病院勤務の看護師と美容看護師では、仕事の内容が大きく変わります。美容看護師への転職にあたって不安を感じている方もいるでしょう。
美容看護師への転職を成功させるには、どのような資格があると良いのでしょうか。美容看護師を目指す方向けに、必須の資格と取得していると良い資格を紹介します。
美容看護師になるには看護師免許が必須
美容外科クリニックなども含め、医療機関で看護師として働くには、看護師の免許が必須となっています。美容看護師も看護師としての業務を行うことになるためです。
看護師資格には、国家資格の正看護師免許と、都道府県認可の准看護師免許の2種類があります。
正看護師と准看護師の業務の法律上の位置づけの違いは、准看護師が医師や歯科医師または看護師の指示を受けて業務を行わなければならないのに対して、正看護師は看護師としての業務を行うのに指示を受ける義務がないことです。
独立して療養上の世話や補助ができることなどから、正看護師免許の方が業務上の選択肢の幅を広げられます。
美容看護師の業務に活用可能な資格5選
美容看護師として働くには、正看護師か准看護師、いずれかの資格が必須だと紹介しました。このほかに必須な資格はありませんが、取得しておくと、自分次第で入職後の業務に活かせる資格があります。ここでは、美容看護師の業務に役立つ5つの資格を紹介します。
認定エステティシャン
認定エステティシャンの資格は、一般社団法人日本エステティック協会、一般社団法人日本エステティック業協会のそれぞれの制度で取得できます。
AJESTHE認定エステティシャン
AJESTHE認定エステティシャンは、日本エステティック協会の認定資格です。
資格を取得するには、エステティシャンセンター試験の合格、施術経験(1年以上の実務経験、認定校での300時間以上のコースの修了または1000時間以上のコースの修了、いずれかを経験)、協会の正会員になること、の3つの要件を満たす必要があります。
取得までの流れとしては、まず認定校に入学するのが第一です。300時間以上のコースか、CIDESCO国際認定校を含んだ1000時間以上コースを選択して入学します。1年以上の実務経験がすでにある場合は入学の必要はありません。
次に、エステティシャンセンター試験です。施術経験が300時間以上コース、実務経験1年以上の場合は試験を受験し合格する必要があります。1000時間以上コース受講の場合の試験の受験は任意です。
試験に合格した後は、協会に入会して正会員となることで認定エステティシャンの資格を取得できます。
AEA認定エステティシャン
AEA認定エステティシャンは、日本エステティック業協会が認定する資格です。資格を取得するためには、まず、AEA認定校で300時間相当のコースを修了するか、1000時間相当のコースを修了するか、実務経験を積む必要があります。
一定以上の実務経験を積むか認定コース修了のいずれかの条件を満たした後、筆記と実技の認定試験を受験し、合格後に登録申請して資格取得する流れです。
なお、AEA認定エステティシャンの資格は、基礎資格と上位資格に分かれます。300時間相当コース修了か実務経験1年以上のときは基礎資格、1000時間相当のコース修了か実務経験2年以上のときは上位資格の受験が可能です。
日本化粧品検定
日本化粧品検定は、日本化粧品検定協会による、化粧品についての幅広い知識を認定する文部科学省後援の認定試験です。
1級から3級まであり、3級は美容の基礎を問う内容、2級は美容皮膚科学を中心とした内容、1級は化粧品の中身や成分のほか化粧品に関するルールなどの専門的知識を問う内容になります。
いずれも、エビデンスに基づく正しい化粧品についての知識を得られるのがポイントです。就職や転職先での業務、キャリアアップ、日常生活、さまざまな場面においての活用を期待できます。
美容薬学検定
美容薬学検定は、内閣府認定の薬学検定事務局が主催する資格試験で、美容に関する薬学の知識レベルを客観的に評価するものとなっています。
化粧品やサプリメント、健康補助食品の販売に関わる人の知識レベルの確認や美容アドバイザーとしてのアドバイスの幅を広げるためなどに活用されている資格です。美容分野に関する知識があるということで、第三者へのアピールポイントにもなります。
なお、受験にあたって、必要な要件は設けられていません。年齢、学歴、職歴を問わず、誰でも受験できます。応募要項に細かな定めがないため、チャレンジしやすい資格といえるでしょう。
スキンケアアドバイザー
スキンケアアドバイザーは、日本スキンケア協会が認定する資格試験です。個々人に適した化粧品選びやスキンケア方法を正しく提案できるプロフェッショナルのことをスキンケアアドバイザーといいます。
化粧品会社スタッフや化粧品販売員だけでなく、エステティシャンや看護師など幅広い業種の人が取得している資格試験です。
具体的には、化粧品に関する理論、肌の構造や働き、肌タイプ、化粧品の成分、薬機法など幅広い知識を習得できます。
また、学習の範囲は、皮膚科学や化粧品科学だけにとどまらず、商品販売のテクニックや会話術、接客のポイントまでカバーしているのが特徴です。
資格取得は、日本スキンケア協会が実施する講座でテキストから学習を行い、テキストの内容を振り返る形で課題レポートを仕上げ、協会に提出する流れとなります。レポートが不合格の場合は再提出、合格の場合は認定登録料と年会費を支払い、認定証を得て資格取得する流れです。
協会が実施しているスキンケアカウンセラーやスキンケアフェイシャリストとのダブル受講、またはトリプル受講もできます。
スキンケアについて、化粧品に関する知識から皮膚科学に関する知識まで修得できるため、美容業界でのステップアップや転職後の知識を活用したい人などにぴったりです。
サプリメントアドバイザー
サプリメントアドバイザーは、サプリメントの成分や機能を正しく理解し、サプリメントや健康食品の摂り方などをアドバイスできるプロフェッショナルです。日本ニュートリション協会の認定資格があります。
協会の実施するサプリメントアドバイザー養成講座を受講して取得する流れです。平均学習時間は6ヶ月(受講期間は原則1年)で、テキストの内容に沿って学習を進めていきます。
同養成講座は、First stageとSecond stageの2段階に分かれているのが特徴です。First stageを受講して問題集に回答し、添削を受けて合格後に、Second stageに進める仕組みになっています。
Second stage受講後、First stageのように問題集に回答して添削を受け、すべての課題に合格することで資格の取得が可能です。完全通信教育制のため、指定の学校に通うことなく、自宅などから受講して資格取得できます。
美容看護師には接客スキルも求められる
ここまで美容看護師になるための必須資格と、自分次第で美容看護師転職後に活かせる5つの資格を紹介してきました。資格はもちろんあった方が仕事の幅が広がりますが、資格だけでなく、接客スキルも重要です。
病院勤務の看護師とは異なり、美容皮膚科のほとんどの診療は自由診療となっています。治療プランを開始するにあたり、患者様に安心してもらい診療を進めていくには接客の重要性は高いです。
特に、患者様の不安を取り除く点で、美容外科においても精神的なサポートが求められます。
また、患者様からの指名やコスメ販売の売上が給与に反映される美容クリニックも珍しくありません。美容看護師として働くためにも、そして転職後にしっかり給与に反映してもらうためにも、接客スキルをしっかり身につけておく必要があるでしょう。
学生時代などに接客系のアルバイト経験などがあると、その経験を活かすことができます。
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まとめ
美容看護師への転職を成功させたいなら、資格や接客スキルなど自身の知識やスキルを向上させるだけでなく、求人情報を十分に集める必要があります。美容看護師の求人を専門に扱っているところでお仕事を探すのがおすすめです。
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