医療業界にいると、医療訴訟の話題はよく耳にします。
実際に当事者になった時、医師はどう対応すべきでしょうか?
また、訴訟となるとどのような結果になるのでしょうか?
これらは、医師ならば誰でも知りたい情報です。
医療訴訟対策として最低限知っておくべき情報には、何があるのでしょうか?
目次
医療訴訟対策で知るべき情報~①医師側に厳しい判決がほとんど~
医療関連のトラブルは、長年の経験がある医師でも予測できない場合があります。
同業者からすると、「これは予測できない」という事例も多いでしょう。
しかし、様々な要因が重なった結果、被害を受けたのは患者さんです。
結果論ではありますが、被害が出た以上は医師の立場が弱くなるのは免れません。
従って、裁判所の判断として、7~8割の事例では医師に責任があると判断されています。
医療訴訟に発展すると、ほぼ責任を認めざるを得ません。
もちろん、医師側もいざという時に備えて、専用の賠償責任保険に加入していることがほとんどです。
保険に加入していることで、金銭的な問題は解決できます。
医療訴訟対策のポイントは、上記の事情をふまえた上で、いかにトラブル対応をするのかが重要になるでしょう。
簡単に言うと、トラブルが発生した時点から、適切な対応、行動ができるのかがカギになります。
医療訴訟対策で知るべき情報~②刑事訴訟に発展する事例もある~
医療訴訟で多い内容は、ほとんど民事訴訟で対応されます。
従って、賠償をしっかりと行うというのが、医師としての最大限の対応になります。
一方で、事例によっては民事訴訟で済みません。
刑事訴訟として、扱われることもあるのです。
刑事訴訟に該当する事例には、薬剤量の取り違いや種類の間違いがあります。
過去の事例の中には、ミスで抗がん剤を10倍投与してしまった内容がありました。
患者さんへの影響は計り知れません。
ちょっとした管理ミスや指示ミスで、命に係わることが理解できるでしょう。
さらに近年は、手術中の手技ミスでも刑事責任を問われてしまった事例がありますので、1つの事例に限定されません。
賠償金を支払うだけでは、解決しない問題も出ているのです。
被害者救済の視点から考えると、当然の結果とも言えます。
しかし、医師の視点から考えると、業務上のリスクは間違いなく高くなっているでしょう。
医療訴訟対策として上記の現状は、様々な業務に当たる上でもしっかりと頭に入れておくべきです。
参考URL
(https://www.tkc.jp/igyou/manage_support/manage_labor_legal/006655/)
まとめ
今回は、医療訴訟対策のために知っておくべきことをお話ししました。
医療トラブルによる訴訟は、規模に関わらず年々増えています。
ちょっとしたミスやトラブルであっても、訴訟に発展するものだと考えておくべきでしょう。
さらに、訴訟に発展した場合は賠償金の対応だけでなく、刑事責任が問われることも免れません。
医療訴訟を得意とする弁護士を味方につけながら、真摯な対応ができるように体制を整えましょう。