看護師は常に患者と向き合い、寄り添った看護が求められます。そのため日々のストレスが蓄積して心身ともに疲弊してしまうことも。そのような状況で職場の人間関係によるトラブルを経験すると、「人間関係に疲れた」と感じる看護師もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、看護師が人間関係で悩みを抱えたときの対処法を紹介します。
看護師が人間関係に疲れたと感じやすい理由
まずは、人間関係に疲れてしまう原因を探してみましょう。漠然な疲労感の理由を具体的に把握することで、適切な対処法を見つけることができます。この項目では、人間関係に疲れやすい理由を4つ紹介します。
仕事が忙しすぎる
看護師が人間関係の悩みを抱えやすい理由のひとつとして、業務量の多さが挙げられます。職場によっては一人ひとりにかかる負担が大きいことがあります。
仕事が忙しく、心に余裕をもてなくなることもあるのではないでしょうか。同僚への対応がそっけなくなったり、部下や後輩への指導が冷たくなったりして、人間関係がギスギスしてしまいます。精神的なストレスがたまると感情的になりやすく、トラブルが発生することも増えます。
プレッシャーを感じる業務が多い
看護師は患者と身近な存在です。生死に関わることもあるため「ミスができない」とプレッシャーを感じて、精神的に疲れてしまうこともあります。
また、歴が長い看護師だと、担当する患者が増えたり、新人の指導をしたりと責任のある業務を任されることも少なくありません。いずれも緊張感をもって業務にあたるため、日々の積み重ねから、人間関係に疲れてしまうこともあります。
先輩や同僚に女性が多い
令和2年に厚生労働省が実施した、看護師の男女比率の調査では、男性は全体の8.1%です。看護師の職場は女性中心といえます
女性が多い職場で話題の中心になりやすい結婚や恋愛について触れられたくない方もいます。気を遣う話題が多く、人によってはネガティブな感情が生まれることもあります。
出典:厚生労働省「令和2年_衛生行政報告例_就業医療関係者_概況」
職場環境が閉鎖的になっている
小規模な職場では人間関係が閉鎖的になりやすいです。その中で性格が合わない上司や同僚がいると、相談できる人もおらず、ストレスを感じてしまうこともあります。
また、職場環境によっては先輩看護師の主張が通りやすいといったケースもあります。とくに新人看護師は排他的に感じてしまい、より人間関係に疲れてしまうでしょう。
看護師が人間関係に疲れたときの対処方法
ストレスや疲労感が蓄積すると仕事に集中できなくなるだけでなく、心身に悪影響をおよぼすおそれがあります。そこで、職場の人間関係に疲れたときに試してほしい対処法を紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
気分転換やストレス解消になることをする
休日は「家で過ごしている」という方は、気分転換に外出することをおすすめします。外に出ると、風や香り、周辺の音や四季の季節を感じられるので、気分転換になります。
また、体調が良いときはショッピングやカラオケでストレスを発散してみたり、岩盤浴や温泉でゆっくりしたりしましょう。
休みを取ってリフレッシュする
思い切って仕事を休むのも、疲れた心を癒すのに効果的です。しっかり体を休めてリフレッシュすれば、心の余裕を取り戻すのに役立ちます。
人手不足やシフト制のローテーションで自分の都合では休みにくいからといって、無理をすれば体を壊してしまいます。有給休暇などを活用して、一度仕事から離れてみましょう。
誰かに愚痴を聞いてもらう
人間関係の悩みやイライラは、一人で抱え込んでいても解決しません。疲れたときは自分だけで解決しようと考えるのではなく、誰かに愚痴を聞いてもらいましょう。
心にため込んだ思いを言葉にすると、すっきりします。また、話すと気持ちの整理がつき、良い解決方法が見つかる可能性もあります。自分の話を肯定してくれる身近な友人や家族を相手に選び、つらい気持ちを吐き出すと良いでしょう。
同業者の友人や知人なら、看護師ならではの悩みを共感してもらえます。
異勤を希望する
複数の診療科がある病院勤務の場合は、異動を申し出てみるのも良い方法です。限られた人間関係が疲れの原因なら、部署が変われば職場の雰囲気が一新して、働きやすくなるかもしれません。
今の環境から離れてみれば、悩みどころだった人間関係を客観的に見つめられます。嫌な思いをした経験を教訓に、新しい部署で頑張るのもひとつの手だと考えましょう。
転職も視野に入れる
異動ができない場合は、転職も視野に入れて検討しましょう。声をあげて職場に問題提起し、改善するのが理想とはいえ、自分の力だけで人間関係を変えるのは難しいものがあります。
改善が難しい場合は、転職して環境を変えることも大切です。手に職である看護師は、再就職に困ることはほとんどありません。職場の人間関係に疲れたときは無理をせず、自分に合った新しい環境を探しましょう。
人間関係に疲れた看護師におすすめの職場3選
転職で今の人間関係から解放されるとはいえ、どんな職場でも良いというわけではありません。安易に転職先を選んでしまうと、また同じような悩みが現れるおそれもあります。
人間関係に疲れた看護師におすすめの転職先をみていきましょう。
1.クリニック
人間関係の悩みで転職するならクリニックを選ぶのがおすすめです。医師、看護師、医療事務を担当するスタッフとのチームワーク連携がとりやすく、良好な人間関係を構築しやすいでしょう。
日曜祝日が休みのクリニックを選べば時間的に余裕ができて働きやすいといえます。クリニックは医師の方針によって職場の雰囲気が左右することもあるため、アドバイザーが在籍している転職サイトに登録して事前に雰囲気を確認するのがおすすめです。
2.訪問看護
訪問看護の職場もおすすめです。利用者の自宅に一人で訪問する仕事なので、看護師同士の関わりが最小限で済みます。患者様に寄り添って、より身近で看護をしたいという方にはぴったりの仕事です。
訪問看護は職場内の人間関係は気楽でも、一人で利用者に対応するため、判断力が求められる仕事です。そのため、より高度な知識や技能を身につける必要があります。責任感は大きいですが、やりがいがあるといえるでしょう。
3.美容クリニック
美容クリニックは患者様と1対1で接する時間が長く、病棟と比べて時間的なゆとりがあります。そのため、スタッフ一人ひとりが精神的な余裕を持ちやすく、人間関係のトラブルが起きにくいといえます。また、夜勤や残業が少ないので、プライベートの時間を確保しやすいでしょう。
美容クリニックの仕事は求人が限られるため、専門の求人サイトを活用するのがおすすめです。「ビナラボ」は美容業界に精通したアドバイザーが在籍し、スムーズな転職をサポートいたします。
職場の人間関係に疲れて転職を検討している方や、美容クリニックの仕事に興味がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
看護師の仕事はやりがいがあるものの、人間関係で疲れていると楽しさや充実感を得られにくいものです。看護師の仕事を続けたいけれど悩みの解決が難しい場合は、転職も視野に入れましょう。
転職を検討する場合は、少人数のところやスタッフ同士の関わりが少ないところを選べば、人間関係に悩みにくいといえます。職場によって雰囲気は異なるため、自分に合ったところを選びましょう。