高齢者の生活をサポートする有料老人ホーム。やりがいの大きい仕事ですが、自分のキャリアプランを見直し、辞めたいと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
今回は、有料老人ホームを辞めようか悩んでいる看護師の方に向けて、辞める判断基準や転職におすすめの職場をご紹介します。キャリアを見直す際の参考にしてみてくださいね。
有料老人ホームを辞めたい…働くのが辛くなる理由は?
有料老人ホームで働く看護師が辞めたいと思うのはなぜでしょうか。まずは、よく挙げられる転職理由を4つご紹介します。
医療措置のスキルアップが難しい
介護付有料老人ホームは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、看護師が配置されている職場のなかでも、比較的介護度の低い方が多い職場です。そのため、高度な医療処置が必要になるケースがほとんどありません。
一見楽なようにも思えますが、医療処置の技術は看護師にとって大切なスキルです。その点、処置スキルが向上しにくいことがデメリットに感じる方も多いようです。
また、有料老人ホームに勤めている看護師は限られており、小規模施設でほかに看護師がいない場合、先輩から教わる機会がありません。スキルアップの面から有料老人ホームでの勤務が物足りなくなり、医療の現場へと戻るケースも多いです。
責任が重く感じられる
有料老人ホームは、医師の配置義務がありません。施設によっては看護師の配置数も少ないため、医療的な判断や対応をひとりで考えなくてはいけないこともあるでしょう。
実際の現場には緊急時のマニュアルが整備されており、介護職員をはじめ多くの方と協力体制が取れるよう人員を配置しています。現場にいる看護師ひとりに責任や負担が偏らないよう配慮されていますが、現場の看護師のなかには利用者様の命を左右する判断に責任の重さを感じる方もいるようです。
オンコール勤務がある
有料老人ホームの施設によっては、オンコール勤務があります。そのぶん夜勤がありませんが、緊急の際の呼び出しに備えなくてはなりません。食事中や入浴中であっても呼び出される可能性があり、ゆっくりと休息をとれないことで「辞めたい」と感じる人もいます。
状況によって介護業務のサポートをしなければならない
施設の人員配置やその場の状況によっては、看護師が介護職員のサポートとして、食事や入浴介助などの介護業務を担うこともあります。
病院看護師の業務内容にも患者の介助が含まれていますが、医療行為ではない仕事の量が多くなることに抵抗感や不満を抱く人もいるようです。
また、介護業務には体位変換やおむつ交換など、体力を求められる仕事が多いため、なかには身体に支障をきたしてしまい、転職を検討する看護師もいます。
有料老人ホームで看護師が働き続けるメリットとは
有料老人ホームでの仕事内容や働き方に不満をもち、「辞めたい」という人が多いようです。しかし、中にはやりがいをもって働いている人がいるのも事実でしょう。
辞めることを決意した後で後悔しないためにも、有料老人ホームで働くやりがいについて改めて考えてみることも必要です。ここからは、有料老人ホームで働くメリットについて3つ解説します。
介護施設としては給与水準が高く、福利厚生が充実している
有料老人ホームは、介護施設のなかでも給与水準が高い傾向です。夜勤に入れば手当がつくので、さらなる給与アップを目指せます。
また、民間企業が運営しており、福利厚生が充実している施設も多いです。とくに大手事業者が運営しているケースでは、資格取得支援や昇給制度が設けられており、キャリアアップを目指しやすい環境が整っているでしょう。
キャリアアップが目指せる
各施設に配置される看護師は多くありません。しかし、複数の施設を運営しているところであれば、今いる施設を超えて施設長やエリアマネージャーなどを目指すことも可能です。
また、人事制度がきちんと定められている施設であれば、役職を目指すキャリアプランも立てやすいです。将来のキャリアに幅広い選択肢を持てるでしょう。
長期的な看護を経験できる
利用者様が日常生活を健やかに過ごせるよう、長期的なサポートができるのは有料老人ホームで働く大きなメリットです。治療を優先しながら、入院期間中の看護を行う病院看護士との大きな違いといえるでしょう。
利用者様一人ひとりに寄り添い、必要なサポートをしながら予防ケアを行っていくことにやりがいを感じられる方は、有料老人ホームでの勤務が向いています。
日勤のみでも働ける
有料老人ホームでは、看護師の夜間常駐を義務付けていません。そのため、日勤のみの働き方も可能です。夜勤のある仕事に体力的な辛さを感じている方にもおすすめできます。
仕事のやりがいとプライベートの充実を両立しやすいのが大きな魅力です。
