看護師4年目だけど辞めたい…よくある理由や転職に有利な点を紹介

看護師として4年目になると、新人のころと比べて業務量が増え、責任も大きくなります。この時期は、辞めたいと感じ始める人も多いようです。

今回は、看護師4年目で辞めたいと感じやすい理由や転職事情について紹介します。

看護師4年目で辞めたいと感じやすい理由

看護師4年目になって、辞めたいと思うのはどのような理由なのでしょうか。

自分の看護観を実現できないと思う

看護師歴が長くなってくると、今の仕事と自分のやりたい看護とのギャップを感じる人が増え始めます。

4年目になると基礎的なスキルは身についているので、どのような業務でも支障なくこなせるようになります。

新人のころとは違い、業務自体にも余裕が生まれてくるでしょう。広い視野で業務を遂行できるようになり、精神的にも余裕がでてきます。

そのため、看護師4年目は、自分の仕事や看護観を深く考えるタイミングとして適しています。「夢や希望を掲げて看護師になったのに、理想とはほど遠い仕事をしている」「忙しすぎて、患者様に寄り添えていない」などの不満を感じることもあるでしょう。

余裕ができたからこそ、今のままではやりたい仕事ができないと考え、転職したいと思い始める人もいるようです。

プリセプターをやりたくない

4年目になると、プリセプターやリーダーを任されることが多くなります。メンターとしての業務も増え、マネジメントをしなければならない責任やプレッシャーを重荷に感じることもあるでしょう。

また、新人指導はストレスが溜まりやすい傾向にあるものです。指導する新人によっても意欲に差がみられるので、学ぶ意欲のない新人を教える立場になる可能性もあります。教えても新人が育たなければ、先輩看護師から注意を受けることも考えられます。

責任が増して心身の疲労が増えると、プリセプターなどがない職場に転職したいと考えるようになるようです。

求められる水準が高くなってきた

4年目では役職などにつくことも多くなり、上司から求められる水準が高くなります。委員会活動や研修など、通常業務以外の仕事が増えてくるのもこの時期です。

その分、プレッシャーが増えストレスも溜まります。業務量が増えて、体力的にもつらくなる場合もあるでしょう。

奨学金免除期間が終わったタイミングであるため

3年分の奨学金を借りている場合は、免除期間が終わっています。返済義務がなくなると気持ちが軽くなり、無理をして働く必要もなくなります。

これからのキャリアなどを考えて、このタイミングで一度転職を検討する人が多くなるようです。退職一時金制度がある場合、退職金が受け取れることも理由のひとつといえるでしょう。

看護師を辞めたい…4年目の転職が有利なところ

4年目の看護師は実績がある分、転職活動を有利に進められます。どのようなメリットがあるのか紹介します。

即戦力になるスキルを評価される

経験を積んだ4年目の看護師であれば、即戦力として重宝されます。現場経験のある看護師には知識の蓄積があり、新人のように1から教育する必要がありません。

そのため、雇う側も即戦力として採用しやすいでしょう。新人教育は3年間の病院が多いので、4年未満の看護師に比べて安心して採用できるのも魅力です。

プリセプターの経験が評価される

豊富な臨床経験やプリセプター、リーダーとして活躍していた経験があれば、転職時のアピールポイントにもなります。

新人看護師への教育を期待されるプリセプターは、人に教えることで知識やスキルが定着する一面もあります。

また、新人看護師を通して看護業務を見直すきっかけにもなるため、精神面も成長できるでしょう。プリセプターを任せられることは、一定以上のスキルがある証拠です。転職活動においても一人前の看護師として評価されることが多くなります。

経験・体力・忍耐力が評価される

スキル以外にも、4年間働くとさまざまな経験値が増えます。プリセプターとしての指導経験もプラスに働くでしょう。

看護師の業務内容はハードであり、なかには退職する人もいます。看護師として4年間勤めてきたことで、継続力や忍耐力も評価されます。

また、新卒で看護師として働き始めた場合、4年目になっても20代半ばから後半の人が多いものです。体力も相応にあると思われ、転職先でも期待値が高まります。

4年目の看護師が転職するときの注意点

転職活動を成功させるための注意点を紹介します。

転職先に求めることを考えておく

まずは、転職先に求めることを明確にしておきましょう。転職の理由や目的、条件などを考えて、優先順位を決めておくことをおすすめします。

例えば、福利厚生がしっかりしている、給与水準が高い、日勤のみなどをチェックしておくと、求人の条件を絞り込みやすくなります。

特に、新卒と現在では、仕事に対する価値観も変わっているものです。安易に転職先を決めてしまうと、転職後に後悔することもあるので注意が必要です。

また、前職を辞めた理由を解決しないまま転職をすると、同じ理由で辞めたくなってしまうかもしれません。働きやすい転職先を見つけるために、妥協できない部分を整理し、優先順位を決めておくことが大切です。

4年間の経験を活かせる仕事を選ぶ

4年目は仕事の選択肢が広がり、内定をもらいやすくなります。4年間培った経験を評価してもらえることが多く、雇用側も安心して採用できるからです。

ただし、経験を活かせない職場では、採用されない可能性もあるため気をつけましょう。

とはいえ、専門的に従事してきた分野でなくても、転職先で経験を活かすこともできます。内科病棟から透析室に抜擢されたなど、分野が違っても経験が活きてくる場合もあります。

転職活動をする際は、キャリアの棚卸しをしながら職場を検討すると良いでしょう。

転職理由はポジティブに伝える

転職理由は受け取り方によって、ネガティブにもポジティブにも伝わります。給料が安い、残業が多い、人間関係で苦労したなど、そのまま伝えるとマイナスなイメージを与えてしまいます。同じ理由で辞められるかもしれないと思われることもあるでしょう。

ネガティブ要素があるときは、ポジティブに言い換えて伝えることが大切です。仕事内容に不満があるのなら、ほかの業務にも挑戦し成長したいなど、前向きな理由にすることでカバーできます。

転職理由の伝え方については、以下の記事でも詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてください。

【看護師の転職で多い理由】転職に成功するために知っておくべきことは?

異なる分野にも視野を広げる

大多数の看護師は病院で勤務していますが、就職先が病院だけとは限りません。訪問介護や保育園、一般企業や美容クリニックなどで活躍している人もいるように、看護師には病院以外にも多く選択肢があります。

異なるフィールドで経験を活かしたいと考えるなら、違う分野に挑戦するのも良いかもしれません。

なかには子育てや介護などの家庭の事情や、ワークライフバランスを大事にしたいということから、プライベートの時間を確保したい人もいるでしょう。その場合は夜勤や残業がない職場を選ぶと、仕事とプライベートを両立させやすくなります。

まとめ

看護師4年目は、転職に適したタイミングです。看護師としての基礎的なスキルに加えて、プリセプターやリーダーとして活躍してきた経験が、転職活動を有利に進められます。

ただし、転職理由や条件をなんとなく決めてしまうと、転職後も同じ理由で辞めたくなってしまうかもしれません。4年間の知識や経験は、ほかの分野でも活かすことができるため、幅広く転職先を探してみることをおすすめします。