美容クリニック経営者はNPS®と顧客満足度の違いを把握しておこう


美容クリニックを経営する上で、顧客満足度を意識していることは多いでしょう。
しかし、最近では顧客満足度の他に、NPS🄬を意識するところも増えています。
中には、この2つがどう違うのか分からないという経営者もいるでしょう。
美容クリニック経営者なら、この2つの違いは把握しておくべきです。
どう違うのか、解説します。

目次

顧客満足度と並ぶNPS🄬

日本の企業は、昔から顧客満足度を大切にしてきました。
これは、企業の商品を購入、もしくはサービスを利用した顧客が、その商品やサービス、ひいては企業にどのくらい満足しているかを測る指標です。

利用者は、その感想やまた購入・利用したいかどうか、改善して欲しい点はあるかなど、アンケート形式で回答して企業へと意見を伝えます。
より多くの意見が欲しい企業の場合は、そのアンケート回答に対して粗品をプレゼントすることもあります。

顧客満足度が高い企業は、リピーターも多く一定の売上を確保しやすい状況となります。
そうして、顧客満足度が高いことをアピールすることで新規顧客を獲得しやすくなるのです。
クリニックの場合、顧客満足度ではなく患者満足度といいます。

しかし、近年は多くの企業で顧客満足度と並んで、NPS🄬という指標も重視するようになりました。
これは「Net Promoter Score」の略で、日本語では顧客推奨度などの意味になります。

NPS🄬では、企業ロイヤリティを測ることができます。
クリニックであれば、患者がクリニックのサービスや商品に対してどれだけの愛着を持ったのかを示すものです。

そして、NPS🄬の重要な点は、クリニックのサービス等を周囲の家族や友人にお勧めしたいかどうかを測ることができるという点です。
スコアが高いほど、周囲にお勧めしたいと思ってもらえているということが分かるのです。

NPS🄬のスコアは、お勧めしたいかどうかを患者に0~10の11段階で答えてもらいます。
そして、0~6の場合は批判者、7~8は中立者として、9~10と回答した人は推奨者としてカウントします。

この中で、中立者に関してはノーカウントです。
具体的なスコアは、推奨者の割合から批判者の割合を引いたものがスコアとなります。
例えば、推奨者が48%、批判者が22%だった場合、スコアは48-22=26となるのです。

このスコアが高ければ高いほど、患者は他の人にサービス等をお勧めしたいと思っているということになり、その分クリニックに愛着を持っているということを示します。
そして、クリニックはそのスコアを基にして、スコアを更に上げるにはどうしたらいいか、といった対策を考えることができるのです。

2つの違いについて

顧客満足度とNPS🄬は、似ているようで大きな違いがあります。
いくつかの違いはありますが、特に大きな違いは指標が何を示しているかという点です。
どう違うのか、解説します。

顧客満足度が示しているのは、自分がそれを使って満足できたかどうかです。
これが高ければ、その回答者は再び同じようにサービスを受け、商品を購入する可能性が高くなります。

つまり、顧客満足度は顧客がリピーターとなるかどうかを示しているものです。
クリニックでも、リピーターの確保は安定した経営に不可欠であり、新規患者を獲得するよりも簡単ではあるので重要な点といえるでしょう。

ただし、顧客満足度に関してはサービスを解約した人の8割が「満足」と回答していたという調査結果もあるため、それほどあてにならないかもしれません。
満足と答えたからといって、リピートしてくれるとは限らないのです。

それに対して、NPS🄬の場合は周囲の人にどれだけお勧めしたいかどうかです。
もちろん、自分で満足できないものを他人に勧めることはあまりないでしょう。
しかし、満足してもらうことができ、さらに他人にも勧めたいと思ってもらえるのであれば、そのお勧めした相手がクリニックを利用してくれる可能性が高くなるでしょう。

NPS🄬の場合は、新規患者を獲得する目安となります。
患者にリピーターとなってもらうのはもちろん、そこからさらに周囲の人へと宣伝してもらい、新しい患者を獲得することができるのです。

クリニックの安定経営にはリピート患者が重要ですが、売上を拡大するには新規患者を増やすことも大切なのです。
通常、新規患者を増やすにはWeb広告やSNSマーケティング、キャンペーン等様々な施策が必要で、そのコストもかなり掛かるのですが、紹介ならコストはほとんどかからないでしょう。

また、顧客満足度の場合は企業やクリニックがそれぞれ設問を用意しているため、単純に同業他社とスコアを比較することができません。
スコアの他に、設問の違いを考慮しなくてはいけないのです。

しかし、NPS🄬の場合は設問の内容がある程度決まっているため、同業他社と比較することができます。
その結果を見て、自院の改善に努めることもできるでしょう。

まとめ

顧客満足度とNPS🄬は、似ているようで大きな違いがあります。
特に、クリニックの経営に関係が深いのはNPS🄬です。
また、顧客満足度はリピーターとなるかどうかを測ることができる指標ではあるものの、満足と答えてもリピーターとなってくれるかどうかは分かりません。
その点、NPS🄬は企業の愛着度を測る指標でもあるため、高いスコアの回答ほどリピーターとなる可能性が高く、他の人を紹介してくれる可能性も高くなるのです。


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