医師の労務管理はどうするの?労基法の基本を理解しよう


医師であっても法律的には一般企業の労働者と同じように労働基準法という法律の保護を受け、健康な生活を維持するために労働の調整を行わなければいけません。しかし、実際にクリニックを経営する主体である医師は法律についての専門的な知識を持っているというわけではなく、ある程度の基礎知識を身につけなければ法律に違反することになってしまいます。医師の労務管理の基本を理解しておきましょう。

目次

1労働基準法とは

労働基準法というのは労働者全体を守るためにある法律で、労働者が受け取る賃金についての保護や、労働者が健康的に生活をするために受けるべき法的な保護を明記した法律です。

この法律の中で決められていることは必ず全経営者が守らなければならず、特に給与に関する問題や休暇・残業代などの問題をしっかりと理解しておかなければ労働基準監督署の指導が入り場合によっては営業を差し押さえられてしまう可能性すらあるのです。しっかりと注意するようにしましょう。

2労働基準法の基本の36協定とは

労働基準法第36条には「労働者は法定労働時間(1日8時間1週40時間)を超えて労働させる場合や、休日労働をさせる場合には、あらかじめ労働組合と使用者で書面による協定を締結しなければならない」と定められています。このため、この法律に則って、時間外の働き方や給与について定められている規則の事を36協定と言います。この36協定は非常に重要な規則で、この規則を結んでおかなければ残業や休日出勤が時間外労働とみなされてしまうので、注意しなければいけません。

医師は法定内労働時間である1日8時間、週に40時間を優に超える働き方を課されることが多く、この36協定についてしっかりと対処しなければ法的に不利な立場に立ってしまいます。クリニック経営者は注意しておきましょう。

3これも労働に入るの?

さて、労働時間の解釈というのは非常に重要なもので、どのタイミングから労働とみなされるのか、どのような働きが労働になるのかをしっかりと理解しておかなければいけません。

労働というのはたとえ患者さんの治療を行っていなくても法的には労働とみなされてしまうことがあり、参加義務があるカンファレンスへの出席や、急な対応で休日に呼び出されてしまった時も全て労働時間とみなされます。労働関連の法律が近年注目を浴び、病院に対する労働基準監督署の指導も厳しくなりつつあります。人を雇う時には注意が必要です。しっかりと基本的な知識を身につけるようにしましょう。


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