【2020年版】医療法人化の有無によって、継承時にクリニックの雇用引継ぎが変わるのか?


近年、高齢世代の開業医にとって、自分の後継者を探すことは大きな課題になっています。
その際に、医療法人化していると、クリニックの雇用引継ぎはどうなるのでしょうか?
また、法人化していない場合は、必要な手続き等があるのでしょうか?
スタッフさんにも関わることですから、重要ですよね。
早速、見ていきましょう。

目次

医療法人化したクリニックを、雇用引継ぎする場合

医療法人化しているクリニックの場合、継承時に残っているスタッフの雇用はそのまま引き継がれることになります。
そのため、特別な事情がない限りは、経営者が変わったとしても、雇用契約が無くなるということはありません。
その理由は、雇用主の考え方にあります。

クリニックが医療法人化した場合、雇用主は経営者本人でなく、法人格を獲得した「医療法人」のそのものになります。
私たちの感覚では、雇用主がいないと感じてしまいますが、法律上はしっかりと設定されているのだと考えて下さい。
これを前提に考えると、経営者の交代があったとしても、雇用主の交代にはなりませんよね。
そのため、雇用に関しては、今まで通り働くことができるのです。

スタッフさんの立場から見ると、自分たちに何か影響があるという要素にはなりにくいでしょう。

医療法人化していないクリニックで雇用引継ぎをする場合

ここで、医療法人化していないクリニックで、継承を行う時の雇用引継ぎを考えてみましょう。
医療法人化していないということは、所謂個人事業主として、医師が経営を行っていることを示しますよね。
つまり、雇用主=経営者という認識になると思って下さい。

これを踏まえて、継承時の手続きを考えると、経営を継承するということは、経営者が後退することを意味します。
そのため、スタッフさんから見ると、雇用主が変わるということになりますよね。
雇用主が変化するということは、法律上、現在のスタッフさんの雇用を引き継ぐ義務が発生しないことになります。
ほとんどの医師は、スタッフさん探しの手間が省けるということで、そのまま雇用を引き継いでいることが多いでしょう。

上記の場合は、先程解説した医療法人化している場合とは違い、改めて雇用条件を提示し、それに合意があった上で仕事をしていくことになります。
雇用主が変わるため、改めて確認する作業が必要になるでしょう。

ここまでの流れで、継承をするにあたり、医療法人化しているかどうかは雇用手続きに関わることが、ご理解頂けたかと思います。

まとめ

継承時、医療法人化しているかどうかは、クリニックの雇用引継ぎをする上で大切な情報になります。
かかる手間暇がそれぞれ違いますから、その後の経営にも影響が出ますよね。
さらに、どちらの場合でもあっても、雇用条件を見直すという機会が出てきますから、スタッフさんの待遇の見直しに繋げられるでしょう。
いずれにせよ、経営にはスタッフさんの力が必須ですから、よりよい関係作りの手段とも考えて下さい。


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