高齢の開業医にとって、跡継ぎがいないことは大問題ですよね。
ですが、この問題は開業医の親族だけでなく、周囲の人々にも大きな影響となってしまうのです。
たかが跡継ぎがすぐに見つからないだけで…、と軽く見てはいけません。
開業医だけでなく、その地域の人々に跡継ぎの不在はどのようなダメージを与えるのでしょうか?
目次
“開業医の跡継ぎ不在＝廃院“の決定がすぐにできない理由
高齢になった開業医にとって、跡継ぎが不在であることは、少なからず“廃院”を検討せざるを得ない要素になります。
高齢になっても現役で活躍している人もいますが、やはり体力的な面から厳しい場合もありますよね。
ですが、すぐに廃院する、という選択ができない事情もあるのです。
廃院するとなると、従業員の退職金を用意したり、廃業に当たって様々な手続きをしなければなりません。
さらに、使っていた機器の処分をする場合、物によっては費用がかかりますよね。
つまり、開業時だけでなく、撤退時も高額な費用が必要になると言っていいでしょう。
診療科の特性や経営状態にもよりますが、廃院費用に1000万円以上かかる場合があります。
ですので、廃院という選択は、状況によってリスクになり得ると思って下さい。
そう考えると、色々な手段を使ってでも、跡継ぎになり得る人を探した方が、経営的にかかる負担を明らかに軽減できそうですよね。
親族以外でも跡継ぎが欲しいというのには、このような視点が少なからず関わっています。
開業医が跡継ぎ不在で引退してしまうと、地域医療はどうなる?
先程は、経営的な事情から開業医にとって跡継ぎが必要な理由を説明しましたが、もう一つあります。
それは、地域医療が無くなることによって、患者さんの安心感がなくなってしまうことです。
私たちは、家の近くや住んでいる地域に通える病院があると、何かあった時にはそこに行けば良いと安心できますよね。
ですが、信頼できる病院がどんどん減ってしまうと、どう思いますか?
頼れる医師がいない、病院がなくなるため、どこに行けばいいのかと困ってしまいますよね。
特に、病院がなくなったために遠方の方へ出向かないといけない状態は、世代を問わず困ってしまうでしょう。
緊急時に頼れる場所が地域にないというのは、地域社会において致命的なのです。
患者さんへの医療サービスを確保するという視点から、何とかして跡継ぎを探したいと思っている医師は今も多いでしょう。
参考URL幻冬舎ゴールドオンライン
(https://gentosha-go.com/articles/-/20812)
まとめ
開業医にとって、医療サービスの提供は重要です。
ですが、開業医の後に地域を任せられる跡継ぎが不在となると、いつ医療サービスが途切れてしまうのか、地域住民に不安を与えてしまいます。
そのため、早い段階で跡継ぎを探すというのは、とても大事な仕事になるでしょう。
現在は、親族同士に限らず、事業承継等多様な方法で廃院を回避する方法がありますから、様々な方法を視野に入れて考えるといいですね。
