看護師が転職する方法は?5つの手順や求人の探し方を徹底解説

「思い切って転職したい」と考えていても、転職の方法が分からず二の足を踏んでしまう看護師は意外と多いものです。激務で体力も精神力も使う看護師は、転職活動や情報収集に十分な時間を割けるとは限りません。焦るあまり、ミスマッチのある転職になってしまうケースもあります。

今回は、看護師が転職する方法について解説します。後悔のない転職を叶えるコツや職場の探し方にも触れるので、転職をご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

看護師の転職方法を6つの手順で解説

まずは、看護師が転職する方法を6つの手順ごとに解説します。

「なんとなく転職情報を検索するだけになってしまっている」「何から着手すべきか分からない」という方は、ぜひチェックしてみましょう。

1.転職の目的や条件を整理する

まずは、転職の目的や条件を整理します。具体的には、今の職場の何が不満なのか書き出していきます。

例えば給料に不満がある場合、初任給の高い転職先や人事評価制度が確立しているのある転職先を探すのがおすすめです。また、夜勤や残業が多くワークライフバランスを損ねてしまうことに不満がある場合、安定した勤務時間であるクリニックなどを検討に加えます。

最終的に転職に期待することは何かを可視化できれば、転職の優先順位もつけられます。応募先を選定するときの土台としても活用できるので、事前に取り組んでおきましょう。

2.転職までのスケジュールを立てる

就業規則を確認し、最低でも何ヶ月前に退職の意思を伝えるべきか逆算します。場合によっては引き留めされたり引き継ぎに時間がかかったりすることも考慮しましょう。よほど急ぎの事情がない限り、少し余裕を持ったスケジュールにしておくのが理想です。

転職活動を始めてから内定を獲得するまでの平均期間は、3週間~2ヶ月程度です。在職中の転職活動で応募先となかなかスケジュールが一致しない場合、もう少し長くかかる可能性もあります。

「この日までに応募先を決める」などと細分化しながらスケジュールを立てていきましょう。あくまでもひとつの目安としてスケジュールを活用し、多少ズレ込んでも焦らない気持ちを持つことも大切です。

3.求人探しをする

目的や条件をもとに、理想に近い求人を探します。転職エージェントや求人誌、ハローワークなどで探すのが一般的です。

求人情報を見る際は、労働条件の見方に注意が必要です。例えば「週休2日制」と「完全週休2日制」は似ていますが、実際は違った意味を持ちます。週休2日制は月に1回以上2日休みがとれ、それ以外は週に1日以上休みがあるのに対し、完全週休2日制は毎週2日間の休みがあることを指します。

労働条件を確認するうえで気になる文言があれば、徹底的に調べましょう。

4.求人を比較して応募する職場を決める

求人を比較し、応募先を選んでいきます。優先順位をもとに決めていけば、応募先もある程度絞り込めます。

また、求人情報だけでなく病院のホームページや口コミ、SNSなどさまざまな媒体から応募先の情報を集めましょう。求人だけでは見えない要素を探ることも重要です。

ただし、あまり厳しすぎる条件は設けないようにすることがポイントです。

条件を絞り込みすぎると、転職先に求める項目が多くなります。「希望に合う求人が見つからずいつまでも転職できない」「自分の市場価値以上の条件を加えているのでなかなか選考に通過しない」などの失敗が起きるおそれがあります。最低限求める項目のみを条件に据えて、絞り込むことが大切です。

5.履歴書・職務経歴書を作り面接を受ける

応募先が決まり次第、履歴書・職務経歴書を作成し面接へ進みます。履歴書・職務経歴書は最低限必要なマナーを押さえたうえで、誤字・脱字なく丁寧に作成します。手書きだけでなくパソコンで作成することもできるので、自分にとって作りやすい方法を選びましょう。

志望動機はポジティブな内容を盛り込み、自己PRは簡潔かつ分かりやすさを意識しましょう。強みを伝えるときは具体的なエピソードを添えて伝えると、採用側がイメージしやすくなります。

応募する職場がどのような人材を求めているか調べ、それに合ったアピールができれば選考の通過率も上がっていきます。面接の場では履歴書・職務経歴書の内容と齟齬がないように配慮していきましょう。

