クリニックなど、何らかの事業を経営している場合はその収支をまとめなくてはいけません。
クリニックの場合、その収支にはどのような項目があるのでしょうか?
また、注目するべき項目はどこなのでしょうか?
クリニックの収支に関して、解説します。
目次
クリニックの収支
クリニックの収支は、大きく分けて医業収入と変動費、粗利益、固定費、事業所得、所得税・住民税、借入金返済日、可処分所得などの項目に分けられます。
この中で、更に細かく分かれます。
医業収入には、保険収入と自費収入があります。
保険収入は、診療報酬を保険組合に請求し、支払われた分です。
自費収入は、患者負担分の収入のことです。
変動費というのは、診療に使われる材料費や薬品の費用などです。
開業したばかりの頃は、この費用が多くなる傾向があります。
医業収入からこの変動費を差し引いた金額が、粗利益となります。
固定費には、クリニックのスタッフの給与などの人件費や地代・家賃・駐車場代、機器等のリース料、広告宣伝費、減価償却費等が含まれます。
実際のクリニックの収支では、この分類に当てはまらないその他の経費が最も多くなることも珍しくありません。
粗利益から、固定費を差し引いたものが、事業所得になります。
ここから所得税・住民税や借入金の返済を差し引いて減価償却費を加えたものが、正式な収入となる可処分所得になるのです。
クリニックの収支で注目する点
クリニックの収支を見る時、注目するべきなのはどの点でしょうか?
様々な項目がありますが、注目するべきなのはその中で変動が大きい点です。
まずは、医業収入に注目しましょう。
医業収入は、そのままクリニックの収支に大きく影響するため、前年比で減っているようならその原因を考えなくてはいけません。
また、保険収入に対して自費収入の割合が増えていると、保険適用外の治療や保険に加入していない人の治療が増えているということなので、注目しなくてはいけません。
次に注目したいのが、固定費です。
これは、決まった金額がかかるものなので、収入以上に増えているようなら無駄がないかを確認してみましょう。
併せて、変動費もチェックするといいでしょう。
そして、何よりも経営者の収入になる可処分所得の変動が気になるでしょう。
初年度は赤字になることも多いのですが、経営が落ち着いてくると徐々に増えていく事も多いため、なるべく増やせるよう無駄を削り、クリニックの収支を安定させましょう。
まとめ
クリニックの収支は他の事業と似ている所も多いのですが、独自の項目などもあるので全く同じように見ることはできません。
実際にクリニックの収支をまとめたら、どこをどう見ればいいのか確認しながらチェックしていきましょう。
特に、固定費に無駄があるといつまでも損をし続けます。
固定費を中心に、改善できるポイントがあれば改善していきましょう。