持分を証明する書類は登記簿謄本だけではダメなのか?


「法人」とは、社会において活動をする組織団体で、法律によって権利を認められているものを指します。この法人には株式会社、労働組合、私立の学校などのさまざまな種類があります。この法人の1つに「医療法人」があります。この医療法人は創設時に出資者からの出資があるかどうかといった持分の有無で分けることができます。
医療法人で出資持分があるケースでは、相続する場合はその出資持分に対して相続税が課税されます。これは病院の経営を次の世代へ受け渡す事業承継においてはとても大きな問題となってしまうのです。この出資持分のある「社団医療法人」とは、定款においいて出資持分に関する規定のある医療法人のことを指します。
※定款…会社を運営するにあたり、必要なルールを定めたもの。すなわち会社内で適用する法律。病院の創設時に作成しておく義務がある。

この出資持分がある社団医療法人においては、この出資分が相続財産に該当するため、相続の対象となります。

目次

○出資金額の証明に関する問題

ここでは持分のある医療法人のよくある問題について解説します。平成19年3月以前に設立した持分のある医療法人が、都道府県の労働局から出資金額の証明ができる書類の提出を求められるケースがあります。
登記簿謄本には病院における資産の総額が記載されていますが、出資した金額とは異なるために証拠書類とはなりません。また、決算書と法人税申告書には出資金が記載されていますが、決算書は法人自身が作成した資料であり、この法人税申告書も自分で申告した書類であるために出資金額を証明する証拠書類にはならない場合があるのです。それでは、出資持分のある医療法人が出資金額の証明をするにはどの書類を用意すればよいのでしょうか?

○医療法人設立認可申請書をチェック

持分のある医療法人の出資金額の証明ができる書類としては、平成19年3月以前に設立した出資持分のある医療法人の場合、病院創設時に都道府県へ「医療法人設立認可申請書」を提出しているはずです。この中に「出資申込書」という書類があります。この出資申込書には出資者から出資された金額が明記されており、出資者からの実印も押されているはずです。この「医療法人設立認可申請」は都道府県の審査を通過した上で認可を受けているため、病院自身が作成した資料ではないのです。
医療法人設立における登記の際に病院設立時の資産総額を登記します。この設立時の資産の総額と医療法人設立認可申請書の出資申込書に記載されている資産金額は同額となります。都道府県が認可した出資金額は登記簿謄本に登記されています。出資申込書と登記簿謄本があれば出資金額を証明する書類となるのです。


この記事に関するお問合わせ

    お名前 *

    メールアドレス *

    メールアドレス(確認用) *

    お問合せ内容 *