バリアフリーリノベーションに適したクリニックの建物とは?


高齢の患者さんが訪れる機会の多いクリニックにおいて、建物のバリアフリー化は欠かせません。
また、すでにクリニックを開業している場合、バリアフリーリノベーションを実施し、さらなる利便性の向上を図るべきです。
今回は、バリアフリーリノベーションに適したクリニックの建物における特徴を解説します。

目次

バリアフリーについて

主に高齢者の方が建物を利用する中で、障壁(バリア)となるものを除去(フリー)することをバリアフリーといいます。
また、そのような障壁を除去することを目的とした増改築がバリアフリーリノベーションです。
ただし、どのような建物でもバリアフリーリノベーションができるのかというと、決してそういうわけではありません。
そのため、クリニックを開業する際は、後々バリアフリーリノベーションがしやすいかどうかを見越して、物件を細かくチェックする必要があります。

バリアフリーリノベーションに適したクリニックの建物の特徴

では、バリアフリーリノベーションに適したクリニックの建物には、どのような特徴があるのでしょうか?
具体的には以下の通りです。

・エレベーターが広い
・段差が少ない
・自動ドアを採用している
・廊下の幅が広い
・間仕切り壁が撤去できる
・水回りを移動させられる
・床下のスペースが広い
・バルコニーの床の高さを変更できる

エレベーターが広い

バリアフリーリノベーションに適したクリニックの建物には、エレベーターが広いという特徴があります。
なぜなら、たとえ待合室や診察室をリノベーションできたとしても、エレベーターが狭く、介護者付きで車椅子の方が乗れないような広さであれば、快適な利用は実現できないからです。
また、広さだけでなく、手すりが付いているかどうかも大きなポイントです。

段差が少ない

バリアフリーリノベーションに適したクリニックの建物は、さまざまな動線における段差が少ないです。
身体が不自由な方や車椅子の方にとって、段差は天敵です。
例えば、建物前の道路からエントランス、駐車場からエントランス、エントランスからエレベーター、エレベーターから各フロアへの段差がない物件はとてもおすすめです。

自動ドアを採用している

エントランスに自動ドアを採用している建物も、バリアフリーリノベーションに適していると言えます。
自動ドアであれば、身体が不自由な方でも楽に出入りできるからです。
逆に、手動で開閉するタイプのドアは、お年寄り等にとっても介護者の方にとっても不便なものとなるでしょう。
特に、風の影響でドアが重くなってしまう物件は要注意です。

廊下の幅が広い

廊下の幅が広い建物も、バリアフリーリノベーションに適しています。
具体的には、車椅子で通れるだけの十分な幅がある物件です。
たとえ待合室や診察室のリノベーションができても、毎日のように通る廊下が不便であれば、利用する際に支障が出てしまいます。

間仕切り壁が撤去できる

室内の間仕切り壁が撤去できる物件は、バリアフリーリノベーションに適しています。
つまり、ラーメン構造の物件です。
間仕切り壁を撤去することができれば、お年寄りや障害者の方が生活しやすくなるよう、間取りを比較的自由に変更できます。
一方、壁式構造の物件は、床や壁、天井で建物を支えているため、基本的には間取りの変更ができません。

水回り設備を移動させられる

バリアフリーリノベーションに適したクリニックの建物は、水回り設備を移動させられるという特徴も持っています。
トイレなどの水回り設備を移動させることができれば、バリアフリーな間取りを設計する際の選択肢が広がるため、ここは抑えておきたいところです。
ただし、構造上移動が可能でも、建物の管理規約によって制限されているケースがあるため、必ずその点は確認しておきましょう。

床下のスペースが広い

床下のスペースが広い建物も、バリアフリーリノベーションには適していると言えるでしょう。
逆に、床下にあまりスペースがない物件は、水回りと廊下の間にある段差をなくすことができない可能性があるため、注意が必要です。
わずかな段差が、高齢の患者さんを不便にしてしまうことも考えられるため、こちらの点も忘れずにチェックしましょう。

バルコニーの床の高さを変更できる

バリアフリーリノベーションに適しているクリニックの建物には、バルコニーの床の高さを変えられるという特徴もあります。
バルコニーが存在する複数階の建物の多くは、室内とバルコニーの境目に段差があり、こちらの段差を取り除くことも、大きなバリアフリーリノベーションの1つだと言えます。

まとめ

バリアフリーリノベーションを前提としたクリニックの建物の建築や購入には、これだけ多くのチェックポイントがあります。
もちろん、すべての特徴を網羅しているクリニックを建築、購入しなければいけないとは言いませんが、少しでもリノベーションしやすい物件を選ぶことは大切です。
間違っても、購入後にリノベーションできないと気づくようなことはないようにしましょう。


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