯にわたって使える知識です。美容に関心がある人なら、楽しく知識を吸収できるといえます。
社割で施術や商品が試せる
美容皮膚科の多くが、社員割引制度を導入しています。クリニックで行っている施術はもちろん、販売している商品を通常よりも安く試せるのもメリットのひとつです。クリニックによっては、無料で施術を受けられるところもあります。
美容皮膚科は、脱毛やシミ取りなど肌を美しく見せるための施術が一般的ですが、そのほとんどに比較的高い費用がかかるのです。
これらの高価な施術や商品を割引価格や無料で受けられるのは、美容に関心のある人にとって大きなメリットであるといえるでしょう。
美容皮膚科の看護師への転職がおすすめな人とは?
辛いといわれることもある美容皮膚科の看護師ですが、メリットもある以上、転職をおすすめできる人もいます。最後に、美容皮膚科の看護師に向いている人の特徴を見ていきましょう。
美意識の高い人
普段から自身の美容にも強い関心があり、情報収集を自然と行えている人は美容皮膚科への転職をおすすめできます。
美容皮膚科で働けば、より専門性の高い知識が得られるほか、施術が安く受けられる可能性が高いため、メリットを感じやすいのです。
また、美意識の高い患者様のカウンセリングを行う美容看護師は、見た目も重要な基準です。そのため、普段から美意識が高く身だしなみに気を遣える人のほうが挑戦しやすいといえます。
違うスキルも身につけたい人
一般的な病院では行わない施術内容や美容に関する知識、スキルが身につくため、これまでと違ったことに挑戦したいと考える人に美容皮膚科はおすすめです。
施術や販売のスキルに加え、事務作業も多いため、一般の病院では行わないような事務スキルや管理スキルも身につきます。
同じ「看護師」というくくりでも、業務内容がまったく異なるため、ほかの分野にチャレンジしてみたい人には楽しく働ける環境です。
精神的負担を軽減したい人
一般的なケガや病気を治療する病院では、命を預かっているという精神的なプレッシャーが常につきまといます。特に、急患や重症患者を受け入れている病院では、毎日のように人の死に直面することも多いでしょう。
美容皮膚科では、命に関わる施術はほとんどないので、精神的な負担を軽減しやすい環境です。
一般病棟勤務で、このような精神的なプレッシャーを感じている場合は、美容皮膚科での勤務が向いているかもしれません。
ワークライフバランスを整えたい人
入院施設がある一般的な病院では、日勤や夜勤があり生活のスタイルも不規則になりがちです。このような生活スタイルから、日勤のみの生活に整えたい人には美容皮膚科への転職が向いているといえるでしょう。
美容皮膚科では、夜勤がなく残業も少ないため、一般病棟勤務よりも働く時間を減らすことが可能です。勤務時間が減るとはいえ、給与水準は高いため、ワークライフバランスを整えやすい環境であるといえるでしょう。
家族との時間を増やしたい人や、仕事とは別で好きなことにチャレンジしてみたい人には、時間がつくりやすい美容皮膚科勤務はおすすめできます。
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まとめ
美容皮膚科で働く看護師の中には、辛いと感じて辞めてしまう人もいます。しかし、美容皮膚科で働くメリットもたくさんあるため、向いている人が働くと辛く感じることはなく、生き生きと働ける環境でもあります。
まずは、自分の性格や今後の看護師として進みたい方向性をよく考えて、美容皮膚科への転職も検討してみてください。