フリーランスの看護師とは?
フリーランス看護師とは、特定の組織や団体に所属せず、スキルや知識を活かして個人で仕事を請け負う看護師を指します。
政府が進めている働き方改革の推進から医療業界でも働き方の多様化を認める動きが強まっています。そのような背景から、特定の病院に勤務せずにフリーランス看護師として勤務する方が増えてきているのです。
また、フリーランス看護師の意味は幅広く扱われています。例えば、空いた時間に副業として病院の看護師をする場合もフリーランス看護師に位置付けられています。
フリーランスの看護師の働き方
フリーランス看護師の具体的な働き方を見ていきましょう。
アートメイク看護師
アートメイクとは、皮膚の浅い部分に針を使って色素を入れるメイクのことです。眉やアイライン、リップなどに専用の針を使って着色していきます。
ノーメイクの状態でもくっきりとした顔立ちに見せられるので、美容への関心が高い層から一定のニーズがあります。また、洗顔しても落ちることがないため、メイクの時短になるというメリットもあります。
アートメイクは、専門的な技術が必要となるため一般的な看護師と比べて高収入が狙える分野です。人気のアートメイク看護師になれば、遠方からでも顧客が来るため1,000万円以上の年収を獲得する人も存在します。
しかし、継続的に受注するには看護師としてのスキルだけでなく「自己プロジュース力」も勉強していく必要があるでしょう。
また、フリーランスのアートメイク看護師として働く以上、保証やトラブルに関しても自身で対応しなければなりません。リスクマネジメントも、しっかりと勉強しておくことが大事です。
アートメイク看護師に興味がある人は、こちらの記事もご覧ください。
アートメイク看護師に向いている人とは?資格や求められるスキルを紹介!
健診看護師やイベント看護師
学校や企業が実施する定期的な健康診断やイベントなどでも、フリーランス看護師は活躍します。
これらは、毎日行う業務ではなく単発で発生する業務のため、柔軟に勤務ができるフリーランス看護師が重宝されているのです。
フリーランス看護師なら、このような単発で発生する仕事も、都合の良い日に上手く組み合わせながら働けます。
研修や学会の講師・スタッフ
看護を含む医療に関する学会や研修は、全国で数多く開催されています。特定の分野や診療に高い技術やスキルを持っている看護師の場合は、このような学会や研修で講師やスタッフとして働けるチャンスがあるでしょう。
専門分野を極めて、コンスタントに講師の仕事ができれば、高い収入を見込むことも可能です。
医療系ライター
看護師としての知識を活かして在宅で働きたいのであれば、医療系ライターの仕事もおすすめです。
一般的に看護師は、医療現場で患者を相手に看護ケアや処置を行いますが、看護の知識や経験を活かせば、医療系記事のライターができます。
医療系の記事は専門性が高いため、一般的な記事を執筆するライターよりも報酬が多い傾向です。
訪問看護師
これまで訪問看護師になるには、訪問看護ステーションへ就職する流れが一般的でした。近年の訪問看護ステーションでは、登録制を導入してフリーランス看護師が活躍しているところが増えてきています。
主な業務としては、看護が必要な方の自宅へ訪問し、看護を提供します。看護の内容は人によってさまざまで、訪問看護指示書に沿って処置を行うのが一般的です。患者様によっては、長距離移動の付き添いや介助を行うケースもあります。
フリーランスの看護師として働くメリット
看護師が、フリーランスとして働くことのメリットを3つ紹介します。
時間や休みの調整がしやすい
フリーランスの看護師は、自分で受ける仕事と受けない仕事を決められるため、時間や休日の調整がしやすいところがメリットです。
例えば、年間を通して毎日働かなくても時期を絞って集中的に働き、まとまった休みを取ることもできます。また、特定の時間だけ働くという選択もできるため、子育て中で限られた時間しか働けない人でも、看護師としての仕事を続けられるでしょう。
人間関係のストレスが少ない
一般的な看護師のように、ひとつの職場にこだわる必要はないため、人間関係のストレスは少ないといえます。
短いスパンで職場を変えるので、仮に苦手な人や嫌な人がいたとしても契約している期間中の付き合いとして割り切れるので気持ち的にも楽に働けるのです。
また、契約期間が終了すれば人間関係も一旦そこでリセットされるため、深入りせずに付き合えるところも人間関係のストレスが少なくなる要因といえるでしょう。
得意分野を活かして高収入が狙える
病院に勤めている一般的な看護師は、業務内容を選べないことが多いです。苦手な分野であっても、仕事として対応しなければなりません。
しかし、フリーランスの看護師なら自分で仕事を選べるので、得意分野のみに集中して仕事をすることも可能です。
看護にはさまざまな分野があるので、スキルが高ければ交渉次第で高収入が狙えます。
フリーランスの看護師として働くデメリット
フリーランスの看護師として働くメリットがある一方で、デメリットも少なからず存在します。フリーランスとして働くことを検討しているなら、デメリットもしっかりと知っておきましょう。
収入が安定しにくい
フリーランスは特定の組織に所属しないため、収入の保障がありません。契約が満了したあとに、次の仕事が決まっていなければ収入が入ってこなくなってしまうのです。
また、仕事がまとまって稼げる時期と稼げない時期で波があるため、同じ業態だけでなく、複数の仕事を組み合わせて案件を獲得していく必要があります。
自分で仕事を探さなければならない
フリーランス看護師は、待っているだけで仕事が割り振られるわけではありません。定期的に求人を探して応募するか、自ら営業をかけていかなくてはいけないのです。
働きながら次の案件を探すので、常に情報収集は欠かせません。看護師仲間から紹介を受けることも多いため、人脈作りは大切です。
自分のスキルや技術をアピールして、自分で仕事を獲得していかなければならないことから、難しいと感じる人も多くいます。
即戦力が求められる
組織や病院に所属して働く看護師は、長期間継続して働くことが期待されているので、苦手な分野や経験不足の分野でも教育体制が整っています。
しかし、フリーランス看護師の場合は、即戦力を期待されています。仕事を開始したときから一定のスキルや知識が求められるのです。
指導してもらえることがほとんどないので、あらかじめスキルや知識を身につけ、なおかつ積極的に新しい知識や技術も向上させていきましょう。
フリーランスの看護師になるには?
フリーランスの看護師は、看護師免許があれば誰でもなれる一方、基本的なビジネスマナーは必須です。
一定のスキルや知識も求められるため、一旦は一般的な看護師として病院に勤務しながら経験を積むのが良いとされています。
また、契約や確定申告なども自分で行わなければならないため、経理的な知識も身につけておかなければなりません。
はじめてフリーランスの看護師を検討している段階では、さまざまな疑問や不安も出てくるでしょう。
そのようなときは、「一般社団法人フリーランス・副業看護師支援協会」をチェックしてみるのもひとつの手段です。フリーランス看護師のサポートや情報提供を行っているので、活用してみましょう。
仕事の獲得方法は、紹介や営業など人によって多種多様です。まずは、看護師専門求人サイトに登録して、フリーランスとして受注できる仕事を探してみるのをおすすめします。
まとめ
フリーランスの看護師は、時間や休日を自由に決められる反面、収入面では不安定になりやすいです。
しかし、スキルや知識を向上させれば高収入につながるチャンスもたくさんあります。まずは、看護師としての経験を積んで、理想の働き方を目指しましょう。