看護師の転職活動において自己分析の必要性を感じているものの、具体的にどうすれば良いか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
自己分析をきちんと行っておくことで、自分の考えや将来のキャリアプランを相手に対して明確に伝えられます。また、応募先に対するアピール力を高めることにも繋がるでしょう。
今回の記事では、看護師が自己分析をするための具体的な方法やコツについてご紹介します。
自分に合った転職先を見つけるために自己分析が必要
転職活動をするにあたって、自己分析が必要な理由は、自分に合った転職先を見つけるためです。
転職先を選ぶ際には、なぜ自分が転職を考えているのか、その理由を明確にしなければなりません。理由があいまいなままでは、前職での不満や悩みを解決できなかったり、ミスマッチが生じたりするおそれがあります。
自分にあった転職先を見つけるためにも、自己分析を通じて希望の働き方や、待遇などの条件をはっきりとさせておくことが大切です。
また、自己分析をすることで、長所や短所が分かります。自分の性質とやりたい仕事と紐づけて伝えることができれば、説得力が増すでしょう。履歴書を書く際や、面接の受け答えにも生かすことができます。
また、迷いなく自分の意志を伝える姿勢は、面接官に好印象を与えるはずです。結果として採用率が高まるといえるでしょう。
【6ステップ】看護師転職に大切な自己分析のやり方
看護師の転職活動における自己分析のやり方を、以下6つのステップに従って解説します。
1.これまでの業務内容や経験を棚卸する
2.現状の不満を明確にする
3.自分の好きな仕事や苦手な仕事を考えてみる
4.キャリアプランを考えてみる
5.転職先に求める条件を明確にする
6.条件に優先順位をつける
紙とペンを手元に用意して一緒に取り組んでみてください。
ステップ1|これまでの業務内容や経験を棚卸する
業務内容や取得した資格はもちろん、看護師の仕事を通じて感じたことなどを棚卸していきます。
勤務先や配属先、そこで得たスキルなどがあれば書き出していきましょう。看護師としての実力がどのくらいあるのか、どのような職場であれば対応できるのかがわかります。
この時、自分に足りない部分が見えるかもしれませんが、そこで落ち込む必要はありません。自分では強みがないと思っていても、他の人から見れば評価されるスキルが誰にでもあるからです。
ステップ2|現状の不満を明確にする
自分が持っているスキルや経験を書き出したあとは、なぜ転職をしたいと思ったのかはっきりとさせていきましょう。現状の不満をできる限り明確に書き出し、自分が何を実現したいのか、どのような職場で働きたいのかを考えることが大切です。
ステップ3|自分の好きな仕事や苦手な仕事を考えてみる
次は自分の好きな仕事や苦手な仕事について考えてみましょう。
人間は「好き」よりも「嫌い」という感情によって行動を起こしやすいといわれています。しかし、嫌いなことを避けようとする一心で自分のしたいことが後回しになってしまっては本末転倒です。
そのため、嫌いな仕事については、どうして嫌いなのかを明確にしたうえで、その仕事は好きな仕事でカバーできないことなのかを今一度考えてみましょう。好きと嫌いのバランスを見極めることで、転職に失敗するリスクを低減できます。
ステップ4|キャリアプランを考えてみる
5年後、10年後の姿を思い浮かべ、自分がなりたい「看護師像」に向けてキャリアプランを考えてみましょう。
ステップ3で考えた「自分の好きな仕事」を軸に据えると、より具体的なキャリアプランを構築するヒントになるはずです。
・回復期での経験を活かし在宅看護を経験したい
・認定看護師を取得して人材育成にも携わりたい
・管理職として病院運営にも参画したい
とはいえ、様々な経験を積むことで目指すプランは次第に変わっていくものです。その中でも大切にしたい「軸」を決めておくことで、ブレないキャリアプランを考えられます。
ステップ5|転職先に求める条件を明確にする
自分の置かれている状況をもとに、転職先に求める条件を明確にしましょう。転職先の就業条件とプライベートのバランスが取れなくなってしまうと、次第に仕事が辛いものになってしまいます。
どのような職場であれば自分が生き生きと働けるのか、どのようなキャリアプランを積んでいきたいのか、ここまで書き出してきた想いをもとに条件を整理していきましょう。
ステップ6|条件に優先順位をつける
残念ながらすべてが自分の理想に当てはまる職場というのは、まず存在しません。そこで、転職先に求める条件の中でも「絶対に譲れないこと」は何か考えます。希望条件の中で、優先順位をつけて考えることが大切です。
・子どものお迎えに行かなければいけない→時短勤務を許してくれる職場
・友人や家族との時間を優先したい→休暇や有給取得の数が多い職場
・お金に余裕のある生活がしたい→前職よりも給料UPを期待できる職場
転職時に優先したい条件を明確にしておくことで、自身のライフスタイルにあった転職先を選べるようになります。
看護師転職で自己分析をするときのコツ
ここでは、看護師転職で自己分析をするときのコツを2つご紹介します。
なぜ?を深堀りする
効率的に自己分析をするためにも、ひとつひとつの事柄に「なぜ?」と問いかけて問題提起を行いましょう。その問題ごとに「なぜ?」を数回繰り返すことで、根本にある価値観や原因にたどり着けるようになります。
特に今抱えている不満に対しては、深堀りをすることが大切です。たとえば、「やりたい仕事ではない」といった不満を抱えていた場合、「そもそもこの業務内容の仕事を選んだ理由はなんだったのか」といったように、そこに隠れている背景まで探りましょう。
同じように、「高い給与が魅力で選んだ」となれば、「給与が少なくてもやりたい仕事ができるのか」と考える必要があります。不満が業務内容なのか給与面なのか、一番の問題点がどこにあるか突き詰めることが大切です。
客観的な意見も聞いてみる
自己分析の悩みを解決するに当たって、「客観的な意見を取り入れる」ことも大切です。
たとえば親に聞くのであれば「私(僕)ってどんな子どもだった?」、同僚であれば「私(僕)のことで記憶に強く残っている思い出ってある?」などと聞くとよいかも知れません。その際、唐突に聞くのではなく転職活動をするうえで自己分析が必要だと目的を話すように心がけましょう。
また、看護師の転職活動を成功させるには、自己分析以外にもいくつかポイントがあります。以下の記事で詳しく紹介しているため、ぜひチェックしてみてください。
看護師から他職種への転職!おすすめの職場7選と転職先の選び方!
まとめ
今回の記事では、看護師の転職における自己分析の方法についてまとめてみました。
自己分析は、転職後の失敗を防ぐことにつながります。求める条件を明確にさせるだけでなく、優先順位をつけましょう。
新卒のときと同様、転職の際も自己分析が重要です。一定期間社会を経験したからこその気づきや変化があります。自己分析や他己分析を通して、今一度自分自身と向き合う時間を作ってみましょう。