有料老人ホーム看護師を辞めるか続けるかの判断基準
有料老人ホームで働くメリットを踏まえても、今後のキャリアに迷うことがあるでしょう。このまま働き続けたほうがいいのか、辞めたほうがいいのか、と悩んだ場合は、以下の判断基準を参考にしてみてください。
キャリアプランが実現できるか
ひとつ目の判断基準は、理想のキャリアプランが実現するかどうかです。
キャリアプランは、昇給やキャリアアップがすべてではありません。将来どんな業務を担いたいか、どこにやりがいを見出したいか、プライベートとのバランスはどうかなど、理想とするキャリアプランはその人によって異なります。
まずは自分のなりたい姿を想像し、今の仕事がキャリアプランの実現につながるかを考えてみましょう。もし自分のビジョンと異なっていれば、転職を視野に入れるべきです。
体調に影響が出ていないか
ふたつ目の判断基準は、このまま仕事を続けても体に負担がかかりすぎないかです。
仕事にやりがいや楽しさを感じていても、体調を崩すほど負担となっているのなら長期的に働くのは難しいでしょう。
このまま無理を続けると生活に支障が出るおそれもあるため、自分のペースに合った働き方ができる職場への転職をおすすめします。
労働環境の改善が見込めるか
3つ目の判断基準は、現職の労働環境に改善の見込みはあるかどうかです。
職場環境や待遇などに不満を感じている場合、まずは悩んでいた気持ちや要求を上司などに打ち明けてみましょう。もしかしたら状況が良くなるかもしれません。
それでも、今以上の改善が見込めない場合は、条件に合う職場への転職も視野にいれることをおすすめします。
有料老人ホームから転職するなら!おすすめの職場3選
看護師が働ける職場は幅広いため、どこに転職していいのか悩みますよね。ここからは、有料老人ホームからの転職を検討している方に、おすすめの転職先を3つご紹介します。
外来看護師
外来看護師は、入院ではなく診察や治療を目的とした方に対応します。個人病院やクリニックなどの多くは、診療時間を日中のみとしており、夜勤やオンコールがありません。規則正しい時間帯で勤務できるのが大きな魅力です。
また、有料老人ホームとは異なり介護業務はありませんが、小さな個人病院のようにスタッフの人数が少ない職場では、細かな事務業務を担っている場合があります。電話対応や雑務などが苦にならない方には外来看護師がおすすめです。
デイサービス
デイサービスは、自宅にいる利用者が日中に通う介護施設で、看護師の勤務時間も日勤のみとなっています。また、比較的残業も少なく、プライベートを充実させたい人にも向いています。
デイサービスでは日常生活の介護や機能訓練、レクリエーションの企画・実施などが業務の中心となるため、高度な医療行為は基本的に行われません。医療処置のプレッシャーがなく、落ち着いて仕事ができるでしょう。
美容クリニック
美容クリニックとは、美容医療を行う医療機関(主に美容外科や美容皮膚科)を指します。美容医療の市場は今後拡大していくといわれており、今後が期待できる業界です。実際に、美容クリニックで働く看護師のニーズは年々高まっており、案件が豊富に揃っています。
多くの美容クリニックでは、インセンティブ制度が取り入れられています。毎月の給与のほか、スタッフの働きぶりや売上目標の達成などによって、追加の報酬がもらえるため、給与アップを狙えます。
美容クリニックのインセンティブ制度については以下の記事で詳しく解説しています。
「美容看護師の給与は?インセンティブやノルマなどについて徹底解説」
また、夜勤がなく、規則正しい勤務ができるため、プライベートの予定を立てやすいのも魅力です。
もし美容看護師に興味があれば、業界に特化した転職サポートを利用しましょう。美容医療業界に特化した転職支援サービス美容看護師(ナース)専門の転職サイト「ビナラボ」では、今の働き方や、したいことを詳しくヒアリングし、求職者に合った美容クリニックの求人をご紹介しております。
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看護師の転職については、こちらで解説しています。
「看護師転職のおすすめ相談先3選!転職相談でよくある質問にも回答」
まとめ
有料老人ホームでの勤務は、長期的に利用者様をサポートできるほか、夜勤がなくワークライフバランスを保ちやすいです。
一方、医療処置を行う機会が少なく、「看護師としてのスキルを活かしきれない」と悩み、辞めたいと考える人も多いようです。もし、今の仕事に物足りなさや不満を抱えているのなら、転職も選択肢のひとつとし検討してみましょう。
看護師の転職先はたくさんありますが。夜勤がなく収入面にも恵まれた、美容クリニックにも注目です。転職サービスを活用し、親身になってくれるアドバイザーに希望する条件を伝えてみてくださいね。