嘱託医の採用を検討するクリニックは、その人物を採用することで、どのようなプラスがあるのかを考えなければいけません。
また、プラスの効果について考えるのであれば、どのような人材を嘱託医として採用すべきなのかについても、ある程度把握しておく必要があります。
今回は、こちらの点を中心に解説します。
目次
クリニックが嘱託医として採用すべき人材の特徴5選
高齢などの理由により、一度クリニックを退いた医師を、嘱託医として再雇用するケースは少なくありません。
このようなケースにおいて、クリニックが採用すべき人材の特徴としては、主に以下の通りです。
・コミュニケーション能力が高い
・思いやりがある
・向上心がある
・適用能力が高い
・体力がある
コミュニケーション能力が高い
嘱託医に限ったことではありませんが、医師にはコミュニケーション能力が必須です。
ここでいうコミュニケーション能力とは、患者さんが求める情報をわかりやすく伝える力だけでなく、患者さんの意図を汲み取る力、合意点を見つける力などを指しています。
もちろん、コミュニケーション能力は同僚の医師や従業員に対しても発揮されるものであり、クリニックという組織において孤立するようなタイプでないかどうかも、採用選考を行う際にはチェックする必要があります。
思いやりがある
クリニックが嘱託医として採用すべき人材の特徴としては、思いやりがあることも挙げられます。
患者さんに対し、思いやりを持って接することができる嘱託医は、患者さんの心を開き、クリニック全体の信頼度アップに貢献してくれます。
また、同僚の医師や従業員に気配りができる嘱託医も、クリニックが一丸となってチーム医療を提供するためには欠かせない人材です。
嘱託医の採用選考時には、面接時のマナーや口調などから、思いやりを感じる人材かどうか見極める必要があります。
向上心がある
先ほど、クリニックの嘱託医は、一度現役を退いた医師が務めるケースが多いという話をしました。
このような医師は、医療現場での豊富な経験があり、なおかつ技術も優れていることが多いため、若い医師の見本としての役割が期待できます。
また、「もう一度医師としてスキルアップを目指したい」「若い医師には負けられない」といった強い向上心を持つ嘱託医を採用することで、クリニックの組織力の底上げにもつながります。
このような向上心があるかどうかは、面接時の自己PRや志望動機などでチェックしましょう。
適用能力が高い
嘱託医は、常勤医よりも勤務時間、勤務日数が短い非常勤医師です。
そのため、以前所属していた人材であったとしても、現在の環境に適用するまでには、ある程度時間がかかることが予想されます。
このとき、自身が常勤医として勤務していたときのルールや常識などをリセットし、素早く新たな環境に適用できる嘱託医は、即戦力としての活躍が期待できます。
また、嘱託医の中には、複数の病院やクリニックで勤務する医師もいるため、職場ごとに違う環境や注意点をうまく切り替えられるかどうかも、重要なポイントです。
すでに嘱託医として複数の医療現場で勤務し、ある程度の勤続年数を重ねている人材などは、適用能力に優れている可能性が高いです。
体力がある
医師は体力を求められる職業です。
嘱託医の場合、常勤医のように急な呼び出し、オンコールなどがないとは言え、週2~4日程度の勤務を問題なくこなせる体力があるかどうかは、採用選考時に必ずチェックしなければいけません。
特に、高齢の医師を嘱託医として採用する際には、勤務日数や時間、業務内容などを細かく伝えた上で、体力的に問題がないかどうかについて、本人にも確認を取っておく必要があります。
嘱託医として採用すべきではない人材
クリニックが嘱託医として採用すべきではない人材は、以下のような特徴を持つ人材です。
・人の意見を聞き入れることができない
・労働環境を最優先としている
・仕事に対する雑さがある
ある程度経験も知識も持っている医師を嘱託医として雇用できたとしても、その人物が協調性に欠けた人物である場合、クリニックは組織としてまとまらず、チーム医療に支障をきたす可能性があります。
また、嘱託医はある程度ワークライフバランスを取ることができる契約形態ではありますが、勤務日数や勤務時間、給与のことばかり気にする人物は、嘱託医として雇用することに一抹の不安があります。
その他、常勤医ではないことを理由に、仕事に対する丁寧さを欠いているような人材も、患者さんの命を預かるクリニックには適していません。
まとめ
ここまで、クリニックが嘱託医として採用すべき人材の特徴を中心に見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
嘱託医はクリニックにおいてとても頼りになる存在ですが、相応しくない人物を採用してしまうと、院内の団結力や患者さんからの評価は悪化するおそれがあります。
そのため、たとえ早急に人材確保をしなければいけない局面であっても、採用選考は慎重に行わなければいけません。