6.内定をもらい、退職手続きをする

内定をもらい次第、入職交渉と退職手続きに進みます。

はじめは人事部ではなく直属の上司に伝えることをおすすめします。退職の意思は明確に伝え、退職日や引き継ぎについて交渉していきましょう。

入職交渉の場では、年収・待遇などの雇用条件について書面で確認します。複数の勤務先がある場合は配属先に関する情報も確認し、内定承諾後にミスマッチが生じないよう注意しておきましょう。

看護師が転職先を探す方法

転職先を探す方法として、主に以下のサービスが挙げられます。ひとつの方法に絞るのではなく、自分に合った方法を組み合わせて利用すれば、効率良く転職することができます。

転職方法 特徴
転職エージェント

 

豊富な求人数とプロによるサポートが魅力
職場へ直接応募 直接応募することで、やる気があるとアピールできる
ハローワーク 全国に窓口があり、担当者と対話しながら応募先を探せる
ナースセンター 日本看護協会による運営で、看護師のための求人に特化している

おすすめは、転職エージェントで仕事を探す方法です。プロが求人探しや応募先とのやり取りを代行してくれるため、働きながら理想の職場に出会えるでしょう。

看護師が転職活動するのにおすすめの時期

看護師も他の職業と同じく、転職活動するタイミングによって、採用率や職場の雰囲気が異なります。転職におすすめの時期は、1月・8月・9月・11月・12月です。

1月は年末に離職者が増えやすく、求人数が多いメリットがあります。一方で、年始にかけて応募者は少ない傾向にあり、競争率が低いのも特徴です。

8月と12月はボーナス支給時期にあたり、転職希望者が増えやすいです。転職者数に比例して求人も増えるため、多くの選択肢の中から理想の職場を見つけられます。

9月は下半期の繁忙期に向けて、多くの施設で人員強化が検討される時期です。求人が増えやすく、経歴が浅くても応募しやすいといえます。

11月は、年明けに向けて、採用活動が活発になる時期です。4月を目処に転職を希望している方も、11月ごろからの行動がおすすめです。

看護師の転職時期については、以下の記事でも解説しています。
【看護師の転職】ベストなタイミングとは?おすすめの時期を解説

看護師が転職を成功させる方法

最後に、看護師が理想的な転職に成功する方法を解説します。

職場の詳しい情報や雰囲気を確認する

職場の雰囲気も含め、詳しい情報をリサーチしてから応募するのがポイントです。主にSNSや口コミサイトで職場の雰囲気をチェックしてみるのがおすすめです。

また、看護師の平均年齢・男女比や残業時間数・有給取得率・平均在職期間も確認しておきましょう。職場の情報を集めないまま応募すると、「思っていたような職場ではなかった」と入職後にがっかりしてしまうケースもあるので要注意です。

これらの情報は自力で探すのは難しいため、応募先で知りたい情報があれば、転職エージェントに相談してみると良いでしょう。

転職エージェントを利用する

転職エージェントには、ハローワークや求人誌にはない非公開求人が掲載されています。なかには好条件の求人を扱っているため、自分の希望条件に合った職場が見つかるかもしれません。

また、転職エージェントに在籍しているキャリアアドバイザーは、求職者の適性や強みに合わせて求人をいくつかピックアップしてくれます。応募書類の添削や面接対策などを行ってくれることもあるので、初めて転職する人にもおすすめです。

模擬面接で自信をつけておけば、当日緊張しがちな人でも安心して選考に臨めるでしょう。

病院以外の職場も検討してみる

「看護師=病院勤務」というイメージが根強いですが、実は看護師を採用しているのは病院だけとは限りません。クリニックや訪問介護、介護施設、美容クリニックなど、働ける場所は多岐に渡ります。

特に美容クリニックの場合は自由診療であり、独自で施術料金を設定できるため、収益が直接給料に反映されやすく、高収入も目指せます。夜勤などがなくワークライフバランスを実現しやすいことも魅力のひとつです。

病院以外の求人にも目を向けながら、自分に合った職場へを見つけていきましょう。

まとめ

看護師の転職では、転職する目的やスケジュールの作成から着手するのが最適です。転職活動で成功するためにも、どのようなキャリアを目指したいか、どんな職場が理想的なのか、まずは自分が転職で実現したいことを明確にしてみましょう。