デイサービス看護師の仕事内容は?メリット・デメリットも詳しく紹介

看護師の資格を活かして働ける職場のひとつにデイサービスがあります。クリニックや病院とは異なる環境のため、仕事内容についてよくわからず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

今回は、デイサービスに勤務する看護師の仕事内容、またデイサービスで働くことのメリット・デメリットについて紹介します。

デイサービスとは

デイサービスの仕事内容について考える前に、まずはデイサービスとはどんなところなのかみていきましょう。

デイサービスとはどんな施設?

デイサービスの正式名称は、「通所介護」です。自宅での生活に支援が必要な高齢者や障害を持つ方をサポートするサービスです。身体的な介助、社会的な交流、リハビリテーション、レクリエーション活動など、多岐にわたる支援を提供します。

具体的には、食事や入浴のサポート、健康管理、認知症のケア、趣味やスポーツ活動、教養や芸術に関するプログラムなどがあります。

デイサービスの種類

デイサービスにはさまざまな種類があり、事業所によってサービスの特徴が異なります。代表的なデイサービスは以下のとおりです。

・「機能訓練特化型」

利用者の身体機能の維持や回復を目指した訓練を提供するデイサービスです。専門的なトレーニングやリハビリテーションのプログラムを組みます。具体的な活動としては、筋力トレーニング、バランス改善、歩行訓練、認知機能トレーニング、手先の運動訓練などを実施します。

・「趣味特化型」

カラオケ、囲碁、将棋、麻雀、編み物、絵画など、利用者の趣味や嗜好を取り入れたデイサービスです。また、観光地に行って旅行のような雰囲気を味わってもらうサービスを提供している事業所もあります。

・「認知症対応型」

認知症の方を専門としたデイサービスで、運動やレクリエーションなどを通して認知症の方が自立した生活を送れるように支援します。

・「もてなし型」

一般的なデイサービスと違った見た目、サービスを提供しているのが特徴で、例えば高級ホテルや温泉旅館、居酒屋などを想わせる外観のデイサービスがあります。

また、マッサージチェアーなどを設置して、サービスそのものでおもてなしを提供している事業所もあります。

デイサービスの種類が増えてきた背景には、利用者の多様なニーズが挙げられます。利用者がより自分らしい生活を送るための選択肢が増えているのです。

デイサービスとデイケアの違い

デイサービスと混同されやすいサービスにデイケアがあります。いずれも日帰りで施設に通うものではありますが、次のような違いがあります。

デイサービスは食事や入浴といった生活介護を目的としており、利用者が自宅で自立した生活を送れるようにサポートすることを目指した介護サービスです。

一方の身体機能の回復や維持、認知機能の改善を目的としたリハビリテーションなどの医療的ケアが受けられるサービスです。病院などの医療機関、介護老人施設で提供されるもので医師が常駐しています。

デイサービス看護師の仕事内容

デイサービスへの転職を考える場合は、デイサービスで働く看護師の仕事内容についても確認しておきましょう。

仕事内容を把握せずに転職すると、想定していた業務内容ではなかったとの理由で、早々に退職することになりかねません。

デイサービスで働く看護師はどんな仕事をしているのか、具体的な仕事内容を紹介します。

健康管理

利用者の健康管理全般を行うのは看護師の仕事です。

看護師は到着時にバイタルチェックを行い、利用者の1日の様子を観察して看護記録に残します。また、薬を服用している利用者の服薬管理や口腔ケア、応急処置、家族への健康指導を行うことも求められます。

医療行為のサポート

デイケアと異なり、デイサービスには医師が勤務していないため、点滴や採血、ケガの治療などの医療行為は行いません。ただし、インシュリン注射や褥瘡・創部などの処置といった医療行為は看護師が対応します。

また、施設内でケガや体調不良といった緊急事態が発生した際には応急処置を行い、医療機関へ連絡します。

介護スタッフのサポート

看護師としての資格が求められる仕事に加えて、介護スタッフのサポートを行うこともあります。

例えば、食事や入浴、排泄の介助をしたり、リハビリの補助などをサポートしたりします。

事業所によっては、看護師が機能訓練指導員として勤務する場合もあります。その場合は、作成された個別支援計画にしたがって、利用者の機能訓練を支援しなければなりません。

デイサービスで働くメリット

デイサービスで働くことには、以下のようなメリットがあります。

・日勤のみで勤務時間が固定されている

一般的な病院勤務の看護師だと夜勤や不規則なシフトが付きものですが、デイサービスだと日勤のみで毎日同じシフトで勤務することができます。家事と仕事を両立させたい方、プライベートの時間を確保したい看護師にとって働きやすい職場といえるでしょう。

・基本的にゆったりとした職場が多い

病院のように急患が入ってくることはなく、命の危険などの場面に直面することもほぼないので、ゆったりとした雰囲気で働けます。

・精神的に安心感がある

重篤な患者さんなどへの処置・治療が必要となる病院だと、患者さんの最期を看取ることもあり、精神的な負担は大きいものです。その点、デイサービスだとそうした負担は少なく、リラックスして働けます。

デイサービスで働くデメリット

デイサービスで働くことにはデメリットもあるので、転職を決める前に確認しておきましょう。

・病院勤務の看護師よりも給料が少なめ

拘束時間が短めで夜勤もないため、病院勤務の看護師と比較すると給料は安い傾向があります。しっかりと稼ぎたいと考えている看護師だと、給料面での不満が生じる可能性は否定できません。

・医療スキルの向上は期待できない

デイサービスでは基本的に治療行為を行わないことから、看護師が行う医療的な業務は限られています。医療スキルを十分に発揮したい、医療スキルを伸ばしたいと感じている看護師にとっては、物足りない職場となるかもしれません。

・雇用の安定感が欠けるおそれがある

デイサービスは小さな企業や法人が運営しているケースもあり、病院勤務と比較すると雇用の安定感が欠けることも考えられます。運営状況によっては規模を縮小したり、デイサービス事業から撤退したりすることもあるため注意が必要です。

デイサービスの看護師に向いている人の特徴

どのような人がデイサービスの看護師に向いているのでしょうか。向いている人の特徴を紹介します。

・高齢者とかかわるのが好きな人

デイサービスの利用者は高齢者なので、高齢者と接したり、コミュニケーションをとったりするのが好きな人に向いています。

・老年介護の分野に興味がある人

デイサービスに勤務する看護師は、医療技術を用いる業務よりも介護業務にかかわる機会が多いです。高齢者の介護に携わる仕事に興味がある人にも、ふさわしい職場といえるでしょう。

・体を動かすのが好きで、体力にある程度の自信がある人

デイサービスに勤務する看護師は介護業務にも携わりますし、機能訓練やレクリエーションなどで体を動かす機会が多くあります。体を動かすのが好きで、比較的体力がある人だと安心です。

まとめ

超高齢化社会にあって介護分野で働く看護師の需要は高まっています。デイサービスでは医療スキルを発揮するシーンは多くはないものの、看護師にしかできない業務も多く、看護師のニーズは大きいといえるでしょう。

本格的な転職を考えているなら、本記事で紹介した仕事内容、またデイサービスで働くことのメリット・デメリットなどを参考に適性を判断してみてください。