【2021年版】後継者不足だけでない病院のM&A~近年多い経営難事情に迫る~


病院でM&Aで代表的なのは、後継者不足の問題です。
これを解決するには、とっておきの方法です。
しかし、M&Aを視野に入れる病院には、経営上の問題を抱えていることも少なくありません。
特に、近年は経営難の結果、行動している病院が増えています。
今回は、経営上の背景を含め、M&Aについて解説します。

目次

病院経営とM&A~グループ化を視野に入れる~

病院の経営事情が悪化し、M&Aを視野に入れる内容には、診療報酬の引き下げが関係しています。
現在までの医療業界の動向として、人件費が増加したり、設備投資にかかるコストが上がったりと出費の方が多くなっています。
もちろん、その出費に対抗できるような収益がある場合は、そもそも問題になりません。

しかし、全ての病院では対応できません。
さらに、まだコロナ禍の状況は続いていますから、人件費の維持さえ厳しい病院もあるでしょう。
このような状況では、一病院単独での経営が厳しいのは簡単に予想できます。

従って、「グループ化」という選択肢で、生き残りをかけようと考えている病院が増えているのです。
特に、業界大手や地域大手の病院、企業と連携できると、資金面の不安を解消しやすくなります。
病院を維持するという選択肢としては、一般的になりつつあるのです。

病院経営でM&Aに転じることが多い最大の理由

さらに、上記の内容以外にも、病院がM&Aを検討する理由があります。
それは、施設の老朽化や修繕です。
一般的に、経営困難、医師不足というのはよくある内容なのですが、施設面の問題も避けては通れません。
特に、築年数の古い建物だと、修繕だけでも高額な費用が必要になります。

仮に、経営上大きな問題がなくても、修繕費等を捻出するのが厳しいことが、近年増えているのです。
業務の根底になる建物の問題の解決は、お金でしかできません。
その結果、比較的資金力がある社団法人等に、病院事業を譲渡する事例が増えているのです。

現在、経営上の困りごとはなくても、老朽化問題は避けて通れません。
その時に、現在の経営状態で修繕費等を賄うことができるかと言えば、いささか疑問です。
資金を、早い段階から準備していく必要があるのです。
業務や経営面に集中してしまうと、この問題を見落としてしまいます。
これは大きな病院だけでなく、個人経営であっても注意すべき内容です。

まとめ

今回は、病院のM&Aにおける背景を解説しました。
一つは、収益と出費のバランスが取れなくなり、経営難の影響からグループ化の選択肢を視野に入れている場合です。
もう一つは、経営がさほど問題なくても、建物の老朽化に対応するだけの資金力がないことで、資金面のサポートを得たい場合も少なくありません。
経営が厳しい状況や要素が多い今だからこそ、現状の経営状態をしっかりと確認しておきましょう。


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