看護師が転職活動を有利に進めたいなら、資格をとるのがおすすめです。スキルアップにつながるだけでなく、自主的に学んでいこうとする姿勢が採用担当者に好印象を与えることも多いです。とはいえ、資格取得には時間や費用がかかるため、どんな資格でも良いというわけではありません。
今回は、看護師の転職に有利に働く資格をご紹介します。それぞれの分野別にも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
看護師の転職に有利な資格!スキルアップ編
看護師の転職を有利にする資格には、さまざまな種類があります。そのなかでも、キャリアアップに役立つ資格を見ていきましょう。
認定看護師
日本看護協会が定める資格で、19の分野に分かれています。それぞれの分野の熟練した看護技術と知識を備えていると証明するもので、通算5年以上の実務経験があり、認定機関による研修を受けて審査に合格すると認定証が交付されます。
認定取得後は5年ごとに更新審査があるものの、ほかの看護師に対する指導や相談の対応もできるので、幅広い職場でニーズがあります。
認定看護管理者
日本看護協会が認定する、取得要件が非常に厳しい資格です。認定されれば、医療現場の管理者として優れた資質をもち、創造的に組織を発展させられる人材として認められるでしょう。
まわりからの評価も高いため、看護部長や師長といった管理者立場での転職を目指すなら、ぜひ取得を検討してください。
専門看護師
日本看護協会と日本看護大学協議会が連携して証明している資格です。13 の専門看護分野にわかれ、卓越した看護実践能力があることを証明します。
通算5年間の実務経験と看護系大学院修士課程の修了が取得要件で、書類審査と論述形式の筆記試験の両方があるため、難易度は高めです。5年ごとに更新審査を受ければ病院、大学の教育現場、研究分野でも活躍でき、幅広い職種の転職で役立つでしょう。
保健師
乳幼児から高齢者まで、広い世代の健康をサポートする国家資格です。資格があれば健康相談や生活指導、生活改善のアドバイスができるため、行政機関でも活躍できます。
保健師になるには、看護師国家試験と保健師国家試験の両方に合格する必要があります。将来的に地域の保健所や保険センターで働く行政保健師を目指すとき、病院保健師、産業保健師、学校保健師などへの転職を目指す看護師におすすめです。
助産師
出産の介助のほか、健康管理や保健指導はじめとする母子の健康に関わる業務を担う国家資格です。女性のみが取得でき、看護師国家試験と助産師国家試験の両方の合格が求められます。
助産師の資格は産科や助産院などの転職に有利です。助産師の仕事は独占業務で、通常の看護師より高い給与が期待できるでしょう。また、正常な分娩では医師の指示が必要ないため、資格があれば個人で助産所を開業できます。
ケアマネージャー
国家資格ではないものの、介護が必要な人へのケアプランの作成や市町村、施設、家族との連絡調整に欠かせない資格です。看護師をはじめとする国家資格にもとづく業務に通算5年以上従事していないと、取得できません。
保険サービスの提供や各種申請代行なども行う、介護福祉系のなかでも最高難度の資格です。介護サービスの需要は今後も高まると予想されているため、取得しておくと転職先の幅が広がるでしょう。
看護師の転職に有利な資格!分野別編
引き続き、看護の分野や術科別に役立つ資格を見ていきましょう。希望する科への転職を目指す方は、ぜひチャレンジしてください。
循環器・呼吸器系
循環器や呼吸器系の専門科で働くためには、より専門的な知識や実践的な技能が必要です。次のふたつの資格が転職に役立つでしょう。
循環器専門ナース
循環器専門ナースの資格は、大阪の公益社団法人 臨床心臓病学教育研究会JECCSで研修を受ければ取得できます。研修は定員制ではあるものの、取得難易度はそれほど高くありません。
最新医療や機器の知識、経験が身につくので、転職に役立つでしょう。心臓循環疾患に関する実践的な知識をもつ看護師は心臓外科手術の補助、問診、触診、運動療法と多岐にわたる役割を担うため、常に一定の需要があります。
禁煙支援士
日本禁煙科学会が認定する、禁煙したい患者様をサポートする専門資格です。初級禁煙支援士、中級禁煙支援士、上級禁煙支援士と3つのコースに分かれています。
禁煙サポートは患者様一人ひとりにあわせて個別のケアが求められるため、禁煙支援士は心理学に基づき心や行動のコントロールを促し、環境を変えていく役割を担います。禁煙を推進する企業は多く、資格を取得すれば産業看護師への転職にも期待がもてるでしょう。
精神科
精神科への転職を考えているなら、心理系の資格がおすすめです。資格を取得すれば、スクールカウンセラーや児童相談所といった、医療現場以外への転職の可能性も広がるでしょう。
臨床心理士・公認心理師
臨床心理士と公認心理師は、どちらも心理学に基づく知識や技術を用いて、患者様の心の問題にアプローチする資格です。
なかでも、臨床心理士になるには4年制大学を卒業したのち、指定大学院や専門職大学院を修了する必要があり、 取得難易度が高めです。
また、資格取得後に5年ごとの更新があるため、常に一定のレベルを維持する努力が求められるでしょう。臨床心理士の資格は、病院や学校へ心理職として転職するのに有利です。
一方で、公認心理士は心理学系では唯一の国家資格です。大学に加えて、大学院までの6年間をかけて知識や技能を習得しないと取得できません。より専門性の高い心理系の資格として、転職に役立ちます。
認知症ケア専門士
一般社団法人日本認知症ケア学会が主催する民間資格で、 認知症ケアに対する学識や技術を備えた、認知症ケアのプロであることを証明します。介護や福祉業界では知名度が高い資格なので評価が高く、介護保険施設やグループホームに転職するときに役立つでしょう。
今後はますます高齢者が増えると予想されていて、需要が高い資格のひとつといわれています。
美容系
美容クリニックへの転職を目指すなら、美容に関する総合的な知識を身につけられる資格がおすすめです。とくに、業界で知名度の高い、ふたつの資格に注目しましょう。
スキンケアアドバイザー
スキンケアアドバイザーは一般社団法人 スキンケア協会が主催する資格で、スキンケアの知識、薬機法、化粧品の知識をもつスペシャリストの能力を証明します。肌ケアの理論が学べるので、患者様へのカウンセリングをはじめとする美容クリニックの仕事にいかせるでしょう。
日本化粧品検定
文部科学省が推薦する民間資格です。資格を取得すれば、コスメや美容、化粧品効果効能についての知識が身につくでしょう。とくに知名度が高く、美容看護師の多くが取得している資格です。
履歴書や転職活動の面接でも、美容に関心が高いことや意欲をアピールするのに役立ちます。
美容看護師の仕事は夜勤や残業がなく、そのうえ高収入も目指せるため、ワークライフバランスを実現したい人や給料アップを目指したい人に向いています。
美容医療専門の人材紹介サイト「ビナラボ」は求人数が豊富で、たくさんの中から希望の条件に合う転職先が見つかります。プロのアドバイザーによるアドバイスも受けられるため、初めて美容クリニックに転職したい方にはおすすめです。
美容看護師に興味がある人は、まずは美容看護師(ナース)専門の転職サイト「ビナラボ」への無料相談からはじめてみてはいかがでしょうか。
まとめ
看護師が働きながら勉強するのは大変でも、資格があれば転職に有利です。学んだ知識や技術は仕事にいかせるので、自信をもって働けるでしょう。看護師の仕事に役立つ資格には、たくさんあります。仕事に役立つものを選んで、転職を目指しましょう。