2020年度は、遠隔診療が大きく進んだ1年でした。
関連する内容には、診療報酬の設定が大幅に変わったことが挙げられるでしょう。
ですが、現在の条件でも厳しい、改善してほしいと考えている医師もいますよね。
今回は、遠隔診療における診療報酬設定の背景について解説したいと思います。
目次
遠隔診療の診療報酬の設定をおさらい
まずは、議論になることが多い、遠隔診療の診療報酬の設定について、現在はどうなっているのかを確認しましょう。
2020年度に認められた診療報酬には、「初診料」の設定が認められたことが大きな話題になりましたよね。
初診に関しては214点という形になっていますので、収益的な面から見ても助かるという医師も多いでしょう。
その一方で、対面で診療を行う場合の点数を、今一度確認してみましょう。
対面での診療を行う初診の場合は、288点という設定がされていますよね。
パッと見た時に、どちらの方の点数が高いのかは明らかでしょう。
対面診療での初診の方が、多少ですが点数が高くなっていますよね。
同じ初診という扱いであっても、対面なのか、遠隔なのかによって差が出ています。
この事情は、遠隔診療の普及にまだまだ影響してくる要因になるでしょう。
遠隔診療自体の診療報酬の考え方とは?
ところで、上記のような遠隔診療と対面診療の初診時の診療報酬に差が出ている理由は、何なのでしょうか?
この疑問を解決するポイントは、遠隔診療自体の考え方にあります。
2020年度の場合は、コロナの状況から急務で認められた内容が多いですが、基本的には遠隔診療であっても対面が求められますよね。
つまり、100%遠隔で診療ができる訳でないことが理解できるでしょう。
遠隔診療について検討している医師ならば、その理由は分かりますよね。
遠隔診療で対応できる範囲は決まっていますし、何より対面でないと分からない治療や診察があります。
それに対応するとなると、何かしらのタイミングで対面での診療が求められるのは当然のことだと言って良いでしょう。
診療報酬の設定に課題が残るという背景には、そもそもの制度設計の考え方が絡んでいるのです。
もちろん、急いで議論され運用されている部分もありますから、今後の動向によっては見直しがされる可能性があるでしょう。
初診時の設定だけを見ても、色々な議論があったことが伺えますね。
まとめ
今回は、遠隔診療における診療報酬設定の背景について解説しました。
初診時の点数設定が対面診療よりも低いというのは、遠隔診療が劣っているからではありません。
そもそもの制度設計上、対面診療があってこそ利用できる仕組みになりますから、高く設定されているのは当然なのです。
ですが、今後の状況によっては、また変更がある可能性もありますから、いつでも対応できるようにしておきたいですね。